豪州バラマンディ・フィッシング]X
目的地変更だって!?

テリー 7KB
今回もお世話になる名ガイド:テリー・ホールマン氏


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'08/9遠征


'08/9/22(月)〜23(火)

〜 出国前のトラブル 〜


ジェットスター 7KB 職場の皆さんの協力を得て、遅ればせながら夏休みをまとめてもらい豪州遠征を決行。9月半ばを過ぎたのに今年は台風の上陸が1回もないという極めて稀な年となったが、数日前から台湾周辺をウロウロしていた台風13号が日本上陸を狙っていた。天気予報を何度もチェックし、足の遅い台風の動きに毎日ヒヤヒヤしていたのだが、19〜20日に掛けて太平洋岸沿いを通過。当初は静岡県直撃も心配されたが大した被害もなかった。台風接近が出発当日にブチ当たらず、ホント良かったと胸を撫で下ろす。

 遠征の荷物を愛車に詰め込み、昼食を摂って一息。準備が完了したので、予定よりも少し早い午後1時に自宅を出発した。磐田I.Cから東名高速に上がり、中部国際空港セントレアに向かってひた走る。豊田JCTで道を間違えそうになりトロトロしていたら大型トレーラーにホーンを鳴らされビビリまくる。どうにもあの分岐点の表示は判りにくく、毎回戸惑ってしまうのは私だけだろうか? 一気にセントレア近くの民間駐車場まで走れそうだったが、時間があるので刈谷S.Aでトイレ休憩をして腰を伸ばすことにした。

 用を済ませ車に戻る際、助手席側の前輪に銀色に光る物を見つけ頭を抱え込んだ。タイヤの溝に小石でも嵌っているのかと思いきや、プラスのネジがブスリと刺さっていたのだった。ネジ山の周りにツバを付けてエア漏れを確認すると、僅かずつだが空気が漏れている。この場で抜くと一気に空気が漏れそうだったので、S.Aに併設されているガソリンスタンドへ滑り込んだ。スタッフに修理を依頼したが、無情にもここでは修理関係は一切やっていないとのこと。そこでスタッフのアドバイスを受けながら、レンチと油圧ジャッキを借りて汗だくになってタイヤ交換に励む。四駆車のタイヤはクソ重く、入れ替えるだけでも一苦労。作業完了までに45分も掛かり、ぐったりとする。余裕をもって早めに自宅を出たから良かったものの、時間ギリギリだったらマジに焦ったことだろう。遠征初日、出国前からパンクトラブルとは、この先がおもいやられた。(後日談:パンク修理に加え車輪懸架装置も壊れて修理費用は2万円・・・トホホホホ)

〜 目的地変更だって!? 〜


レークフィールドマップ 5KB 予約しておいた民間駐車場へ愛車を預け、無事に空港へ到着。1番でチェックインカウンターを通り、出国までラウンジでのんびりくつろぐ。予定どおりジェットスターのエアバス330-202は飛び立ち、腹ペコで死にそうになった頃、夕食のチキンカレーが出てきた。時計を見ると夜の9時半過ぎ。この時間にカレーを食べて一寝入りするのは胃に悪そうだが、味は悪くないのでパクパクッと完食。そして即行で寝る体勢を整え、夢の中へ・・・しかし、子供の泣き叫ぶ声で寝られない(涙)。ケアンズ空港には定刻に着陸。預けた荷物を受け取る前に空港内で豪州ドルへと換金する。市街地に比べ空港内での換金は歩合が悪いことは知っているが、この時間に両替をしている店は他にない。昔は日本円が強かったのでとても喜んだのだが、今では日本円の価値がぐっと下がってしまった。受け取った豪州ドルとレシートを確認すると、非情な換金率だけでなく2%もの手数料を取られており目眩を感じた。

 いつまで経っても出てこない愛竿が入ったバズーカを待ちわびたが、その後の手続きはスムーズに済んで無事に豪州へ入国。ロビーで世話になるガイドのテリーの迎えを待つ。午前5時半ピックアップの予定だったが、彼が到着したのは午前6時少し前となった。お互い再会を喜びながらガッチリと握手。ボートとキャンプ用具、釣具を詰め込んだカーゴトレーラーを牽引した白いサファリに乗り込み、北に向かってハンドルを切った。遅れた理由は、どうやら直前までバタバタと準備をしていたらしい。こちらは多分、遅れてくるだろうと予想していたので、腹も立たず心配もしなかった。これが初めての遠征だったら、ガイドが本当に迎えに来るか心配で居たたまれなかったことだろう。

