バラマンディ・フィッシング]]V
出た!! 大型クイーンフィッシュ

デントリーリバー 11KB
初日はデントリーリバー

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'16/8遠征



'16/8/7(日)
〜 スマートゲートは賢いのか?


ケアンズ国際空港 12KB ボーイング787ドリームライナーの前座席背部に付いているモニターで無料の釣り番組を見たりしていたら、いつの間にか眠ってしまった。隣に座る嫁さんのモニターは利用開始早々にハングして使うことが出来ず、読書用ライトすら点かない。機体は最新式で信頼性も高いと聞くが、装備品はイマイチな感があった。この機体は、乗客が過ごしやすいように機内空気がしっかりと調整されているらしいが、夜中に妙に喉が渇いて目が覚めた。しかも口の中が異様にベタつく。「何でだろう?」と考えたら、思いつくものがあった。

 それは、免税店で買ったリンゴジュース。いつもはペットボトルのお茶を購入して機内に持ち込むのだが、今回はちょっと考えを変えてみたら失敗。リンゴ果汁20%、砂糖類がたっぷり入っているソフトドリンクだった。ベタつく理由は、たっぷり入っているであろう砂糖類に違いない。洗面所へ行き口の中をゆすぎ、無料配布されたミネラルウォーターで喉を湿らせた。やは機中ではお茶かお水が良さそうだ。

ケアンズ空港 12KB 寝られたのか、寝られなかったのか良く判らない状態で、もうじきオーストラリアの地に降り立つ距離になった。着陸30分前にはシートベルト着用のアナウンスが入り、動けなくなってしまうのでこれ以前に身支度を整え、直ぐに席を立てるように準備をしておく。当便は6分程遅れてケアンズ国際空港に到着。シートベルトサインが消えて直ぐに通路に立ち、出口に向って歩みを進める。今回も入国は2014年〜2015年から導入されたスマートゲート(ePassport self service)を利用。端末機にパスポートを突っ込む自動審査を受け、顔写真撮影後に無事入国した。

 スマートゲートは、パスポートを挿入することで日本語表示になる。画面の指示に従えば、問題なく通過できるのだが嫁さんが引っ掛かった。どうやら成田空港のジェットスターのカウンターで引っ掛かった時と同じく、パスポートの氏名情報でエラーになった様子。結局、入国審査係員のいるゲートに行って列に並びなおし、入国手続きをする事になった。新たに導入されたスマートゲートは本当にスマート(賢い)なのだろうか?お蔭様で検疫検査・税関はスルーパスだったが、嫁さんはこの対応でちょっと疲れてしまったようで、ロビーの床にペタッと座り込んだ。

〜 ケアンズの冬は寒いのだ


イスズ 9KB 8月上旬、日本は真夏だが、赤道を挟んで反対側のオーストラリアは真冬にあたる。ケアンズの朝5時半は、まだ暗く、雨も降っているためか空気が冷たく肌寒い。屋外は寒いので施設内の出入り口付近で外を見ていると、テリーが運転するガンメタリック色の装甲車のようなイスズのD-MAX(改)が滑り込んできた。再会を祝して挨拶を交わし車に乗り込み、ひとっ走りしてテリーの新居へ移動した。

 新居は、新たな土地で家を建てる工事を始めて既に2年が経つが、未だ完成していない様子。ちゃんとしたホームビルダーに任せればもっと早く完成するハズだが、彼は「自分でやれるところば自分でやりたい」という考えの持ち主。楽しみながら、失敗しながら、コツコツ自分の家を築き上げているようだ。御自慢の庭に回って、ぐるりと見渡すと作業途中の所がアチコチあったりして、苦労している様子が伺われた。

 久しぶりに会うライアン君と雑談をしながら、朝食として用意してくれたシリアルを食べる。ライアン君については、三輪車に乗るような小さな頃から知っているが、今はもう28歳。体は急激に大きくなり相撲レスラーのような体つきなってしまった。運動をせずハイカロリーな食事を摂っているため、Tシャツの下は筋肉ではなく、ほとんどが脂肪のようだ。仕事に出掛けるライアン君と別れ、私達は一服する間も惜しんで、釣りの準備に取り掛かる。

