豪州バラマンディ・フィッシング]W
ハエ・ハエ・ハエ地獄

ケビン 4KB トシ 4KB
ハエ対策で怪しい釣り人の登場


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'07/11遠征


'07/11/8(木)

〜 モーニングバイトに賭ける 〜


小川流れ込み 4KB カルンバ釣行3日目は、朝5時半に起床しシリアルとトーストを食べて7時に出船。ここはサンドフライがいないようなので気を抜いていたら、昨日、肌が露出していた足首周りを何かに刺されていた。サンドフライに比べ痒みは少ないのだが、プチッと赤くなっている。これ以上刺されるのは勘弁願いたいので、船上でたっぷりと虫除け薬を塗りたくって万全体制で挑む。朝イチは一目散に上流へボートを走らせる。これまでの2日間の釣行から、朝のうちはクリーク出口に魚が集まっていることが判っている。モーニングバイトを確実に捕らえる事が釣果を伸ばす上で大切なのだ。

 小川の流れ込みなど、水の動きがある流れ出しをテンポ良く探ってゆく。ポップアイマレットが水面を泳いでいる小さな流れ出しを発見。先ずはトリプルインパクトTP-0011で探りを入れる。使い始めて直ぐに、バラマンディが何度もルアーをチェイス。しかし、いずれもルアーの直前まで来てUターン。テリーから「ルアーを交換しろ」と指示が飛び、ロングAをセットしている最中に、ケビンの竿がしなった。彼は激しいファイトを繰り返すバラマンディをコントロールしてボート際まで寄せて来たのだがフックオフ。回収したルアーは3本あるフックの内、2本が伸ばされていた。太軸フックを伸ばしていったヤツはグッドサイズだったに違いない。

 続いてテリーのロッドが曲がった。水面が割れてリーズルアーをバックリと咥えたバラマンディ(60cm)がヘッドシェイク。時間を掛けてファイトをするとポイントが荒れるので強引に引き寄せキャッチ。魚の活性が高まっているので、「今がチャンス」とキャスト&トウィッチを繰り返す。こんな時に強いのは、やはり釣りを生業としているテリー。先程の魚より明らかに大きいバラマンディを上手にいなしてランディング。サイズを測ると77cmだった。私は取り残された感があったが、やっとロングAにヒット。少し小さかったので、強引に引き寄せ一気にランディング。赤く輝く目が可愛らしい59cmのバラマンディだった。取り敢えず釣るには釣ったが、リーズルアーと私が使うロングAには魚の反応に差がある感じだったので、ザブラシステムミノー11Fを投入。直ぐに答えが出て、何度も激しいヘッドシェイクを繰り返しファイトしまくった66cmをキャッチした。

〜 幻のメーターオーバ ー〜


ルアー談義 6KB 5匹のバラマンディを引き出したこの小さなポイントは、ケビンがキングサーモン(60cm)を釣ってピリオド。更に上流へ船を進め、昨夕連発した左岸の倒木があるポイントへ到着。ここは強風がモロに当たりキャストコントロールが難しい。出来るだけ倒木へタイトにルアーをプレゼンテーションし、短い移動距離の間に数多くのアクションをするように心掛けてトウィッチをする。先ずはケビンがスティッキーで65cmのバラマンディをキャッチ。そしてテリーがリーズルアーで45cm前後を3匹抜き上げた。

 ここで彼はフックを交換してシンキングになったハスキージャークを投入。ルアーを沈めてリーズルアーでは攻められない中層域を狙い始めた。直ぐに彼は今遠征の最大魚、メーターオーバーかもしれないというデカバラを掛けた。強風に流されるボートをコントロールしながらストラクチャーから引きずり出したバラマンデイと格闘。ケビンと2人でこの勝負の決着を固唾を呑んで見守ったが、運悪くフックが外れてテリーの負けが決定した。残念ながらメーターオーバークラスのデカバラは夢と消え、魚を手にすることが出来ず3人ともガックリする。

