バラマンディ・フィッシング]]
真夏のケアンズ巨大GP登場

バナナ巨大看板 8KB
バナナの巨大看板にビックリ


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'13/2遠征


'13/2/18(月)

〜 ケアンズ空港に無事到着 〜


おかゆ 8KB 気流の悪いところを飛ぶと聞いていたので心配していたが、機体はさほど揺れず順調に飛行。日本時間の午前2時、夕食から丁度4時間が経過したところで朝食となった。朝食といってもまだ真夜中。用意されたメニューは、"おかゆ"かヨーグルトと卵を混ぜてどうにかした名称不明の食べ物の2種類。ずっと座ったきりなのでお腹はそれほど空いていないのだが、"おかゆ"だったら食べられそうなのでこれを選んだ。"おかゆ"の味付けは薄く、メリハリのない感じがしたが、胃にはとても優しそうなので完食。ヨーグルトと卵を混ぜた食べ物は、多分私の口には合わなかったに違いない。

ケアンズ空港ロビー 9KB 食後はタイミングを見計らってトイレで用を済ませて、着陸後直ぐに機内から出られるように身支度を整える。食事から1時間半ほど経ってケアンズ空港に無事到着。入国審査を受けて荷物受け取りレーンでスーツケースが出てくるのをひたすら待つ。成田空港で一番早くチェックインして荷物を預けたので、おそらく荷物が入っているのは一番最後のコンテナに違いない。自分の荷物を見失わないように、目の前をガタガタと流れる数多くのスーツケースを注視していたら何だか目が回って気持ち悪くなってしまった。

 これまでの経験上、単独旅行だと必ず別の列に並ばされてクソ丁寧な荷物検査を受けていたのだが、嫁さんを連れていると拍子抜けするほどスルーパス状態。「同伴者がいるのは、悪いことばかりじゃないなぁ」と思いつつ、到着ロビーへの扉を開けた。今回もお世話になるバラマンディ釣りのベテランガイド テリーのピックアップは、現地時間の午前6時半。それまでに小一時間ほどあったので、ロビーの片隅で皆さんの邪魔にならないようにスーツケースを広げて、釣りに行く準備を整える。公共の場で荷物をおっぴろげてガサゴソやるのは、とても見苦しいものなので素早く済ませる。

〜 トレーラー横転の大事故 〜


テリー 10KB 同じ便で日本からやってきた乗客も次々とお迎えのツアーガイドに誘導され、ロビー内の賑わいがなくなった頃、建物から出てテリーを待った。いつもならボートを牽引した4WD車が空港の玄関口に颯爽と滑り込んでくるのだが、今回はボートを牽引していない車が私達の前に止まり、テリーが「ソーリー、ソーリー」と言いながら降りてきた。てっきり、釣り場へ直行すると思っていたのだが、先ずは彼の自宅へ行き、荷物を下ろしてからとのこと。車に乗り込み、挨拶がてらこのところの様子を聞くとビックリするような話が飛び出した。

警告看板 12KB なんと、彼はつい先日、2日前の土曜日朝に大事故をやらかしていた。お客さんとデントリーリバーに向う途中、牽引していたトレーラーが突然横転。車の速度は100km/h近かったに違いない。車は直ぐには停められず、後ろで跳ねまくるトレーラーを見て、彼らは死を覚悟したらしい。積んでいたタックルや荷物、バッテリーなどのボート装備品全てが路上や青々と茂っているサトウキビ畑にふっ飛び、一部が後続車3台を直撃。凄まじい事故だったにも関わらず、幸い奇跡的に誰も怪我もしなかったらしい。

 とても重いボート用の大型バッテリーも、3個ある内の1個が何処かに行方不明。積んでいた釣竿は、後続車両に踏まれてお客さんの物も含めて全てボキボキに折れたらしい。私が以前提供したオーシャングリップも行方不明。多分、サトウキビ畑の何処かにツキ刺さっていることだろう。生産中止となって入手困難になったコンクエスト250DCは、路上で激しく転がったあげく、後続車に踏まれ本体が著しく歪んで全損。

 この2日間は、警察への連絡、壊れたトレーラーとボートの回収手配、路上及びサトウキビ畑に散乱した物の片付け、事故に巻き込まれた車3台の対応となど、やるべきことは山のようにあったと思う。本来なら、とても私達の相手をしていられる状態ではないハズなのだが、彼は予定どおりにガイドをすると言ってくれた。まさにプロに徹した姿勢に深く感謝した。