 事前の話では、今回の遠征はケアンズの北、ケープヨーク岬東海岸のPascoe River行きを予定していた。ちょうどウェイパの反対側に位置し、ケアンズから車でオフロード主体に14時間走り続けた所にある。インターネットを駆使して現地の情報を集め、道中は相当過酷な長時間のオフロード走行となることを覚悟。一方、釣り場の情報は殆ど入手できず、どんな所か興味津々だったが、彼の話ではPascoe River行きは中止とのこと。3日前に出発してキャンプサイトを設営しているハズのケビンら4人から、「連日強風が吹き荒れ、状況が芳しくないからこっちに来るな。GT3匹、マングローブジャック1匹しか釣れていない。」との連絡が入ったらしい。強風は暫く続き、今週末は大荒れになる予報とのこと。そこで私達2人は別行動をとることにし、2年前の9月に訪れたLakefield National Parkへ行くことになったのだ。ケビンが電気、ガス、水道もなく、携帯電話が通じないような場所からどうやって連絡してきたのか聞いてみると、衛星携帯電話を使っているとのこと。メンバーの1人が衛星携帯電話を取り扱う会社に勤めているので心強い。

〜 道中見聞録T〜


ガソリンスタンド 6KB 空港から30分程走ってマリーバへ。早朝の空にふわりと浮かんでいる気球を横目で見ながらアレコレと雑談を交わす。マリーバの気球は観光客に結構人気があり、昨年はテリーも奥さんのマリアさんと一緒に乗ったらしい。私にとってマリーバと言えば、気球よりもボブ君と竿を交えたウェットランドのサラトガ釣りだ。その後もサラトガ釣りをガイドにリクエストしているのだが、実現できず非常に残念に思っている所なのだ。マリーバ市街地の道路脇にある休憩場所でシリアルの朝食を食べて一息つく。出発前に荒れた道路の走行に備え、ロープを掛けなおすなど荷物を再チェックする。私は日本から持ち込んだ車窓用のサンシェード2枚組を取り出しテリーにプレゼント。これがあれば長時間のドライブでも強い日差しを遮る事が出来る。前回の遠征でプレゼントした方位磁石は、まだフロントガラスにくっついており役目を果たしている。今回のささやかなプレゼントも、後から来るお客さんたちに役立ってくれることを祈ろう。

 紫の綺麗な花をつけるジャカランダに目を奪われていたのもつかの間のこと。車窓から見る景色は徐々に乾燥地帯へと移り、目に映る物は茶色っぽい色合いが強くなってきた。午前9時頃、パルマーリバーロードハウスを通過し、パルマーリバーを渡る。この川は延々と西へ向かって流れ、思い出深いミッチェルリバーへと合流しカーペンタリア湾へ流れ込むのである。テリーの話によると、その昔、この地域一体ではゴールドラッシュに沸き、沢山の中国人達が穴を掘っていたらしい。そして原住民であるアボリジニィ達は、集まってきた中国人たちを食べていたというウソかホントか判らないような話を聞く。中国人は日本人よりも食に対して造詣が深く、美食家であることが知られている。「中国人が食べない4つ脚は机だけ」と揶揄されるほどだが、その中国人を好んで食べていたと言うアボリジニィ達は相当のグルメだったのかも。オーストラリアの北隣にあるパプアニューギニアでは、つい最近まで首狩りや食人の風習が残っていたので、アボリジニィに対する人種差別が色濃く残っているオーストラリアでもあながち嘘ではないかもしれない。

 ケアンズから260km、前回レイクフィールドへ行った時と同じく、レイクランドのGS兼レストラン兼雑貨屋で燃料を補給する。大型の予備タンクを装備している豪州仕様の日産サファリは満タンで120L燃料が入る。ざっと計算した燃費は5.8km/L。約700kmの走行が可能になっている。平成6年に購入した私の愛車は、省エネ走行を心掛けている日常の街乗りで8km/Lを超え、高速道路では9.4km/Lをマークしていることを伝える。トヨタ車は丈夫で長持ちなのである。しかし、このサファリの燃費が悪いのは当たり前。ボートとキャンプ用品を満載したカーゴを牽引しているからだ。タイヤは今回の遠征に備え、ゴムが硬い中国製のタイヤに買い換えたらしい。「オフロードを走るときっと激しくバウンドするぞ」とテリーが笑いながら言う。