 因みにこのポイントで、私はマレオに小バラがバイトしたのみ。このショボイ状況を不憫に思ったのか、テリーがボックスの下の方から新品のリーズルアーを取り出しプレゼントしてくれた。、私はこれを両手を擦り合せながら、ありがたく頂戴する。リーズルアーには様々な種類があるが、テリーとケビンが使っているタイプは生産数が少なく入手が困難なヤツなのだ。使い心地を試そうと直ぐにルアーを交換し、懸命にキャストを繰り返したが時既に遅かった。

〜 珍種ナマズの登場 〜


巨大ナマズ 4KB 魚の反応がなくなり、風も更に強くなってきたので対岸へ移動。リーズルアーには反応がないので、各人様々なルアーを取り出して反応を伺う。この場所はベイトサイズが小さいことに気がついた私は、即座にアスリートF9を投入。すると直ぐにキングサーモン(55cm)がヒット。リリース後、広範囲に探りを入れていると再度ヒット。サーモンとは明らかにファイトが違い、ボトムに向かってトルクのある強い引きをみせロッドがブチ曲がる。この様子を見てテリーとケビンがニヤニヤ笑って「キャットフィッシュ〜!!」と声を揃えて一言。心の中で私もそう思っていたので、ドラグを少し締めてポンピングで強引に引き上げる。浮いてきた魚は、案の定、65cmのナマズ。サイズは私の地元で釣れるナマズとさほど変わらないのだが、頭の大きさや胴の太さは比べられないほどデカイ。デッキで大暴れをするナマズをテリーが棒で頭を叩き大人しくさせてから、ペンチで胸鰭や背鰭にある危険なスパイクを切り落としてリリースした。

 次なる魚を求めてキャストをすれども反応がないため、スーパーDDスクワレル79を取り出しボトム付近を攻める。開始早々にヒット。バラマンディやサーモン類とは引き具合が違い、またしても相手はナマズの様子。サイズはデカそうなので、魚の動きに対して慎重に対処する。ボート脇に浮いてきた魚はやはりナマズ。しかし先程釣ったナマズとは姿形が明らかに違う。ドデカイ頭に大きな口。口の周りには8本のヒゲ。何にもまして奇妙なのはその胴体の形状。ナマズというよりは、どちらかというと巨大ウナギ。ガイド暦が長いテリーが、「釣り上げたのを始めて見た」と言うぐらいレアな魚らしい。彼は自慢のデジカメを取り出し、アングルを変え何枚も写真を撮る。この魚はとても珍しいので、豪州の釣り雑誌に掲載される見込みとなった。

〜 ハエ・ハエ・ハエ地獄 〜


カニ網投入 5KB 強い風が当たる左岸は、キャストが難しいだけでなくボートも不安定。岸際は濁りが強まり、釣りにならないような状況になってきたので対岸へ避難する。カニ籠を沈めてあるクリーク入り口に停泊し、探りを入れるがケビンのステーシーver2でバラマンディを1匹バラしたのみ。周囲を丹念にチェックしたが反応がないので、仕掛けていたカニ籠6つを順次引き上げる。入っていたのは雄のマッドクラブ2匹とナマズ達。6つの籠のうち有毒クラゲが2籠に入っており、触手に触らないようにと慎重に取り除く。厄介なスパイクを持つナマズは取り出さず、カゴの外からナイフを刺してそのままエサとして利用し、場所を少し移動して再び投入する。目印の丸いフロートにボコボコ穴が開いているので、不思議に思い凝視していると、テリーが「ワニが噛んだ跡だ」と教えてくれた。多分、エサだと思ってフロートに食いつくのだろうが、周囲にワニがいるのは確実。豪州の釣りというのはアチコチに危険が潜んでいることを再確認した。