〜 まだまだ不安は残っている 〜


ジョンボート 11KB ふと、「ボートとトレーラーが使い物にならず、じゃあ今回はどうするの?」という素朴な疑問が頭をよぎった。トラブルがあった時にも対応できるように、過去にはもう一台所有していたが、そのボートはとっくに売り払っている・・・。怪訝な顔をしている私の顔を見て、彼は「今回はジョンボートを使うぞ。小さくてパワーはないけど大丈夫だ。」と言う。言われてみれば、ミッチェルリバーレイクフィールドでキャンプ&フィッシングをした時の小型ボートが、庭の片隅にいつでも出動できる体制で保管されていたのを思い出した。

 聞けば、このボートを使うのは私達がレイクフィールドで使ったのが最後で、それから4〜5年間は全く使っていなかったらしい。エンジンはしっかり動くので問題ないが、狭い船の上で3人が竿を振るには少し狭いようにも思えた。しかも、内一人は全くの初心者。一度も釣竿を握ったこともない女性がキャストをするので、まだまだ不安は残っている。

母船ピクー 9KB 私達がお茶を飲んで一服している間にボートの準備が整い、いざ出発。めざすはケアンズの南、1時間半程のところにあるジョンソンリバー。この河川は、サウスとノースの2本の川が下流域で合流している。ルアーで釣れる魚種が豊富なのが特徴。どんなに悪いコンディションでも、河口の汽水域から上流の淡水域まで探れば、必ず何かが釣れるボウズなしの場所なのだ。たとえ初心者でもルアーが投げられさえすれば、魚の引きは楽しめるハズだ。

 道中はもちろん、地獄を見たであろうトレーラーの横転事故の話。続いて、今シーズンの釣果の状況をアレコレと聞き出す。このところテリーは、アラクンに通い詰めらしい。縁あって私がホームページでアラクンの釣りを日本で最初に紹介した経緯もあり、ツアー会社が企画を練って日本人相手のサービスを始めていた。ツアー料金が高いにもかかわらず、マザーシップに連泊しながら良型のバラマンディの数釣りが楽しめる"釣り人天国"とあって日本人グループも行き始めたようだ。

 メガバスの児玉さんが雑誌の取材を兼ねて行かれた時には、残念ながら大型魚は出なかったらしいが、別のツアー客では120cmと105cmが連発。また、2人のOZガイが7日間でバラマンディを560匹も釣り上げたらしい。魚をキャッチする際には客の安全性を確保するため、テリーが毎回サポートしている。560匹も釣れた時は、彼の手はボロボロになり、「さすがにこの時は辛かった」とグチをこぼした。

〜 初めての釣り体験 〜


テリー&アサコ 7KB イニスフェイルの街にあるボートランプでボートを降ろし、橋の下に移動してタックルを準備。続いて嫁さんにキャストの仕方をレクチャーする。テリーは多少なりとも彼女が竿が扱えるだろうと思っていたらしいが、私が彼女に竿の持ち方から、リールの操作方法、キャストの仕方まで教え始めたのに少々面食らっていた。慣れてしまえば何ともないのだが、初心者にとってスピニングリールはキャストするまでの段取りが結構複雑で、戸惑ってしまうようだ。

 ハンドルを逆回転させるのは良くある話。ベールを起こすのを忘れたり、ラインを巻き込みすぎたりと、キャストにたどり着くまでが大変。キャストの際には、ラインを掛けた指を離すタイミングが難しい。目の前にルアーが叩きつけられたり、打ち上げ花火のように遥か頭上にルアーが打ち上がったりと安定しないのだ。

 限られた釣行時間でキャスティングを習得してもらう必要があったので、結構なスパルタ教育だったが、初めて握る釣竿に悪戦苦闘しながらも、短い時間で徐々にキャストがさまになってきた。先ずは、練習を兼ねて島周りのシャローエリアをポッピーでポッピング。狙いはメッキアジ。魚がいれば直ぐに反応するので、とても楽しいのである。ポッピングはタイミング良く竿を振りながら、リールでラインを巻き取らなければならないので、これまた初心者には難しい作業。バイブレーションやクランクベイトのような巻物系だったら、もっと楽なのだろうが、トップウォータールアーにドカンッというのが理想。ポッピングのやり方は体で覚えてもらうしかない。