〜 道中見聞録U〜


道路工事 4KB ここまではほとんどが舗装路だったが、レイクランド市街を抜けると未舗装道路へと急変するため、燃費は一気に落ちるハズ。もちろん荒野でトラブルを起こした際の保険としてジェリ缶も積んでいるのでガス欠で立ち往生ということはないだろう。豪州にもJAFのようなロードサービスがあるとのこと。荒野のど真ん中でも、泥沼の中でも車がエンコすれば必ず来てくれるようだが、問題なのは電話が通じるかどうか、現在地を正確に伝えられるか、そして助けに来てくれるまで生きていられるかどうかである(笑)。

 以前に比べ道路事情は改善され、平らな道が増えている。現在もアチコチで補修工事が行われているが、市街地を除きアスファルト舗装をするのではなく、地面を固め平らにならしているだけのような道路工事ばかり。おまけに重機が入った後は、キャタピラの跡で洗濯板状に道路が凸凹しており、激しい振動が車を揺さぶる。巡航速度は80〜100km。振動が長時間続くため、携行品が壊れるのではないかと急に心配になる。

ベーコンエッグサンド 5KB レイクランドのGSでテリーが買ってくれたベーコンエッグサンドを車中で食べる。しかし、これが余りにも油っぽい。体調を崩しそうなくらい油ギタギタなのだ。レモネードを飲みながら胃の中に流し込んだが半分程食べた段階でギブアップ。豪州人はいつもこんなのばかり食べているので、歳をとってからブクブクに太るに違いない。若いお姉さん達はみんなスラ〜としていて綺麗なのに、オバさんになると何故? どうしたの? 何が起こったの? って感じで体型が変わっている。ホルモンバランスが崩れたり、脂肪や油を分解する酵素の活性が低下したりするのが原因なのだろうが、基本的に高カロリーの食事をしているからだと思う。このベーコンエッグサンドの油にはさすがのテリーも閉口したようで、私がベーコンエッグサンドと格闘している最中、ベーコンを半分くらいこっそり捨てていた。

 午前10時過ぎ、大昔のアボリジニィの洞窟壁画があるスプリットロックを通過。見上げるような大きな岩山に洞窟があり、この中に歴史的に非常に価値がある壁画が描かれているようである。興味はあるのだが、道中は長いので先へ急ぐ。赤い大地にユーカリと思われる潅木が生えている風景は、どこを切り取っても同じ景色のように思えてくる。所々にアリ塚の群生があるのだが、場所によって随分形が異なっている。ステゴザウルスの背中の板のように板状になっている物から、円錐状の物、お相撲さんみたいにズングリムックリな物、空に伸びるバベルの塔のような物まで様々だ。聞くところによると板状になっているアリ塚は、強い日差しで巣の内部が高温になるのを避けるため南北方向に向かって広がっているらしい。

〜 レイクフィールドに到着 〜


ビザント 5KB 凸凹道の振動がマッサージ代わりになり、睡魔が襲ってきてウトウトする。気がつけばニューローラにあるパークレンジャーの事務所を通過。ここから先は更に道路コンディションが悪くなり、大きな穴や深い砂場が度々現れて巡航スピードを落とさざるを得えない状況になる。砂に埋まった深い轍は非常に危険で、ハンドルをとられて横転する危険がある。特に心配なのが牽引しているカーゴの方。重心が高く、重量があるので、ひっくり返った時は大事故になるだろう。道路の分岐点にパークレンジャーがいたので、車を停めて挨拶をしながら情報交換をする。丁度、日本の春休みにあたるスクールホリデイに入ったところなので、公園内には結構な数の人が入ってきているらしい。残念ながら釣果情報は持ち合わせていなかったが、水辺ではワニに十分注意するようアドバイスをいただき、再び車に乗ってキャンプの受付場所へ向かう。