〜 冷たい雨の中のキャスト


白鯨ミガルー 7KB 午前7時半、デントリーリバーに向けて出発。車中のラジオからは、ケアンズのニュースが流れる。今、巷で話題になっているのが、白いクジラ"ミガルーMigaloo"が海岸にやって来たことらしい。ザトウクジラのアルビノで、全身が真っ白。まさしく、白鯨。毎年、冬になると南極付近から移動し、暖かいクイーンズランドの沿岸域に出没するとのこと。ホエールウォッチングのツアーで見ることが出来ればとてもラッキーに違いない。(画像出典:ブログで海外生活(ラストリゾート))

 すれ違う車が以前とは違い、見慣れない車が増えていることに気が付いた。お金がある人達はトヨタに乗り、続いてニッサンマツダという感じだと思っていたのだが、最近は、私が「見慣れない車」と称していた韓国車キアがメジャーに。オーストラリアでは、7年保障が付いたキアが大いに注目され、昨年はヒュンダイがカーオブザイヤーに輝いたとのこと。韓国車が急激にシェアを拡大しているようだ。

デントリーのクリーク 11KB インフルエンザが大流行して大変だったモスマンの街を通過。白い煙を吹き上げて操業しているサイウキビ工場を横目に見ながらデントリーに走りこんだ。午前9時半、ボートに乗り込んで上流に向う。今回のタックルは、往年の赤い竿バンタムスコーピオンBSR1603Fコンクエスト250DCをセット。テリーから借りたスピニングロッド プロキャスターV IM7に持参したステラ3000。嫁さん用にはユナイテッドロッドVR66M(ファストアンション、ミディアム)にツインパワーC3000を組んで使ってもらう。

 ボートが走り出し、雨風を体に受けるとグッと寒くなる。熱帯雨林と言えども、8月は真冬にあたり気温は低いので要注意。嫁さんは、カッパの下にユニクロのコンパクト・ダウンジャケットを着込むほど。今回は、「念のために・・・」とスーツケースに突っ込んできたダウンジャケットがとても重宝した。見覚えのあるクリークに入り、シャッドラップSR8を使って岸際を叩いてゆく。時折、ワニが水面から顔を出したり、ボートの周りをサメがウロウロしている。水温が低下していることと、周囲にプレデター達がいるからなのか、私達のルアーに豪州魚達は全く反応がない。クリークの中は全くダメだったので、Uターンして下流へ向いながらロングA(15A)使ってバラマンディを探す。冷たい雨の中、懸命にキャストを重ねたが、ワンチャンスもない。

〜 河口域でメッキゲーム 〜


メッキ 7KB 開始2時間近く経って、ようやくヒット。水温が低下してバラマンディの反応がないので、塩分濃度が高い下流域まで下ってGT狙いに切り替えていた。川の真ん中に広大なシャローエリアがあり、ここをGスプラッシュ80でポッピングしているとバッコ〜ンッ。25cm程しかないメッキサイズだったが、良くファイトしてくれた。更なる追加を求めて3人揃ってポッピングをしたが周囲は沈黙。GTは群れで移動しているハズなのだが、その姿は全く見られなかった。いつもなら、"馬の瀬"の部分に集まるベイトをGTが狙って回遊しているのだが、今日はベイトの姿を見ることが少ない。

ビッグアイ 9KB ボートを河口域まで走らせ、岸際にある倒木を丁寧に探る。使うルアーは"ボウズなし"のZBLシステムミノー50S。「オーストラリアまで行って、そんな小さなルアーを使うの?」なんて声が聞こえそうだが、遠征へ行く人には絶対にBOXの中に入れておいて欲しいルアーなのだ。ボートを岸と平行に進めながら、ZBL50Sを倒木に引っ掛けないように次々と打ち込んでゆく。魚が付いている倒木と付いていない倒木の差がハッキリしており、魚が付いている場所では、陰からワラワラと小さな魚が出てきて、次々とルアーにアタックする。

