豪州バラマンディ・フィッシング]U
ケアンズを目指して

ラフロード 4KB
まだまだ続くラフロード


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'06/9遠征

'06/9/8(金)〜9(土)

 〜 キャンプサイト撤収 〜


カエル 5KB 午前6時過ぎに起床。予想していたが、テントの中には蟻達が蠢いている。コイツらは夜中に私のズボンの中や背中にまで入ってきて、モゾモゾ動き何度も起こされた。しかし、この蟻達とも今日でお別れだ。残っている食材で朝食を作り、お腹を満たしてから片づけを開始。お世話になったキャンプサイトを撤収するのだ。ゆっくりやっていると気温が上がって来るので、テントや簡易シャワー、テーブルやイス、頭上を覆っていた巨大なタープをテキパキと畳み、車に積み込む。

 牽引しているカーゴへの荷物の積み込みは、特にキッチリと順序良く念入りにパッキングする。これからラフロードをひた走るので、隙間のないように前後左右のバランスを考えてレイアウトしないと大事故を起こす可能性があるからだ。前回のキャンプ&フィッシングでは、帰り道でタイヤがパンクするハプニングがあった。電話を掛ければJAFが来てくれる便利な日本とは違うので、様々な事を想定して事前に対処しておく必要がある。

ボート積み込み 7KB テントと地面の間には巨大な緑色のアマガエルや茶色いツチガエルが潜んでいた。取り敢えず、触って良いかテリーに尋ねて正解。アマガエルの方はガイドブックなどにチョクチョク出ている可愛いヤツだったが、茶色いヤツは毒を持っている危険なケントードと呼ばれる悪者らしい。海外遠征では、うっかり動植物に触らないように心掛けていないと思わぬトラブルに巻き込まれる。日本に帰るまで気を許さないことが大切だ。

 カエルと遊んでいると、ダウエルとハンナの夫婦がボートでやってきた。彼らは私達が片付けているのを見て、手伝ってくれると言う。丁度、クソ重いボートを川から段差のある陸へ引き上げようとしていた時なので助かった。4人で息を合せてボートを持ち上げカーゴのフレームに立てかけた後、ウインチで上に引き上げる。ダウエルはテリーの特製ボートに興味津々。このボートはテリーと友人のハンドクラフトで、釣りを快適にするために随所に様々な工夫がされている逸品物。テリーは装備を丁寧に紹介するので話しが尽きない。外観は日本で良く見るアルミボートなのだが、不沈構造の堅牢なヤツ。その分、ちょっと重いのが玉にキズだ。

 〜 地雷設置完了 〜


トイレ 7KB 朝のお勤めで、スコップとトイレットペーパーを持って砂場へ行く。テリーとのルールで、地雷を設置した所には棒を立てる事にしていた。それはお互い相手が設置した地雷を掘り起こさないようにするための目印。今日で7日目、砂場にはアチコチに棒が立っている。その様子はまるで映画で観た西部劇、荒野に次々と増えてゆく十字架のようだ。周囲に立っている棒を見ながらしゃがんで地雷設置完了。「もしかして後からここを訪れた人が、お宝でも埋まっているんじゃないかと、掘り起こすヤツがいるかも!?」と考えたら、思わず笑いが込み上げてきた。徳川埋蔵金を探すよりも、確実に”お宝”にありつける可能性は高いぞ。

 テリーはシャワー代りにクロコダイルが潜んでいる川で水浴。午前11時に出発準備が全て整い、エンジンを掛け車をスタートすると4WDが前から入ってきた。どうやら私達と入れ替わりに、ここでキャンプをする人の様子。簡単にご挨拶をして別れたが、彼は地雷原に足を踏み入れるだろうか・・・その時の様子を想像し車中でテリーと笑いあった。奇怪な蟻塚群を見ながらラフロードを走る。場所によって形は色々。ジャガイモみたいに丸っこいのや、太くて角張っている物、三角錐のような物、タケノコの様な小さい物から3〜4mもある巨大なマンションの様な物まである。風雨で崩れたり、雨季で水位が上がり水の影響を受けたりして形が変わるようだ。表面は固いが、ちょっと悪戯をすればポコッと土塊が取れ、うわっと蟻達が出てくる。彼らにしてみれば、えらい迷惑に違いないが、内部がどうなっているか興味津々。