ハエ対策 5KB 午前10時、本流でパラソルを立ててティータイム。前日までに比べて、明らかにハエの数が増えてきた。ハエ達は、口を開けていれば遠慮なく飛び込み、サングラスの隙間から入り込んだハエは目玉を舐めようと睫毛をかき分けてくる。背中はハエが無数にとまり、払っても払ってもたかってくる。辺り一面はハエ、ハエ、ハエ地獄だ。何か良い方法はないかと考えている最中、ふと思いついた。今回の遠征ではいつもの帽子をやめて、UVカットと防蚊効果のあるステンレスメッシュタイプの帽子を被っていたのだが、前後逆に被ってフルフェイス状態にしてみたら大正解。日除けの布がメッシュになっているので、顔を覆っても前方が見える事に気がついた。試しにキャストをしてみたが、多少の見えにくさはあるものの十分使用に耐えられたので採用。一方、テリーとケビンはタオルで顔を覆ったりして対応していたが、暑苦しくて鬱陶しい様子。彼らは私の対策を見て、薄いキッチンペーパーで顔を覆い、風で飛ばないようにサングラスで抑える方法を考え付いた。これで少しはハエに悩まされず釣りが出来そうだ。

〜 カーペンタリア湾へ 〜


トシ&バラ 7KB 上流へのロングドライブの末に辿り着いたのが2つの小川の合流点。ケビンが1投目でステーシーver2を使いキングサーモン(35cm)をキャッチ。続いて、私がテリーから譲り受けたリーズルアーを使い50cmのバラマンディをキャッチ。この魚は水面近くでストップ&ゴーをやっている最中、いきなり水面を割って躍り出た。この2匹で反応がなくなりランチタイム。猛烈に暑かったので、長めの休憩を取って消耗した体力の回復を図る。

 午後の部は、エイが何匹も泳ぐハエの多いクリークを探査。テリーがクラシックバラで35cmの小バラをキャッチした後、私がリーズルアーで60cmと67cmのバラマンディを連発。水面でのバブルトウッチがストラクチャーに潜んでいるバラマンディの胃袋を刺激したようだ。このバブルトウィッチは、水面に浮かべたミノーを強くトウィッチ(ジャーク)することにより、水泡とともにルアーを水中に引き込み「ジョボッ、ジョボッ」という捕食音を演出するテクニック。使うルアーは太めで長さのあるリーズルアー14cmをはじめロングA(15A)マレオ13cmなどのフローティングタイプが良い。バブルトウィッチで魚が出なかった場合は、通常のトウィッチや2段トウィッチ、トウィッチの間隔を変えて喰わせの間を作ったりと、短い移動距離の間で様々にアプローチをすると更に効果的なのである。

オーシャン 4KB 上げ潮で川の水が逆流し魚の反応がパタリと止まったため、不調な河川を見切ってスロットル全開。ソルトエリアへ移動することにした。テリーがボートの進行方向に3m程のワニを発見。ワニは全く動かず、流木のように浮かんでいるだけ。私とケビンはテリーに言われなければ、きっと気がつかなかったに違いない。写真を撮ろうとボートを静かに近づけたが、ワニはシャッターを押す前にこちらに気がつき音も立てずに静かに川底へ姿を消した。このエリアにワニが何匹生息しているか知る由もないが、カニ籠のフロートに歯形を付けた犯人がきっと何処かに潜んでいるのだろう。

 更にボートを進め幅広い河口に到着。沖合いにある航路を示す大きな構築物近くで停船した。水深がある場所なので構築物ギリギリにザブラバイブをキャストしフォーリング。ジギングのようにシャクリ上げながら誘いを掛ける。構築物周りをキッチリと攻めたいのだが、強風と強い流れにより思うように攻めきれない。上げ潮なので、河川に向かってフレッシュな海水が勢い良く流れ込んでいる。10分程、様子を伺ったがワンチャンスもないので、更に沖へ進みカーペンタリア湾へ出た。ドン深の海かと思いきや、ノーマンリバーから運ばれた大量の土砂が堆積しており、広大なシャローエリアを形成していた。ここではポッパーを使いクイーンフィッシュを狙う。私が選んだのは、強風に負けず早引きが出来るリップルポッパー。鳥山やボイルは全くないので、3人で広範囲に探りを入れる。残念ながら、ここでも魚の姿を見ることは出来ずギブアップ。来た時よりも更に風が強まり波立つ中、ボートランプに向かって船首を向ける。波間でボートが度々バウンドするため、振り落とされないようにしっかりと船をホールド。何度も頭から波しぶきを被ったが無事にボートランプへ到着した。