〜 ノース・ジョンソンリバーの淡水域へ 〜



トシ&アサコ 8KB サウス・ジョンソンリバーを上って行ったのだが、マッディなためUターンしてノース・ジョンソンリバーの淡水域へと移動する。近年、サウス・ジョンソンリバーは、流域の農地が広がったため、畑の土砂が河川に流れ込みやすく、頻繁に濁るようになってしまった。水に溶け込んでいる微細な土の粒子や除草剤により、ウィードも減り一昔前より釣りの面白みがなくなってきているように思えてならない。

 ルアーをポッパーからロングAに交換。ベイトタックルを使う私は15A、スピニングタックルを使う彼女が14Aを使う。岸際をテンポ良く撃っていくと、開始5分で45cmのバラマンディが躍り出た。ポイントは小さな小川の流れ込み。その場所を知らなければ明らかに通り過ぎてしまうような、とても小さなポイントだった。

 このようなポイントを幾つ知っているかで、釣果に大きな差が出るに違いない。客に魚を釣らせる名ガイドの頭の中は、相当数のシークレットポイントがインプットされているハズだ。因みに豪州遠征最初の1匹となったバラマンディが咥えたロングAのカラーは、定番のゴールドボーマー(金黒)ではなく派手な赤金。釣れる時は何色でも釣れる。魚のいる所にルアーをドンピシャで投げられるかどうかがの方が重要だったりする。

〜 チャラ瀬のスーティー・ゲーム 〜


チャラ瀬渡り 9KB 一時間ほど掛けて上流へ上がると、目の前にはボートではとても上がれないようなチャラ瀬が広がっていた。実は、このチャラ瀬を超えて、更に上流へと進みたいのだが、ボートを通過させるだけの水深がどの流れの筋にもない。ここから先には行けそうもないため、テリーがボートから降りて、流木にロープを結んでボートを固定。私達は、速い流れの真っ只中に陣取って、アップクロスでポッピーを投げ込み、早いテンポでポッピングをする。

 キャスト後の動作が遅いと、一気にルアーが流れてしまうため、ルアーにアクションを与えられない。動かないルアーに魚の反応はないのだが、しっかりポッピングが出来ると水面がガバッと割れる。ハイギアであるアンタレスDC7の巻き上げ性能(79cm)+ロングハンドルの利点を活かし、速い流れに負けずにルアーを流す。私のルアーには30cm前後のジャングルパーチやスーティーグランターが次々と躍り出た。

 一方、ラインを離すのが早過ぎて、頭上高くにルアーを打ち上げるテンプラ・キャストを繰り返している彼女は、余分に放出したラインを巻き取るのが精一杯。ルアーが動き出した頃には、魚が潜んでいるポイントをとっくに通り過ぎている状況。ポッピングは難しいようなのでシャッドラップSR5に交換。魚は反応するのだが、やはり流れと魚の動きの速さに負けてフッキングには持ち込めない。さすがに初心者には難しいエリアなので、ひとしきりキャストをして魚を釣った後、ボートをUターンさせて、川の流れに任せながら、ゆっくりと下り始めた。



〜 ド初心者が巨大魚をキャッチ 〜


最小スーティーグランター 9KB ほんの少しの時間、ティータイムを取った後、ボートを川の流れに任せながら釣り下る。使うルアーはZBLシステムミノー50S。ルアーを追い掛けて来る魚のサイズが小さいので、使うルアーもサイズダウンしたら、20cm程のスーティーグランターやジャングルパーチが次々に襲い掛かってきた。このルアー、私の中では豪州遠征必携のルアーという位置づけ。先のアラクン釣行では、永らく「ルアーでは釣れない」と言われ続けていたスーパーハードファイター ミルクフィッシュを攻略するための"切り札"となった。このルアーの仕事ぶりを聞き付けたテリーのガイド仲間や知人・友人達は、ゼビエルと呼んで大注目している。

 今後のオーストラリアの釣りを大きく変えてしまったかもしれない極小ルアーを使って、若くて元気な魚達に遊んでもらっていると、突然、嫁さんの竿が大きく曲がった。水中に沈む倒木にでもルアーを引っ掛けたかと思ったが、私の大きな誤り。シャッドラップSR5を咥えた魚は、ジャングルパーチのビッグママだった。

