バラマンディ・フィッシングⅩⅩⅦ
帰宅までの道のり
Memorial Photo テリー・ホールマン
擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'24/9遠征


'24/10/5(土)

~ ケアンズ最終日の朝~

 豪州遠征最終日は午前6時に起床。夜明け前から、庭先で野鳥が大声で鳴き合い騒々しかった。前夜の内に荷物のパッキングはほぼ終えていたので、機内に持ち込む手荷物の最終チェックをして完了。今日はスッキリと晴れ渡り、日本に向けて出発するには絶好の日和になった。朝食前の散歩でテリー宅の周囲をぶらぶらと歩く。庭先で頭上高くに咲く白い花はヤッカ。日本では室内に置く観葉植物のユッカ(青年の木)として知られる植物だが、まさかこんなに大きくなる植物だとは知らなかった。テリーは早朝から動き回り、ボートを洗った後に庭木へ灌水していた。

 朝食はテリーがキッチンに立ち、目玉焼きとトマトを焼いてくれ、豆が沢山入ったスープも出してくれた。今日は外の円卓テーブルでお庭を眺め、鳥達の鳴き声を聞きながら、ゆったりと食事をする。食事中にライアンが顔を出してくれた。彼は数日後に日本へ渡り、長野と松本に立ち寄った後、カナダへ行くと言う。カナダ行きは観光旅行ではなく、現地で働いて生活するらしい。日本へ行くのは初めてではなく、前年だったか、白馬へスキーをやりに行っている。オーストラリアとは季節が逆で、雪質が良い、長野や北海道を訪れる豪州スキーヤーは年々増加の一途なのである。

 2018年3月の豪州遠征時に訪問した、家族・親戚の力を借りてリフォームした彼の家は、家主が不在となるので引き払うらしい。リフォーム時にシロアリ対策を怠ったので被害が凄いとテリーから聞く。どうやら、家の片付けはテリーに全てお任せで、本人はカナダへ行っちゃうようだ。ライアンは、本当に小さな子供の頃から知っているので、ケアンズを出てカナダで生活するようになるなんて驚くばかり。彼へのお土産は特に用意していなかったが、今回の遠征で使用した冷感クールリングをプレゼント。しかし、これから涼しい国へ行くから必要なさそう。多分、このリングはテリーの手に渡るだろう。

 忘れ物がないか再確認したのち、荷物一式を車に積み込む。私もテリーも、お互い歳を取ってしまったので、豪州遠征は今回が最後かと思いつつも、まだ釣り足りないと思う気持ちもある。長年の目標でもあるメーターオーバーのバラマンディは未だこの手で釣り上げていない。せめてもう1回はケアンズに来て釣りをしたいと思う気持ちが強まり、あらためて彼に愛竿を預け大切に保管しておくよう頼んだ。

~ バリー クロスとの再会~

 空港へ行く途中、有名なフィッシングガイド&豪州製ウッドルアーのコレクター キャプテン・バリー クロスのお宅を訪問した。彼はテリーと共にケアンズにおけるフィッシングガイドの仕組みを作り、GTフィッシングを確立し広めた立役者。釣り雑誌Anglingにも紹介され、日本におけるGTフィッシングの先駆者達は、伝説の名キャプテンである彼に随分お世話になった事だろう。前回の遠征(2023年3月)でもお宅訪問をしたばかりなので、私達の事は覚えていてくれた。相変わらず、手が握り潰されてしまいそうな力強い握手をされる。

 厳重に施錠された彼のコレクション部屋に案内され、時間を掛けて端から端まで堪能させてもらう。彼のコレクションは、膨大な豪州製ウッドルアーだけでなく、各国の古い漁具も集められ、部屋の中はさながら歴史博物館のよう。頭上には魚のはく製や日本のガラス製ビン玉もぶら下がっている。前回からレイアウトが少し変わっていたり、新たに追加されたルアーがあったりと、じっくり拝見した。いかにもオーストラリアっぽい極彩色に塗られた派手なルアーから、ハードウッドをナイフで削っただけの古いハンドメイドルアーも多数陳列。何気なく日本のルアーもあったりするので興味は尽きない。

