豪州バラマンディ・フィッシング]X
最終日に新天地開拓


リッチな夕食 4KB
夕食は厚いサーロインステーキで満腹

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'08/9遠征


'08/9/28(日)

〜 最終日に新天地開拓 〜


ニッサンサファリ 5KB 釣行最終日は午前6時に起床。ワイルドターキーの夫婦は、小山のようになった巣を世話しなくチェックしている。頂上に掘った窪みに雄鶏が何度も座ったりしながら温度を確認。雌鳥は穴の大きさを度々修正。そして激しい交尾を繰り替えす。産卵を間近にして朝からメッチャ頑張る夫婦なのである。朝食はトーストとカリカリに焼いたベーコン、目玉焼きとトマトの良くあるモーニングセット。これがまた、とっても旨いのでつい食べ過ぎてしまう。また、食べないと体力が持たないので、しっかり胃袋に納めてエネルギーに変える。さすがに6日目ともあって体のアチコチに不具合が出てきている。連日のハードなトウィッチで左腕は腫れて筋肉痛。両手の指全体が腫れぼったく、特に中指の腫れが目立つ。遠征の3ヶ月前から握力や腕の筋肉を鍛えるため、日々の通勤ではハンドグリップを握り締めニギニギしていたのだが、鍛え方が足りなかったようだ。

 午前8時、車に乗り込み激しい凸凹道を北に向かう。この一帯は、雨季に一本の大きな河川ノーマンベイリバーになり、プリンセス・シャロット湾に流れ込む。川筋を走れば、必ず何処かのビラボンに辿り着けるのである。前夜、バーリントン親子から聞き取った周辺の道路状況を頼りに走り、時折下車してブッシュの中を歩いて釣りが出来そうなビラボンを探す。20分程、探し回ってボトムウイップハンドル・ウォーターホールのビラボンに到着した。水辺まで近づこうとした際、前方に真っ黒い物体を発見。良く見るとそれは大きな野豚。しかもこっちを睨んでいる。日本では毎年、イノシシに突っ込まれてケガ人が出るが、こちらの野豚も非常に危険なのである。突進してきたら直ぐに逃げられるように身構えていたが、少しして向こうがブッシュの中に逃げて行ったのでホッとする。

 小さな水溜りのようなビラボンだったので、魚がいるのかどうか全く不明なのだが取りあえず竿を出す。ここでは大漁レッドアイを貼り付けて精悍な顔立ちになったギガンテスを投入。直ぐに鉄砲魚が1バイト。場所を少し移動して、魚は不明だったがもう1バイト取った。一方、シャッドラップ9で探りを入れていたテリーは、ターポンが1バイトしたと言う。2人で攻めるにはこの場所は小さすぎ、バラマンディを確認できなかったため移動することにした。何処に行けば良いのか全くあてがなく、釣行最終日に新天地を開拓するのは非常に危険なのだが、ボートを既に引き上げてしまったので私達に選択肢は残っていないのである。

〜 緑アリの襲撃 〜


テリー&バラ 7KB 車に乗り込み移動。茶色く広がる荒れた草原を見ていると、ディンゴワラビーを追い掛けているのを目撃。子供の頃、"野生の王国"というTV番組を良く観ていたことを思い出したが、番組のワンシーンのような光景が目の前で繰り広げられている。ワラビーが逃げ切れることを祈りつつ更に車を進めると、ボトムウイップハンドルのNo2キャンプサイトに到着。木々で覆われた崖っぷちに立ち、竿が出せそうな場所はないかと周囲をうかがう。かろうじてキャストが出来る場所があったのでギガンテスを放り投げる。すると足元近くでバラマンディがバイト。フッキングには至らなかったので、再びルアーを送り込んだが魚は沈黙した。

 テリーがシャッドラップ9で40cm程度のバラマンディを2匹立て続けにキャッチ。彼も崖っぷちで釣りをしているので、このサイズの魚でもランディングするのに随分苦戦した。ルアーに反応する魚がいることは判ったが、いかんせんキャストできるスペースがない。サミー115に交換した1投目、対岸から倒れこんでいる倒木に見事引っ掛けた。またしてもガッツリとフックが太い幹に刺さっているので取れそうもない。「泳いで取りに行くぞ」と言う私を、テリーが「ワニがいるから止めろ」と制する。諦め気分で竿を彼に手渡すと、数十回激しく竿をしゃくり力技で見事に回収。彼には深く感謝するとともに、サミー115をウエストバック奥深くに仕舞い込んだ。

ウイップハンドル看板 5KB 午前10時、テリーはシャッドラップ9で50cmと60cmのバラを釣り上げ、私を呼んで魚を見せる。この魚のボディは黒っぽいのだが、尾鰭や胸鰭が黄色味を帯びていた。ソルトウォーターバラの特徴である黄色味を帯びている鰭を持っているのだ。テリーは「海が近いからだ」と言う。地図上では直線距離で30km程度もあるのだが、潮の干満が影響し水位の上下動があることにも気がついた。