 ジャングルパーチと言えば、これまで"手の平サイズの魚"というイメージしかなかったので、ファイトしている魚を見て驚いたのなんのって。しかし、この魚を見てテンションが最も上がったのはガイドのテリー。彼のツアーで釣れた最大クラスのようだ。バスなら70cmクラス、マルスズキならメーターオーバー級ではないだろうか。





〜 ビギナーズラックの恐ろしさ〜

巨大ジャングルパーチ 10KB 巨大魚を釣った本人は、その魚の大きさを理解できず、"まるまると太った美味しそうな魚"ぐらいにしか思っていない感じ。腹がパンパンに膨らみ、丸々と太った体つきには、まさにビッグ・ママという言葉が似合っていた。この魚のファイト中には、周囲にレギュラーサイズの魚達が群がっていたが、多分、オス達ではないだろうか。

 サイズは残念ながら50cmには届かない48cm。テリーのボートで釣り上げられた最大魚は52cmとのことなので、条件が良ければもう一回り以上大きく育つようだ。それでもこのサイズは立派。15年ほどオーストラリアに通っていてトップガイドの案内を受けて釣りをしている私ですら、未だかつてこのような大きさのジャングルパーチを見たことも、釣ったこともないので、この魚はマジで衝撃的な1匹となった。今日、初めて竿を振ったド初心者の嫁さんが、釣るべき魚じゃないはず。ビギナーズラックとは本当にあるようだ。嫁さんが強運の持ち主なのか、それともシャッドラップの力なのか・・・。

シャッドラップ破損 テリーはこの魚がヒットする瞬間を見ていたらしい。最初、レギュラーサイズの魚がルアーにアタックしてきたが、横から突然この魚が出てきて、ルアーを奪い取ったとのこと。ビッグ・ママが咥えていたシャッドラップは、テリーからの借り物だったが、パワフルなファイトで尾部が破壊されてしまった。

 このルアーの弱点は、まさにこの部分。ボディが尾部にかけて細く絞り込まれた形をしているので、どうしてもリアフックの周辺が壊れやすいのである。良く釣れるルアーだったので、捨てるのはもったいない。パテを使えば、多分、修復は可能だろう。記念にもらってくれば良かったと後になってから後悔した。

 ビッグ・ママとの死闘の間、放置していた私の竿が、ガタンッと音を立ててて動いていた。ZBLシステムミノー50Sが水の中に浸かっていたらしく、これに20cm程のジャングルパーチがフィッシュオン。嫁さんがビッグワンを釣った横で、旦那が極小魚を釣ってるなんてちょっと格好悪すぎだった。

〜 豪州淡水魚のサイトフィッシング 〜


アサコ&トシ 水の透明度が高く、水深が比較的浅いので水中が丸見え。ボートを流しながらキャスト&リトリーブを繰り返すと、ルアーの後ろから元気良くスーティーグランターがチェイスしてくる。オーバーハングしている木の陰や、水中に沈む倒木や岩陰などがポイント。偏光サングラスを掛けていると、これらのストラクチャーや魚の姿が良く見えるので、とても楽しい。一方、嫁さんの方は、サングラスは掛けているものの、偏光レンズではないためテリーや私に見えているストラクチャーが見えなかったりする。「そこ、狙って!!」「えっ、何処?!」、「引っ掛かるから早く巻いて!!」「えっ、なに?!」なんて会話が度々あった。

 サイトフィッシングにおいては、水中の情報をいかに集めるかがポイント。嫁さんのように視力が良く遠くまでハッキリ見える目を持っていても、ほんの数m先の水中に沈んでいる障害物やウィードが見えなければ、サイトフィッシングでは面白みが半減してしまう。豪州遠征においては、ロングAシャッドラップと同様に、偏光サングラスは必携であり、これを持っていないのは、バラマンディ狙いで大きなハンディとなるだろう。

 ただし、偏光サングラスなら何でもイイかと言うとそうではない。安物は偏光サングラスに求める性能が不十分だったり、かえって目が疲れたり、耐久性が低かったりと不具合も多いだろう。私が愛用しているサングラスは、耐久性の高いチタンフレームに国内最高峰の偏光レンズであるTALEX(アクションコパー)を組み込んだもの。2004年7月に作ってからずっと問題なく使っているので、自分の選択は間違っていなかったと確信している。