 パックリとルアーを咥えたのは20〜25cmのメッキ。テリーがGT、パピヨントレバリーと呼んでいる魚とは種類が違い、このメッキは目がとても大きいのが特徴で、通称"ビッグアイ"と呼んでいる魚。居場所を見つければ、数釣りが楽しめるのだ。倒木周りで立て続けに私が3匹、テリーが1匹キャッチ。一方、嫁さんはキャストがピンポイントに決まらず、ついには枯れ枝に引っ掛けてギブアップ。ルアー回収のためボートを寄せて、せっかくのポイントがグチャグチャ。ずっと休みなく竿を振っており疲れも出てきたので、このタイミングでティータイムとした。

〜 出た!! 大型クイーンフィッシュ 〜


クイーンフィシュ 95cm 7KB 時計を見ると12時10分。ティータイムと言うよりはランチタイムの時間なのだが、潮のタイミングも考えて甘いココナッツペーストが塗ってある菓子パンと紅茶を頂きながら15分程の休憩で済ませる。まだ嫁さんが釣っていないので、休憩後は、精度の高いキャストが不要な"馬の瀬"のあるエリアへと移動。彼女にはGスプラッシュ80を投げてもらい、ポッピングで魚を探査。まもなく、彼女のルアーが水柱と共にひったくられ、ドラグの唸りを伴ってラインが一気に出された。その力強いファイトは、明らかにメッキサイズとは違う。相手は、直線的に泳ぎ回るので大型のGTかクイーンフィッシュ。猛烈なファイトに負けないよう彼女には船首にしっかりと立ってもらい、暫く頑張ってもらった。

 ヒットしてから引き寄せるまで5分以上が経過。フックは極太の物に交換してあるのでしっかり刺さっていれば大丈夫なのだろうが、長時間のファイトで針穴が広がり抜けてしまう恐れがある。魚の動きが鈍ったところで、ある程度強引に引き寄せないと逃してしまう可能性もある。彼女はヘロヘロになりながらも徐々に魚との間合いを詰めて無事にキャッチ。釣れた魚は95cmのクイーンフィッシュ。小判ザメのおまけ付きだった。旦那は20cmソコソコのメッキを釣って喜んでいたが、嫁が釣った魚は巨大なクイーンフィッシュ。釣りの時はいつも彼女が大物を釣っているが、またしても彼女にやられてしまった感がある。



GT 7KB 冬になると河口域でメーターオーバーのクイーンフィッシュがポッパーで釣れる事は知っていたが、そのファイトの力強さは嫁さんの横でサポートしていた私にも十分伝わってきた。更なる追加を求めて"馬の瀬"周辺を何度もポッピングする。しかし、全く反応はない。ここで攻め方を変えてポッパーのトローリングをやってみた。Gスプラッシュ80をロングキャストした後、ミノーを引く時よりも少し速度を落としてボートを走らせる。カジキマグロ狙いのトローリングのように、水飛沫や泡を立てながらポッパーが表層を泳ぐように船速を調整して広範囲に探る。少しして私のGスプラッシュ80にGTが飛び掛ってヒット。竿をしっかりと握り締め、即座に戦闘モードに入って魚とやり取りをした。キャッチしたGTは45cmUP。結構、良いサイズなのだが、嫁さんが釣ったクイーンフィッシュの後では、小さく見えてしまったのが残念。

〜 水温低下でワニ上陸 〜


ランチ 11KB 午後1時半、遅めのランチ。クリークの入り口にボートを停めて、サンドウィッチを作ってパクつく。サンドウィッチはいつもと同じ。バンズにトマト、レタス、ハム、チーズを乗せ、マスタードを塗って塩・コショウを振り掛けるというシンプルな物だ。このスタイルは、記念すべき第1回の遠征、1998年4月から変わっていない。