 バリーはテリーと同様に70歳を越えているかと思う。長い年月とお金を使って集めたこれらのコレクションは、今後どうするのだろうか・・・。OZガイは日本人より頑丈な体で、高度医療も発達しているから、もう暫くは大丈夫だろう。今回は、彼へのお土産として日本の個性的なトップウォータールアーとスナック菓子を用意してあった。これを手渡すと大喜び。「マレーコッドやサラトガ釣りで使えそうだ」とニコニコしていた。帰り際、彼からは豪州製ウッドルアーとハンドメイドルアーのイヤリングを貰ったりして、私達はとてもハッピーな気持ちになった。

~ 日本に向けて出発 ~

 午前10時、ケアンズ国際空港に到着。度々、テリーは国際線と国内線の建物を間違えルートミスするのだが、今回は道路標識をちゃんと確認して車を進め無事に辿り着いた。ここで彼と固い握手を交わし、再び会う事を約束してお別れ。歳を取って涙もろくなってきており、毎回この瞬間は目頭が熱くなる。ジェットスター航空のカウンター前は長蛇の列。関西空港行きと成田空港行きが同時にカウンターオープンするので、タイミングが悪いと団体客でフロアーは混雑し窓口まで曲がりくねった長蛇の列が出来る。頭上にある運行掲示板で確認すると、フライトは予定どおり12:00に出発できそう。まずは、これで一安心した。

 持ち歩いていたペットボトルの水は、全て飲み干しボトルをゴミ箱に捨てる。記念撮影ポイントで写真を撮り、忘れ物や落とし物がない事を再確認して出国手続きをする。ここでは、手荷物検査で引っ掛かる人もいるので要注意。悪気はなくても、ついうっかり持ち込み禁止品を携帯してしまう事が結構あるようで、なかなか進まない列にちょっとイラついたりする。免税品店では買う物はないのでスルーパス。まずは、カフェ&バーTHE CAPEで機内での昼食用にチキンサンドウィッチ(12.9A$)とほうれん草パタロール(10A$)を購入する。サンドウィッチ1個が日本円換算で1,300円もし、面食らってしまう。因みに、軽食店はこの1店舗だけになってしまったので、混雑する前にロビーへ到着したら直ぐに列に並ぶべし。

 続いてフロアー内の売店で、ミネラルウォーター2本(6A$)と土産用のチョコレートバー2本を購入。タイミング良く店員さんが日本人スタッフだったので、「小銭ばかり集まっちゃって困ってるんです~」とか言いながら、サイフの中でジャラついていた小銭をトレイの上にザッと全部出し、店員さんに購入額分のお金を拾い取ってもらう。コインの種類が分からずレジ前でモジモジするよりは、この方が断然早いのであった。なお、ミネラルウォーターは、お店や取り扱い銘柄によって価格が異なるので要チェックだ。

 トイレを済ませ、脚のむくみ防止用にメディキュットを履く。ジェットスターJQ25便の機内はエンコンが強めに効いているので、ブランケットを直ぐに取り出せるよう準備しておく。午前11時20分にゲートがオープンされて機体(ボーイング787-8)に乗り込んだ。帰路は主翼の真横、中央列のトイレ近くに席を確保してあったので、トイレのタイミングも図れて気が楽だった。「さて、後は日本に向かうだけだ~」と思い座席に身を沈めるとトラブル発生。予定外の機体が空港に着陸したとのことで、出発が遅れるとのアナウンスがあった。

 説明では15~20分遅れる予定だったが、結局、機体が滑走路に向かって動き始めたのは午後12時50分、離陸したのが午後1時だった。成田空港到着予定は、20分遅れの午後6時50分を予定。これだと、想定していた成田エキスプレスと新幹線に乗れず、我が家に到着するのが少なくとも1時間は遅くなってしまう。出発遅延は自分ではどうしようもない事だが、遅くなると掛川駅若しくは浜松駅に停車する新幹線が無くなり、何処かに1泊するハメになる。それだけは勘弁して欲しいと切に願うばかり。