〜 ついにはテラピアまで 〜


ティラピア 7KB 持参してきた小型のクランクベイトをアレコレと試してみたが、最も魚の反応が良いルアーはやはりZBLシステムミノー50S。25cm前後のスーティーグランターが次から次へとアタックしてくる。さすがにこのルアーは、ベイトタックルでは扱いにくい重さなのでスピニングタックルがお勧め。それほど遠投の必要性はなく、オーバーハング下や、岸際から突き出ている倒木周辺を狙えばよいのだ。

ランチ 11KB ボートが1時間程掛けて下ると、ジャングルパーチはいれどもルアーには全く反応しないエリアに入った。ルアーを鼻先に通したり、激しくトウィッチさせたり、スローリトリーブをためしたりとアレコレやってみるが反応しない。上流とは余りにも様子が違うので、テリーに聞いてみると「スポーニングだろう」と言う。先程、腹パンパンのビッグ・ママが釣れたのも、スポーニングがらみだったのかもしれない。釣れない魚に無理して口を使わせて釣るようなスタイルは、元来好きではないため、ルアーをシャッドラップSR7に交換してキャストを繰り替えす。

 私とテリーの濃密な指導を受けながらキャストを練習していた嫁さんの竿が再び激しく曲がった。魚とのファイトを楽しむ余裕もなく、ゴリ巻きで一気に魚を寄せてくる彼女。サングラスを通して体色を見ると、ジャングルパーチやスーティーグランターとは違う。「今度はなんだぁ〜?」と言いながら、ボート際まで寄ってきた魚を見てビックリ。今度は、外来魚のテラピアを釣ってしまった。この魚は、在来種であるジャングルパーチやスーティーグランター等の生息域を奪い、近年、急激に増加している。ルアーで釣るのは難しく、滅多に釣れる魚ではないのだが、またしても彼女はやってしまった。狙って釣るのが難しいのに、狙わずして釣るにはどうすれば・・・・。

〜 多魚種バトル、釣り人の楽園 〜


 時折、小雨がパラつく中、バラマンディ狙いで岸際にシャッドラップSR7を投げまくる。久しぶりにヒットしたと思ったら、30cmオーバーの鉄砲魚。どうもこの魚を釣ると、ブラックバスを狙っていてブルーギルを釣ってしまった時のようにテンションが下がってしまうのだが、1匹は1匹。素早くリリースして次の魚を探す。

GT 8KB 続いて、流心にルアーを投げ込んでいたテリーにヒット。銀色に光る魚体が見えたので、何だろうと興味深く見守っていると30cm程のシルバーグランターだった。ヒットルアーはシャッドラップSR5。一瞬にしてルアーのフックを外し、キャストをするとまたしてもヒット。同サイズのシルバーグランターが再び竿先にぶら下がった。この辺りの手際の良さは、さすがトップレベルのプロガイド。一連の動作に無駄がなく、見ていてとても参考になる。

 午後1時半過ぎ、木陰で遅めのランチ。雲行きが段々と怪しくなり、一雨ありそうな気配がしてきた。食事中、雨に降られるのは嫌なので、サンドウィッチを手早く作りパクパクッと食べて直ぐに釣りを再開する。最初に釣ったのはテリー。魚はスーティーグランターのタイプU。この魚は、赤い眼をして体つきが柔らかで女性っぽい感じがする。

 続いて、私がマングローブジャックとジャングルパーチ、そして40cmクラスのパピヨントレバリーを立て続けにキャッチ。試しに投げたクレイジークレイドルでスーティーグランターを追加。次から次へと様々な魚が釣れて多魚種バトル、まさに釣り人の楽園状態だった。やはりジョンソンリバーはルアーで釣れる魚種が多く、釣りをしていて飽きない、とても楽しい河川なのだ。

〜 もしかしたら大物釣り師?!