 30分程、休憩してからクリークの中を探査する。使うルアーはシャッドラップ8のクローダッドカラー。マングローブの根際にルアーをピンポイントで撃ち込み、トウィッチ&ポーズで魚を誘う。活性が高い時なら苦労せずに魚を次々とキャッチ出来るのだが、今回はとても渋い状況。ここぞと言うピンポイントにドンピシャでルアーが入っても魚は出てこない。

クリーク・フィッシング 12KB 昼食後に入ったクリークでは、GTらしき魚のバイトが僅かに2回あっただけで、3人ともノーフィッシュ。テリーは「ここはタフだから、アラクンに今から行きたい。」と何度もぼやき始めた。ここ数日のケアンズの気温は17℃〜25℃で、朝夕は冷え込んでいる。今日は冷たい雨も降って、魚の活性は下がる一方だ。

 少しずつ、上流に遡ってゆくと、岸際でワニを目撃する事が増えてきた。サイズは、2mを少し超える程度だろう。過去、デントリーリバーで釣りをすると時々ワニを目撃するのだが、こんなに何匹もアチコチで見ることはなかったように思う。テリーに「ワニが増えているのか?」と聞いてみると、「水温が下がっているため、水から上がって太陽に当たっているんだ」とのコメントがあった。「今日はワニが水から上がりたくなるほど、コンディションが悪いのか・・・」と釣れない状況を察した。

 ボートを上流に進めながらGスプラッシュ80で広範囲に魚を探す。活性が下がりきったバラマンディは諦め、途中からクイーンフィッシュやGT狙いになっているのだが、魚を見つけられないままボートランプまで戻ってきてしまった。時計を見ると午後3時。ついでにココでトイレ休憩にした。女性同伴の場合、大自然の中で釣りを楽しんでもらうためにはトイレには気を配る必要がある。以前はボロい簡易トイレだったので女性は辛い思いをしたかもしれないが、世界遺産に登録されたこともあり施設は年々改善されているので安心だ。

〜 ディープエリアのターポン狙い 〜


ガイドのテリー 8KB 残り時間は2時間程度。さてどうするか・・・上流へ一気に上がりディープエリアのジギングでターポンを狙うことにした。場所は川が大きくカーブするところ。大して川幅は広くなく、こんな所に深い場所があるのかと疑問に思うのだが、魚探でチェックすると水深は11m〜12mもある。使うルアーは、銀色に輝く鉄板系の小さなバイブレーションかゴムルアー。私は生態系に悪影響を及ぼす可能性があるようなゴムルアーは使わない主義なので、迷わずに鉄板バイブを竿先にぶら下げる。ターポンは群れている小さなベイトを食うので、銀色をした小さなルアーに良く反応する。冬場にバス釣りで使うリトルマックスのようなタイプがお勧めだ。似たようなルアーが各社から発売されているので、価格の安い物でも良いから何個か持参すると良いだろう。

 嫁さんとテリーは釣果第一主義でゴムルアーを使用。いずれも軽く投げて、ボトムまでルアーを落とす。ルアーが着底したら、魚がいるタナを探りながらしゃくったり、一気に巻き上げたりして様子を伺う。魚がいれば直ぐにアタリが出るのだが、活性が低い時のターポンのアタリはとても取りにくい。口を大きく広げてエサを吸い込み、違和感があると直ぐに吐き出してしまうからだ。元々、ジギングは苦手な釣りのジャンル。ピンポイントを狙ってルアーを小気味良く撃ち込むという楽しみがないのが大きな理由の1つ。目標物がなく、どうなっているのか全く判らない水中を探る釣りは、頭の中でイメージ出来ないのでアタリがないと続けていられない。全くアタリがなく、徐々に眉間にシワが寄ってくる。私の不機嫌そうな顔を見て、テリーは早めにこの釣りを切り上げクリーク内でのキャスティングゲームに切り替えてくれた。