 〜 ここでも豪州外来魚問題 〜


奇妙なアリ塚 6KB 蟻塚を横目で見ながらひたすらケアンズへ向って車を走らせる。1時間ほど赤い砂埃を巻き上げながらラフロードを突き進み、パークレンジャーのグレッグが住むレンジャーハウスに立ち寄る。彼に事故もなく無事に過ごせ、楽しい釣りが出来た事を報告。お礼に出番が極めて少ない赤いTDソルトシャッドをプレゼントした。今頃、彼はあのルアーでバラマンディを釣っているだろうか。

 レンジャーハウスの窓には、「テラピア持ち込み禁止」のポスターが貼ってあった。目ざとくこれを見つけた私はテリーに知らせる。暫し、テラピア問題について3人で話しが盛り上がる。オーストラリア政府では、外来種であるこの魚の生息域拡大を危惧しており徹底排除を目指している。2タイプが侵入しているようだが、繁殖力が旺盛でジャングルパーチなど在来魚が明らかに減少。ケアンズをベースにした近隣河川の釣りでは、以前ジャングルパーチが良く釣れたのだが今ではめっきり減っている事を私達は実感している。その代わりにテラピアが黒い群れを成して泳ぎ回っているのだ。ルアーで釣れれば面白いだろうが、ルアー釣りでは滅多にキャッチ出来ない。私達はケアンズ近郊の状況を伝え、「絶対にこの地へ持ち込まれないようにする注意すべきだ」とグレッグに主張した。

 午後1時過ぎ、ローラ川の河原でランチにする。メニューは朝作っておいたソーセージと卵を挟んだホットサンドにスパゲッティーを少々。食事をしていると、イエローオリオやカラスなど様々な鳥達が私達の様子を見に集まって来る。カラスの外観は日本に住むカラスと同じだが、鳴き声がチョット違う。しかし、頭が良い事は同じようで、テリーはホットサンドの切れ端を与えながら「カラスは賢い鳥だ」と言っている。お茶を飲みながら一服していると、私達が目指すケアンズ方面から度々ボートとキャンプ用具を満載した4WDが砂埃を上げてやって来る。ケープヨーク半島の先にあるウェイパへキャンプ&フィッシングに向っているらしい。ここからだと、まだ10時間以上ラフロードを走るハズ。車でウェイパへ行くと言うのは結構な覚悟が必要だろう。

クロコダイルハンターリンク10KB 小さな街ローラに入ると舗装道路になっているためホッと一息つける。ド田舎なのだがここに来るまでに、数ヶ所で先日アカエイに刺されて亡くなった"クロコダイルハンター"スティーブ・アーウィンの死を悼むメッセージボードや看板を見た。奥さんと小さな子供達もいるハズだ。彼の死は余りに突然で衝撃的な出来事だったのが伺えた。

 午後2時前、岩山が両側に迫った”デビルズゲート”を通り抜ける。暫くラフロードを爆走すると、クックタウン方面とマリーバ方面への分岐点があるレイクランドの街へ入る。ここからは完璧な舗装道路になり山の中を走り抜けるワインディングロードとなった。山の中と言っても日本みたいな森林があるわけではなく、ヒョロヒョロしたユーカリの潅木が生えている放牧地帯と称したほうが良いかもしれない。道端には牛がウロウロ歩いており、いつ道路に飛び出すかもしれない。時折、交通事故で死亡した牛が放置され腐敗している光景が目にとまるので緊張感を持って走る。

 〜 ケアンズを目指して 〜


フィッシャーマンズフレンド 5KB 牛達の姿が見えなくなると、突然睡魔が襲って来る。こんな時、テリーがポケットから取り出すのがスーパーストロング・ミントキャンディー”フィッシャーマンズ・フレンド”。とにかくこのミントキャンディーは強烈。私は夜釣りへ頻繁に出掛けるので、眠気防止のため様々な刺激的なガムやキャンディーを試したが、これが1番スゴイ。口を開けて空気を吸い込むと、「うひぉぉぉ〜」と声が出るくらい刺激的なのである。ネーミングも”釣り人の友”ってところがツボにはまる。スーパーマーケットやガソリンスタンドで売っているようだが、今まで気に留めたことはなかった。温度が高くても溶けにくく、ベタつかないところも良い。色々な味があるようだが緑色パッケージのミント味が最もお勧め。釣り友達へのささやかなお土産にも最適な逸品だ。見つけた時は是非お試しあれ。