 ここでの釣りは、知らない土地の里山でひっそりとたたずむ野池を探す感じに似ているのだが、ブッシュウォークは体力を急激に奪う。崖にしがみついて足場を確保して竿を振ったり、木々の間から半身を捻ってキャストをする。朝から散々歩き回って2バイトしか取れず、ルアーを引っ掛けたりと良い事なし。一方、テリーはスタスタと先に歩き回ってバラマンディを釣り上げる。段々と機嫌が悪くなってきているのを自分でも判ってきた。そんな時に不幸が畳み込むように襲ってくる。崖っぷちで体を固定するため寄り掛かっていた木の上には緑アリの巣があったようで、知らない内に体中に緑アリがたかっていたのだ。気がついた時は既に遅し。髪の毛の中に沢山のアリが食い込み、体中に無数のアリが這い回って噛み付き始めた。緑アリの襲撃を受け「うぉぉぉ〜」と叫びながら、アリを振り払いその場から逃げる。しかも所構わず歩いたので雑草の種子が体に付きまくり。テリーが笑いながらアリと種子を取るのを手伝ってくれた。

〜 バラでシャッドラップを釣る 〜


荒野をばく進 5KB キャストをしている時間より、雑木林の中をさまよっている時間の方が明らかに長く、不機嫌になっている私にテリーが場所を変えようと提案した。くたくたに疲れてしまった私を道端に待たせ、彼は車を取りに戻る。彼を待つ15分程の間、ぼぉ〜とオーストラリアの広い大地と青い空、白い雲を眺め「自分は今、釣りを楽しんでいるか?」「何故、今、ここに座っているのか?」と自問自答し、気分を切り替える。お迎えの車が来たので乗り込むと、車内はとても魚臭い。何とテリーは車に戻る途中で竿を振り、釣ったバラマンディさばいて車に積んできたのだ。

 暫く走るとボトムウイップハンドルのNo1キャンプサイトに到着。キャンピングカーで滞在している夫婦がいたので暫く談話。そして、ご挨拶代わりにさばいたバラマンディをプレゼントしてこのエリアで釣りをさせてもらう。開始早々にテリーがシャッドラップ9をビラボン中央部のストラクチャー付近に引っ掛けた。水中に沈んだ倒木に根掛っているようで回収出来そうもなく諦めようとしていた時にスケットが登場。先程、話をしていた夫婦がボートを出してくれたのだ。無事にルアーが戻りテリーは大喜び。「バラマンディがシャッドラップに変わったぞ」と笑う。シャッドラップがあればちょっと腕前があればバラマンディは幾らでも釣れる。しかし、いくら釣りが上手くてもバラマンディでシャッドラップを釣るのは無理。ところが、テリーのようなトップクラスのガイドになると、バラマンディでシャッドラップを釣ってしまうのである(笑)

ルアー救出 5KB 急に白濁した水が一気に流れ込んできた。満ち潮の影響を受けて潮が上がってきたようだ。魚の反応がないため岸際を上流に向かって歩いていると、足元近くに真っ黒いヘビを発見。いかにも「私は毒を持ってます」って感じの体つき。多分、このヘビに噛まれたら病院へ辿り着く前に死亡するに違いない。さすがにそれは勘弁して欲しいので、ヘビを刺激しないように静かに後ずさりながら立ち去る。水際は様々な動物や昆虫が集まる場所であるが、そこは正しく食事をする場所。迂闊に近づくと自分がエサになる可能性もある。危険回避のため、常に気を付けなければならないのだ。

 午後12時半少し前、トップウイップハンドルのキャンプ場に到着。ここは昨日、昼飯を食べたキャンプ場であることに気がついた。虫やヘビに注意しながら同じ場所に座って、パンにベーコンとトマトを挟んだサンドウィッチを作りパクつく。午前中の釣果は、振り返りたくもない程の悲惨な状況。釣行最終日というのにノーフィッシュとは情けない。エネルギーを補充して午後からの勝負に掛ける。

〜 やっとスランプ脱出 〜


トシ&バラ 7KB 浅瀬を渡り、対岸へ移動して実釣開始。開始5分、シャッドラップ9で手にした魚は鉄砲魚(30cm)。同じ倒木周りをトウィッチしていると、中型のバラマンディが底から湧き上がって3連発バイト。どうやら倒木の下にバラマンディが集まっている様子。度々、ルアーへのアタックがある中、タイミング良くフッキングしたのだがファイト中にバラしてがっくり。ルアーを回収すると、スプリットリングを伸ばされフックごと持って行かれていた。即座に新たなフックとリングを取り出し装着・・・と思っていたら、手を滑らして新品フックを池ポチャ。