〜 招かれざるお客さん 〜


ブルシャーク 9KB 午後4時、本日最後のポイントになるであろうクリークに到着した。期待していたクリークの入り口付近で、サメがウロウロしているのを目撃してガッカリ・・・。河口から随分離れているのだが、ココのサメは淡水でも生きていられる。サメがいると魚が怯えて出てこないので釣りにくくなるだけではなく、針掛かりした魚が横取りされる場合もあるので良い事は何もない。サメから離れて、岸際のオーバーハングや水中に沈む倒木周辺をシャッドラップ8で探り始めた。少しして、倒木周りで待望のヒット。しかも、猛烈なパワーでラインが引きずり出されたので、すぐさま80cmUPのバラマンディの姿が頭に浮かんだ。

 ストラクチャーに潜り込まれないよう、時に強引にロッドを使って魚を誘導する。製造後、随分年月を経ているが、銘竿バンタムスコーピオンBSR1603Fはまだまだへこたれない。私のファイトの様子を見ていたテリーが「バラマンディじゃないぞ」と笑いながら声を掛けた。徐々に魚を寄せて魚体を確認すると、相手は獰猛なブルシャークだった。ラインをブチ切られるか、大切なシャッドラップが破壊されるかの危機的な状況。また、十分疲れさせてからランディングしないと船上で暴れて危険なので、サメとの駆け引きによるドキドキ感はハンパない。

クロコダイル 11KB 80cm前後のブルシャークを釣り上げ、即座にリリース。怪我もなく、ルアーも壊れなかったのでホッと一息つく。レモンスカッシュを飲んで水分補給をしながら、ラインの傷みやフックが伸びていないかしっかりと確認してキャストを再開。直ぐにボートの周囲をゆっくりと回っている数匹のサメの存在に気が付いた。こうなってしまうと、まともに釣りが出来ないので、その場から離脱。ボートをクリークの中へと進めた。キャストを始めると、今度はクロコダイルが音もなく、波も立てずにすぅ〜と近寄ってきた。エサを貰えると思っているのか、私達をエサだと思っているのかは定かではないが、サメと一緒で、ワニがいると魚は出てこない。ボートに寄ってくるのは、本命魚ではなく招かれざるお客さんばかりだ。

テリー 9KB デントリーリバーでは、自然観察のツアーボートがありクロコダイルウォッチングをしているが、テリーが語るとおり、野生のワニに絶対餌付けなんてしてはいけないのである。釣り人は、釣った魚をキャッチする際や、手を洗っている時にバックリやられる可能性もあるので、十分注意が必要なのだ。ここは、人間に危害を加える生物が少ない日本とは違う事を忘れてはならない。(左写真はネイチャーツアー受付前にあるニセモノのワニ)

 テリーは釣竿で水面をバシャバシャ叩いて、ワニを引き寄せた後、ルアーリトリバーを取り出し、頭をブッ叩く。それでもワニは私達のボートの近くに居座って、こちらの様子を伺っていた。サメとのファイトや忍び寄るワニとのやり取りは、YouTubeの第23回豪州バラマンディ遠征vol2 凶暴ザメとのファイトvol3 ボートに忍び寄るクロコダイル を御覧あれ。


〜 本命魚はいずこに 〜


マングローブジャック 9KB ボートを更に進め、徐々に細くなるクリークを探査する。水温は20℃程。バラマンディ釣りにおいて、この水温は低過ぎるらしい。残り時間が30分を切ったが、本日は一度もバラマンディの顔を拝んでいない。本命魚はいずこに・・・このままで終わるには余りにも悲しいため、諦めずにピンポイントにギリギリ・タイトなキャストを繰り返す。