 航空機事故で多いのは、離着陸のタイミング。エンジン出力がグンと高まり、滑走路を走り抜け、フワッと舞い上がる瞬間は何とも言えない感覚がある。窓際に座っていれば、眼下にはケアンズ市街や緑溢れる山々と青いサンゴ礁の海が広がって見えるハズだ。離陸後、無事に水平飛行になったので、座席を少し倒してリラックスする。時計を見ると午後1時半、お腹が空いていたので、直ぐにサンドウィッチを食べ出すと、予約していたおやつのバナナブレッドと嫁さんの昼食が同じタイミングで出て来た。バナナブレッドの価格は8A$だったか・・・高いクセに味は特に感動もなく、小さいのでパクパクっと食べて終わり。腕時計の時刻を1時間戻して日本時間に合わせ、残りの時間は携行品・別送品申告書を記入、読書と釣行データを整理し、後はひたすら寝るのみ。

~ 帰宅までの道のり ~

 成田空港には予定時間が更に遅れて午後6時55分に到着。天気は晴れ、外気温は20℃。早めに身支度を整え、機体から降りて通路を小走りに進み荷物受取レーンへと急ぐ。ここでスーツケースの受取に時間が掛かると、成田エキスプレスが危うくなってしまうのである。指定された荷物受取レーンへ行くと、既にレーン外にスーツケーズが整然と並べられていた。過去にこんな事はなく、これにはとても驚かされた。日本の空港のサービスは凄いのである。入国・税関審査も問題なく通過し、空港施設内を移動しJRきっぷ売り場へと急ぐ。窓口は空いていたのでラッキー!!と思いきや、私の前に並んでいた中国人団体ツアーの代表者が人数分のキップを大量に購入。発券と確認で随分時間が掛かっている。列車の到着までに数分しかなく、乗れるかどうかギリギリのタイミング。

 腕時計を見つつジリジリした気分を鎮めながら、やっと私達の順番になった。午後7時53分発の成田エキスプレス50号の席と、品川での待ち時間を考慮し浜松駅に停車するひかり665号(N700系)の自由席キップを購入できた。品川駅での新幹線乗り換えは、結構タイトな設定だった。列車到着のアナウンスが聞こえる状況下で支払いを済ませ改札に辿り着いたが、改札機に入れるキップの間違いでピンポ~ンと鳴りゲートが開かない。慌ててキップを入れ直したが、再びピンポ~ンと鳴った。改札機で2回も引っ掛かり、駅員に対応してもらってどうにか通過した。手元には複数のキップがあり、毎回どれを入れて良いのやら戸惑ってしまう。しかも、キップを重ねていいのか、1枚ずつ入れるのかも未だに理解出来ていない。確保した指定席のある車両は、ホームの先の方だった。スーツケースをガラガラ引きずりながら小走りに走って、ギリギリのタミングで列車に乗り込んだ。

 オーストラリアへ向かう時とは違い、感覚的にはあっと言う間に品川駅へ到着した感じ。ここでは、失敗が1つ。成田エキスプレスで乗った車両が悪く、到着したのが品川駅ホーム北のりかえ口の近くだった。エスカレーターで2階に上がったが、比較的空いているであろう新幹線自由席の先頭車両へ行くには遠い。自由席キップなので、早めに乗り場の列に着かないと座れない可能性がある。いつもは南のりかえ口に近いホームに到着し、目の前のエレベータを使い新幹線改札へ行く最短ルートを取っていたのだが、空港のJRきっぷ売り場窓口で私の座席指定希望が言葉足らずだったようだ。