 眼下にユーカリの林を見ながら快適なワインディングロードを走る。所々に山火事の跡があり、今もまだほのかに焦げ臭い感じ。山火事の原因は、「タバコの投げ捨て」が直ぐに思い付くが、乾燥したこの地では自然発火も結構多いらしい。徐々に道が下り始め、午後4時にモスマン方面とマリーバ方面の分岐点にあるキャンプ場に到着。ここでオレンジジュースとビスケットを頂きながら小休憩した。頭上の小枝や水飲み場の屋根にはワライカワセミや様々な小鳥が止まり、こちらの様子を伺っている。どうやら、餌を貰えるのを待っている様子。ビスケットを千切って投げると四方から鳥達が飛んで来てビスケットを取り合う。こんな光景を見ながら腰を伸ばしていると、突然物凄い音がしてトラックが近づいてきた。それは3連のロードトレイン。全長は35m以上あるハズ。以前、大型トレーラーとスレ違った際に石が飛んできて、フロントガラスにブチ当たりヒビが入るという怖い思いをした。危険を感じて、慌てて道路から遠ざかる。それにしても、あの巨大な3連のロードトレインはどうやって交差点を曲がるのだろうか?是非一度、曲がるところを見てみたい。

 〜 久しぶりのベッド 〜


ワインディングロード 3KB 午後4時半、マンゴーの花が咲いている果樹園を横目で見ながらマリーバを通過。ここは、未だ心に強く刻まれているマリーバ・ウェットランドがあるところ。Mr.ボブことアツシ君とテリーの3人でサラトガを狙った思い出の地である。ここまで来ればケアンズまで、およそ1時間程度の距離。トラブルなく一気に行きたいところだ。ケアンズ市街を眼下にチラチラ見ながら急な坂道を下る。数台前を走る車から煙が出て、異様なゴム臭さが鼻を突いてきた。このままでは大事故になりそうなところで、運転手が気が付き路肩に車を寄せ一安心。

 ケアンズに観光へ来た旅行者の多くが乗るスカイレールの下をくぐり、見晴らしの良いカーブへ出るとバスが止まっていた。日本人と思われる大勢の観光客が、眼下のケアンズ市街の景色を撮影しようと懸命にカメラや携帯電話を向けている異様な光景を目撃。何だかとても興ざめがして、思わず眉をしかめる。坂を下りきると、岸釣りのポイントで有名なヨーキッズノブへの入り口の所へ出た。ケアンズ空港を通り抜け、予定どおり午後5時半にテリーのお宅へ到着。 

 テリーの愛妻マリアさんとライアン君に温かく迎えられた。ソフトドリンクを頂いて一服した後、シャワーを借りてボウボウに伸びた髭を剃ってスッキリする。テレビを見ると各局ともスティーブの特集を組んで彼の突然の死を偲んでいる。テリーの家族と積もる話しをしながらテーブルについて夕食タイム。夕食はTボーンステーキとナス、ニンジン、ポテトなどの温野菜をたっぷり頂く。食後は運動を兼ねて夜9時まで営業しているショッピングセンターへ歩いて買い物へ行く。仕事柄、野菜や果物には興味があり、どんなものが売られているかマジマジとチェックした。バナナは保存性を高めるため、尻のところが真っ赤いロウ状の物でコーティングされており驚く。リンゴはやはり小さく、トマトはヘタを取って売られている。キャベツは巨大で、様々なハーブが目を引いた。お菓子売り場では銘菓ティムタムの箱入りを発見。そしてスーパーストロング・ミントキャンディー”フィッシャーマンズ・フレンド”が山ほど売られていた。ゆっくり買い物を済ませて、鼻歌を歌いながら夜道をブラブラ歩きながら帰宅。寝る前に山盛りのアイスクリームを平らげ至福状態。久しぶりのベットに身を沈め爆睡した。