 活性が低い時は、ポーズの時間を長めに取ってルアーを水中に漂わせるのが良い事をこれまでガイドから学んだ。太軸フックとハードリング、ウレタンコートによりスローフローティングになるよう調整してあるシャッドラップ8で水中に沈む倒木を念入りに攻める。このルアーの優れた点は、障害物回避性能がとても高いこと。絶対に引っ掛かりそうな込み入った枝が広がる倒木の中に撃ち込んでも、長いリップと浮力を活かして障害物にコンタクトしながら攻める事が出来るのだ。

 ここぞと思われるストラクチャーを狙ってキャストを繰り返していると、狙いどおりにガツッとヒットした。複雑に込み入ったストラクチャーの中へ潜り込もうとする魚を一気に引きずり出して、オープンスペースでやり取りをする。水中でチラリと見えた魚体は、銀色ではなく薄い赤色。残念ながら本命魚ではなくマングローブジャックだった。魚種とサイズも確認できたため、場を荒らさないよう早めに決着をつける。魚の頭をボートの方に向けさせ、一気にゴボウ抜き。足元でバタつく魚のサイズは30cm超。この魚は塩分が高めのエリアにいる魚なので、思いのほか上流域で釣れた事にちょっと驚いた。更なる追加を期待してキャストを重ねたが、魚の影すら見ることが出来ずタイムアウト。

〜 満腹、ほろ酔い状態で昇天 〜


デントリーリバー ボートランプ 8KB ボートランプでテリーがボートを引き上げる作業は、いつ見てもムダがない。一人でやっているにも関わらず、とても短時間で作業を完了させてしまう。時々、順番待ちでOZ達の引き揚げ作業を見るのだが、手際の悪さとドタバタ感が溢れている。思わず手伝いをしたくなってしまうが、もし自分が一人でピックアップをやるとなればもっと酷い有様に違いない。テリーはケアンズのプロガイドとしてトップレベルにあり、ボートを牽引して釣り場まで運んでいる釣り人にとって、この一連の作業はとても参考になるだろう。YouTubeにアップした動画は必見なのである。

 午後5時半にはボートを牽引してケアンズを目指して南下する。途中、左手にバラマンディの釣堀 兼 養殖場を見る。テリーに「明日はココで釣りをしよう」と冗談を投げ掛けると、彼はとても嫌そうな顔をして勘弁してくれと言う。客人にバラマンディを釣らせられなかっただけでなく、稀に見る貧果に強いプレッシャーを感じていたようだった。

夕食はパスタ 9KB 一方、嫁さんは、1匹しか釣れなかったにも関わらず、ガイドや私がビックリするような巨大魚を釣り上げ大満足。過去の遠征や普段の釣りにおいても、大きな魚を釣るのは嫁さんの方。やはり彼女は、大物釣師であることが今回の遠征でも証明された。

テリーファミリー 9KB およそ2時間掛けてケアンズのテリー宅に到着した。道中は睡魔に襲われ、狭くてクッションが悪い後部座席にも関わらず爆睡。早朝、ケアンズに到着し、丸一日釣りをしていたのだからと言い訳を言いつつ、体力の低下を改めて痛感する。夕食はマリアさん御自慢のパスタ。私のお気に入りのガーリックトーストを添えてもらい、氷を浮かべた赤ワインを楽しむ。一緒に食事をしたライアン君と、カトコトの英語で会話をする。

 お宅の庭には、毎日様々な野鳥が飛んで来る。先日、彼のiPhoneを使ってワライカワセミの鳴き声を録音し、それを再生したところハプニングが起きたらしい。鳴き声を再生して間もなく、何処からともなくワライカワセミが飛んできてiPhoneに攻撃。カワセミと縄張りに進入したiPhoneのバトルは見物だったとのこと。鳥の鳴き声の録音は、機会があったら是非私も試してみたいと思った。 食後は、荷物の片付けや翌日の準備を手早く済ませて午後9時にはベットイン。満腹、ほろ酔い状態で一瞬にして昇天した。

釣行1日目の結果

TOSHI

ASAKO

TERRY

クイーンフィッシュ


1


GT



1

マングローブジャック

1



サメ

1





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