 午後3時、突然、強い風が吹き始め、何処かで雷が鳴り始めた。釣りをしている最中、雷が鳴るのはとても気持ちが落ち着かない。まもなく雨が振ってきたのでカッパを着込んでキャストを続ける。度々、木の上を釣っていた嫁さんも、午後になって一段とキャストの精度が上がってきた。テリーが指し示すポイントにロングAを放り込んでいるとドバンッとヒット。

スーティーグランター 彼女は何が何だか判らない状態で、グリグリとリールを巻いている。寄って来たのは色黒のスーティーグランター。サイズは堂々の43cm。全くの初心者が、いきなりこのサイズを釣っても良いのか?ジャングルパーチのビッグ・ママに続き、良型のスーティーグランターを釣り上げた嫁さんのテンションもアップ。もしかしたら、彼女はビッグフィッシュ・ハンターなのかも。

 テリーが可愛らしいスーティーグランターを追加した後、一気に河口域までボートを走らせる。夕マヅメ、ベストタイミングでバラマンディ狙いをする。水位が下がってきたマングローブエリアで、複雑に入り組んだ根際のピンポイントを集中的にロングAで叩く。倒木や、緑色の葉が茂った枝が水面に垂れているような場所は、バラマンディが潜んでいる可能性が高い。確実なキャストでピンポイントにビシッ、ビシッと決めて魚を誘いたいのだが、隣で竿を振る嫁さんがミスキャスト連発。ルアー回収のためにポイントを次々に潰してゆくのでテンポが上がらない。

 河川の上・中流域の様子を見て、「キャストが上手になったぁ」と思っていたのだが、まだまだだった。マングローブがうっそうと茂り、複雑な根の張り具合を見ると、どうやら「マングローブに引っ掛けちゃいけない」という気持ちが強く働き緊張するようだ。すると、キャストの動作がぎこちなくなりミスキャスト連発。ルアーが手前に落ちるならまだ良いが、ユルユルのテンプラキャストを繰り返すので強い風にラインが煽られて、ルアーは樹上へと引っ掛かる。「ここは絶対にミスしちゃ駄目なポイント」という場所に限って、彼女は100%確実に1投目でルアーを引っ掛けている。テリーがキャストのお手本を見せるため、ピンポイントにルアーを打ち込むと、狙いどおりにバラマンディが躍り出た。やはり、魚はいる場所にはいるのである。

〜 もしかしたら大物釣り師?!


バナナ 9KB バラマンディが2回、私の操るロングA(14A)に出たのだが、残念ながらフッキングミス。雷雲が徐々に迫ってくる中、パピヨントレバリーをかろうじて2匹追加したところでタイムアップとなった。竿を振っていた場所は、ボートランプの直ぐ近く。一気にボートを走らせ岸に降り立つ。手早くボートをトレーラーに乗せて、ケアンズに向けて車を加速する。

 途中、バナナ園の脇にある、バナナ無人販売所に立ち寄る。ここに寄る時は必ず帰りと決まっている。道の反対側にあるにもかかわらず、行きに買わないのは、「バナナの皮で釣果も滑る」というジンクスがあるから。1kg、1ドル50セントで、立派なバナナがお買い得。日本では絶対に見ることは出来ないであろう、2つ繋がった巨大な二連結バナナもあったりして楽しいのである。

 オーストラリア到着当日からフルタイムで釣りをして、どっと疲れていることに気がついた。シートに座り込むと、直ぐに睡魔が襲ってきて、テリーとの会話も途切れがち。暫くウトウトさせてもらっていると、いつの間にかテリーのお宅に到着した。

〜 オーストラリアの夜は短いのだ 〜


Tボーンステーキ 夕食は、私達を出迎えてくれたマリアさんの手料理をご馳走になる。先ずは赤ワインを一杯。落ち着いたところで、ティーボーンステーキとサラダがドドーンと出て来た。日本人なので白い御飯が食べたいのだが、残念ながら用意されているのはパン。しかし、小麦の国だけあって、オーストラリアのパンはどれも美味しいのである。これにバターを贅沢にのせると更にイケル。

 食後は、紅茶とティムタムを食べて満腹度をアップ。ティムタムは、そのまま食べてももちろん美味しいが、紅茶に少し浸して食べるのがお勧め。今では、様々なバリエーションのティムタムが発売されるに至ったが、やはり定番商品、昔からのオリジナルが一番良いように思う。

 食後はベットルームで荷物を整理。ゆっくりとオーストラリアのテレビ番組を見たい気もしていたが、眠気には勝てない。午後9時半、ベットの上でゴロゴロしていると、いつの間にか寝てしまった。いつもの事ながら、オーストラリアの夜はとても短いのだ。

釣行1日目の結果

TOSHI

ASAKO

TERRY

バラマンディ

1


1

ジャングルパーチ

3

2


スーティーグランター

12

2

4

テラピア


1


シルバーグランター



2

マングローブジャック

1



GT

3



鉄砲魚

1





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