 構内を移動中、タイミクグ良く売店で新幹線車内で食べるお弁当を購入出来た。前回の遠征帰りで買った品川名物 貝づくし弁当が美味しかったので、暖かいお茶と共に再び購入。混雑するホームをスリ抜けながら下り線ホーム前方へ急ぐ。1号車乗り場には、予想どおり結構な人数が並んでいた。到着したひかり665号に乗り込むと、空いている席は残り少なかった。「土曜日の夜、こんなに混んでいるのか?」と思いつつ席を探す。嫁さんとは席が離れてしまったが、無事に2人とも座れてラッキー。後から乗り込んだ人達は、通路に立つほどの混雑ぶり。このひかり665号は、品川駅で座れないと辛い。品川駅を出ると次の停車駅は新横浜駅。ここで乗客が更に増え、次に停車するのが静岡駅なのだ。静岡駅まで行けば結構な人が下車するが、それまでずっと通路に立ちっばなしになる。

~ 僅か2駅の距離なのに ~

 お腹が空いていたので、隣席の人に遠慮しつつもお弁当を食べ始めた。貝づくし弁当は、思い描いていたままのシッカリした甘じょっばい味付けで美味しく頂けた。久しぶりに食べたお米とお茶に大満足。ウトウトしていたら、いつの間にか静岡駅に到着。結構な人数が下車し、ここで列車待ちで5分程度の停車。予定を少し遅れて浜松駅に到着した。JR東海道線の上り列車に乗り換えるのだが、愛知県豊橋方面の大雨で列車に遅延が出ていた。成田からこちらに来るまでは、雨が降るような天気ではなかったので、大雨による列車の遅延に驚いた。スマホで天気を確認すると、浜松でも少し前まで大雨が降っていたらしい。

 上り電車を混雑するホームで待っていると、事件が発生した。ホームから金髪男性が線路に降りたらしく、非常ボタンが押された。「線路に降りた人を見ませんでしたかー」と大きな声を発しながら駅員さん達が走り回る。若い男性2人が、電車を待つ人を掻き分けながら私の横を通り抜ける。彼らは階段付近で駅員さんに囲まれていたが、金髪の男性は「オレじゃない、関係ない」と否定していた。周囲から「違うなら逃げる必要ないじゃん」「他に誰がいるの?」と声を上げられ、冷ややかな目を向けられた。

 豊橋方面の大雨と線路に人が降りた事件により列車は更に遅れ、午後10時30分発の予定が午後11時7分発へと変わった。自宅までは、僅かに東海道線2駅の距離。直前になって、こんなアクシデントが続くとは思いもよらなった。品川駅でタイミング良くお弁当が買え、新幹線で座席が確保でき、お弁当が食べられてホント運が良かったと振り返る。もし、お弁当を食べていなかったら、エネルギー切れで確実にダウンしてただろう。小学校で「家に帰るまでが遠足だ」と先生に教わったが、まさに玄関を開けて部屋に入るまで気が抜けなかった。

 午後11時25分、無事に自宅へ到着。片付けもそこそこに、直ぐにお風呂に入って疲れを癒す。体をチェックすると右足首に1か所、サンドフライに刺されて赤くなっていた。ディートが12g/100ml含まれている"ムヒの虫よけムシペールα"を塗った上に靴下を履き、"どこでもベープNo1"を巻いていた右足首が刺されているではないか。そもそも"どこでもベープ"の適用害虫が、ヤスリカ、チョウバエなので、効果を期待する方が間違ってはいるのだが・・・。やれる事はやっていたつもりだったが完璧ではなかった。

 一方、嫁さんは、顔の4か所に加え、体のアチコチに刺されて赤くなっている場所があった。釣行最終日、ジョンソンリバーの河口域で、カッパを脱いだ後に油断して刺されたに違いない。サンドフライに刺された直後は何ともないが、日に日に痒みが増してくる。嫁さんは、きっと無意識に掻きむしって悪化させてしまうだろう。今後少なくとも1週間は、豪州遠征を思い出しながら痒みに悩まされるに違いなかった。

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