 〜 ケアンズの釣具店情報 〜


タックルショップ 5KB ケアンズの最低気温は16℃。明け方は肌寒さを感じる程だった。空はクッキリと晴れ渡り、雲1つなく真っ青。空港には10時頃までに到着すれば良く時間があるので、釣具店「ケアンズタックル&ベイト」へ連れていってもらう。初めて入った店なので嬉しくてキョロキョロしながら店内を物色する。気になるのは日本のルアーがどれだけ扱われているかという店。予想に反してこの店は、海外で有名なブランドのヨーヅリの他、ダイワ、ラッキークラフト、スミスなどの商品が結構沢山並んでいる。

 勿論、価格はビックリ価格。因みに、今回の遠征で活躍したサミー115は30A$、チェリーブラッドは22.5A$。当HPが豪州のバラ釣りでその有用性を紹介し、ガイド達を通じて当地で有名となったDDパニッシュは19.95A$、TDブロスバイブが22.95A$、サラナが17.95A$だった。笑えたところでは、クルクルの完全コピー商品と思われる中国製”クルクルジグ”が13A$。この他にもタンゴダンサースレンダーポインタースゴイミノーR50シャイナーV-FMなどがあった。オーストラリアでクソ高い日本のルアーを買う必要もなく、次回のバラマンディ釣行と日本のバス釣りで使えそうな豪州製ウッドルアーと釣り雑誌をまとめ買い。いずれ豪州製ウッドルアーは、日本のように合成樹脂を使ったメイドイン・チャイナやコリアにスリ変わるだろう。買える時に買っておこうと思う。

 〜 遥かなる日本へ 〜


 午前9時半、ケアンズ空港へ到着。直ぐにチェックインカウンターがオープンし、チケットを確保すると共に荷物を預ける。ここで、折角パッキングしたロッドケースが薬物検査に回される。ケースの両端を保護するために丁寧に巻いておいたガムテープを係員にビリビリと剥がされる。係員は内部をガーゼで拭き取り、分析器「イオンスキャン」に掛ける。分析結果は勿論問題なし。続いて出国の際に、大人数の中から私一人が脇に呼ばれた。係員に手荷物及びズボンのポケット、クツ、バックの中をガーゼで拭き取られ、再びイオンスキャンに掛けられる。たちどころに分析結果が出て無罪放免となるが、やはりイイ気持ちはしない。どうやら渡航回数が多く一人旅なので、怪しげな人物としてマークされている様子。アチコチに設置されている監視カメラの動きも気になるところだ。私の外にもチェックされる人がいるかと暫く様子を伺っていたが、確認できなかった。

 遥かなる日本に向けて、定刻どおりカンタスのジャンボジェットが飛び立つ。シート番号は57Fで最後部トイレ前の席。この席は大失敗。食事が出たのは一番最後。食事の最中に飛行機が気流の悪い所を通過し、とてもスリルを味わう。食後はトイレに並ぶ人が私の横にずっと立っているような状況で落着かない。テレビモニターは遠くて、楽しみにしていたX-MENとミッションインポッシブルの最新作はまともに見られなかった。

 予定より10分も早くセントレア空港に到着。外気温は28℃であり、ケアンズの最高気温と同じくらいだった。預けておいた愛車を受け取り、我が家のある磐田市を目指しアクセルを踏む。午後9時半、気圧の影響で両耳がおかしくなったまま無事に130kmを走り切り帰宅した。荷物整理はそっちのけで温かい風呂へ肩までゆっくりつかる。両足の甲が異様に痒いので、良く見ると40ヶ所以上虫に刺された跡があった。サンドフライはいないからと油断し、ボートの上で裸足になって釣りをしていたのがマズかった。どうやら刺し跡から3種類ぐらいの虫に刺されている様子。今回の遠征では、強力虫よけ効果をうたう「おでかけカトリス」を胸にぶら下げていたが、効果があったか甚だ疑問。体温が高まると痒みがブリ返すようで、暫くはこの痒みとの戦いになるが、ともかく無事に遠征が終わり感無量だ。

Terry's message
Toshi , you ara a very good freiend , I always enjoy fishing with you wherever we go . It dose not matter how many fish we can catch . Toshi is always happy , even small fish is good fun .
This yeae we went camping to Lakefield National Park . I really enjoy this place . Together we caught over 100 fish , almost 90 were Barramundi .

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