 テリーは少し離れた場所から、私と同じ倒木を狙う。彼はあっという間にDDパニッシュで40cm前後のバラマンディを3匹キャッチした。私はルアーをステーシーver2に交換し、テリーのアドバイスを受けながらトウィッチをする。どうやら私のトウィッチはポーズのタイミングが短く、しかもルアーを泳がせる層が浅かったようだ。彼の掛け声に合わせ長めのポーズを取り、トウィッチをすると直ぐにバラマンディ(40cm)がヒット。同じ要領でトウィッチをすると今度は60cmが躍り出て大満足。これでスランプを脱出した気がした。魚を手にして直ぐに気がついたが、とってもエビ臭いのである。エビを食っているから、DDパニッシュステーシーver2のトウィッチに反応するのだろう。

 フックを交換してあるのでステーシーver2はシンキングになっている。倒木やブッシュ周りでの使用は非常に神経を使うのだが、やはり根掛ってしまった。どうやっても取れないのでテリーを呼びヘルプを求める。彼がウエストバックから取り出したのは特製タックルバック。ラインガイドにラインを潜らせスルスルスル〜と送り込む事を数回繰り返してステーシーver2を回収した。この倒木周りで5匹を釣ったがここにはまだバラマンディがいるハズ。しかし、ルアー回収作業で場を荒らし、バラマンディが沈黙したので次の場所へ移動する。移動中、私達の前でカサガサと動いている動物を発見。灰色っぽい色で、すばしっこく動くので注意深く見たらネコだった。テリーが言うにはペットのネコではなく、ワイルドキャットだという。元々、オーストラリアにはネコは住んでいないと思うのだが、ペットのネコが逃げ出して辺ぴなこの土地で野生化したのか、豪州特有のネコが生息しているのか私の乏しい英会話能力では聞き出せなかった。

〜 虎の子をロスト 〜


トシ 7KB 倒木に根掛ったルアーを回収するついでに倒木の上で暫く釣りをする。ステーシーver2で45cmのバラマンディをキャッチし追加を狙ってキャストを続けていると、テリーから直ぐに戻って来いと注意を受けた。水面に近い木の上は、ワニの攻撃を受ける可能性が高い。バラマンディが暴れたのでワニが近くに来ている可能性が高いから危険だと言う。ワニに襲われ水中に引きずり込まれたら、五体満足で日本には帰れないだろう。素直に忠告に従い、ワニに食われる前に慎重に岸へ戻る。

 茂みの向こう側でテリーがガサガサやった後、えらく怒っている。虎の子であるシャッドラップ9のCW(クロータッド)を倒木に引っ掛け、ラインが切れたと言う。豪州ではこのサイズのCWカラーは入手が困難なだけに諦めきれない様子で、暫くは「シャッドラップシャッドラップ・・・」とガックリ肩を落としながら何度も繰り返していた。これでテリーは戦意喪失。私の横に座り込み、自分は竿を振らずに私にアレコレとアドバイスすることに専念する。もしかしたら、これがガイドの本来の姿か!? おかげさまで60cmをステーシーver2で追加し納竿となった。

 午後4時半過ぎ、キャンプサイドに戻り一息ついた後、昨晩遊びに来たバーリントン親子の忘れ物を届ける。彼らの宿泊地は車で直ぐの所だと思っていたのだが、結構距離が離れていて驚く。多分、暗くなってからでは辿り着けなかっただろう。到着すると丁度、彼らはテントを撤収中。今日の釣行を話したが、あちらは1日陸っぱりで竿を振ってノーフィッシュ。こちらの釣果を聞いてビックリしていた。パッキングの邪魔をしては申し訳ないので、長居はせずにキャンプサイトまで戻る。

〜 最後までトラブル続き 〜


簡易シャワー 7KB 私達も明日の出発に備え、片づけを始めた。先ずは身辺を整理するため、テントの中に置いていたスーツケースを開いて、私は叫び声を上げた。スーツケースの中は黒いアリだらけ。無数のアリが蠢いていたのだ。叫び声を上げたのは、今日2回目。いずれも原因はアリだ。スーツケースをテントの外に放り投げ、中の荷物を全てかき出す。中を覗くと、アリは数え切れないほどウジャウジャいて白い卵や蛹まで抱え込んでいた。スーツケースはしっかりと閉め、カギを掛けておいたにも関わらずアリが入っていたことに驚いた。

 アリ騒動が一段落してから夕食となる。釣行最終日の夜は、喉にピリピリくるジンジャーエールを飲みながらサーロインステーキと山盛りの温野菜をいただく。一服してからシャワーの準備。ビラボンから汲んで来た水を沸かしたお湯を木に吊るたシャワーバケツに入れようと、ロープを持った瞬間に手から滑り落ちた。前夜残った水がバケツ内に残っていたのを知らず、重みで一気に地面へ落下。衝撃でプラスチックが割れて飛び散った。今日もブッシュウォークをしたのでシャワーを使えないのは非常に困る。バケツにはバックリと亀裂が入っていたが、半分ぐらいはお湯を入れることが出来たので、応急処置をして使えたのは幸いだった。最後に来てトラブルが続いた続いた感じ。明日は無事にケアンズまで帰れることを祈って早目にシュラフへもぐりこんだ。


6日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ



鉄砲魚





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