〜 Karumba Pointでの夕食 〜


パトロール取締り 6KB ボートを引き上げたところに、胸にバッチをつけた2人組が登場。バッチを良く見るとボーティング&フィッシャリーズパトロールと読み取れた。要するにボート遊びや釣りにおける違反者を捕まえるポリスマンなのだ。テリーはボート登録関係の書類を提示しながら、細かな職務質問に対し謙虚に受け答えをする。州外から多くの人が押し寄せるクイーンズランド州は、取締りが非常に厳しい事で有名なのだ。

 彼らはライブウェルや道具箱の中を覗き込みながら、基準に満たないマッドクラブや禁漁期間中のバラマンディがキープされていないか等をチェックしている。15分以上にわたる職務質問の末、何のお咎めもなく無罪放免となったが、キャラバンパークへ帰る車中ではテリーとケビンがポリスマンに対する悪口を言いたい放題。私は「何処の国でも同じなんだなぁ」と変なところに感心してしまった。

恒例の夕べの集い 7KB キャラバンパークに戻ってからは、恒例の夕べの集いに参加。毎日ほぼ同じ顔ぶれが集まるので、隣に座っているオバちゃんに何日滞在しているのか聞いてみた。「長くても1週間程度かな」と答えを想像していたのだが、彼女の答えは3ヶ月以上とのこと。子育てが終わり、旦那が退職後に夫婦で自由気ままにオーストラリア国内を旅行中。気に入った所で長期滞在をしているらしい。この地は住む人達の人柄が良く、都会と違って景色も良く騒々しくもないので大変気に入っているらしい。

 4WDでトレーラーやキャンピングカーを牽引し、キャンプ場やキャラバンパークに泊まりながら国内旅行をするのは豪州人の憧れなのだ。ここに長期滞在している小汚いTシャツを着ているオッチャン、オバチャン達は貧乏人でもなんでもなく、大きな牧場やバラマンディ養殖場、会社のオーナーだったりするのである。因みに2005年のキャンプ&フィッシングツアーでお世話になった陽気なOZのグレッグもキャンピングカーを買ったらしい。

レストランで夕食 7KB 今宵は夕日の見えるリゾートレストランでの夕食を予定。手早くシャワーを浴び、身支度を整え車に乗り込む。着いたのはボートランプ近くにある海辺のレストラン。丁度、カーペンタリア湾へ沈む夕日が真正面に見える絶景ポイントにあった。ホールが大きく開放的な作りで、ビリヤード台があったり、音楽のプロモーション番組を流す数多くのモニターが設置されている。レストランと言うよりはオープンカフェのような感じ。店名は「SUNSET TAVERN Karumba Point」なので、高級レストランというよりは居酒屋に近い。しかし、壁に掲示されたメニューを見ると、価格は高級レストラン並みの価格(笑)。デーブルについて料理を待っていると、私たちのテーブルには次々と旅行者が集まってきた。初対面で見ず知らずの人達が、料理を囲んでワイワイ・ガヤガヤ。これは日本ではあまり見慣れない光景だろう。

 2時間程、夕食を楽しんだ後に宿へ戻る。前夜と同じようにケビンがマッドクラブの解体作業を行い、翌日のランチで食べるためテリーがボイルをする。この間、私はテレビを見ながらタックルのメンテナンスと手帳に書き留めたデータを整理する。カルンバ釣行は残り1日。デカ・バラを捕獲するため、気を引き締めなおし午後10時過ぎに就寝した。


3日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

KEVIN

バラマンディ

5

6

1

キングサーモン

1


2

ナマズ

2





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