 レイクフィールドはクイーンズランド州で2番目に大きな国立公園である。その広さは542,856ha。日本全国で2番目に広い静岡県浜松市の約3.5倍もある。キャンプの受付は無人。利用状況をホワイトボードで確認し、空いていたオレンジプレイン・ウォーターホールのキャンプエリア欄に名前を書く。料金は1人、1泊、4ドル85セント。6日分の料金を封筒に入れてカギの付いている小さなポストに放り込むだけ。料金は
2年前に来た時が1泊、4ドル50セントだったので値上がりしたようだ。車を更に走らせビザントを通過、午後1時にキャンプサイトに到着した。ケアンズからは7時間、走行距離は420kmくらい。テントを設営する場所は電気、水道、ガスが通っているわけでもなく、トイレすらない川べりの林の中。「これで1泊5ドル近くもとるのかよぉ〜」って感じの場所だが、ぐるりと見渡す周囲一帯は私達の貸切。日本だったら、余裕で20張り以上のテントを設営できるに違いない。スクールホリデイなので混んでいると聞いていたが、周囲に人は皆無。のんびりとキャンス生活が楽しめそうだ。

 車を降りて直ぐに気がついたのだが、甘いような生臭いような、何か腐っているような少し不思議な匂いが周囲に漂っていた。テリーもこれに気づいたようで、周囲をキョロキョロと見渡し、「メラルーカの花が咲いている」と言いながら頭上の1点を指差す。形ははっきり確認できないのだが、確かに随分高い所で黄白色っぽい花らしき物が枝の先にある。前回テントを張った場所がメラルーカ・ウォーターホールという名前のキャンプサイトだったが、メラルーカが樹木の名前とは知らなかった。

〜 明日に備えて試し釣り 〜


リリーパッド 8KB トーストにベーコンを挟んだサンドウイッチを食べ、一服してからテントの設営に取り掛かる。風雨の影響を受けにくく、ワニが川から上がってこない場所を選んでテントを設営。これだけなら30分もしない内に作業は終わるのだが、その後が大変。樹木にロープを張り巡らして巨大なタープを頭上に張る。タープ下にはキッチンと保冷庫、テーブル、イスを設置。そして離れた場所に発電機を置き、延長コードを引っ張って照明器具をセット。シャワー室を作り、バケツに川の水を汲んできてセット完了。トイレは・・・勿論、穴を掘るスコップとトイレットペーパーを用意したのみ。

 快適なキャンプサイトが出来上がったのは午後4時半。ボートをセッティングして釣具一式を持ち込み、明日からの釣行に備えて試し釣りをスタートしたのが午後5時。このウォーターホールは規模が小さく、流れもないのでエレキのみの使用である。釣り場は山の中にある野池のような雰囲気の場所。至るところにオーバーハング、レイダウン、立ち木、ブッシュ、リリーパット等があり、辺り一面、一級ポイントなので何処から始めるか迷ってしまう。先ずはキャンプサイトの対岸にあるリリーパットを狙うことにした。Zealのカスタムフロッグ・ポッパーを「ポシュッ」と葉の上に落としモコモコ動かすと、大きな捕食音とともにルアーが水中に引き込まれた。ビックリアワセをしそうになるのをグッと堪え、一呼吸おいてからフッキングをかます。しかし、スッポ抜けてルアーがボートまで吹っ飛んできた。リリーパットの下には何の魚か判らないが、良型のヤツが潜んでいる様子。すぐさまカスタムフロッグ・ポッパーを打ち直すと再びビックバイト。しかしコレもフッキングミス・・・結局、この場は4キャストで4バイト。相次いだフッキングミスに頭を抱えた。一方、バックシートで竿を振るテリーはミロルアーのトップドックを使い、重低音のラトルを響かせながらドックウォークをさせている。リリーパットの隙間にルアーが差し掛かったところで爆裂バイト。一瞬姿が見えたのはかなり大きなバラマンディだったが、フッキングには至らなかった。

テリー&鉄砲魚 5KB 「オレのルアーにも出たぞ」と私に見慣れないミロルアーを見せ付ける。ボリュームがあるファットなペンシルで、振るとスーパースプークのようなラトル音がする。彼は気を良くしてリリーパット周辺でドックウォークをしていると再びバイト。先程のバラマンディとは様子が違ったので、見守っていると25cm程の平べったい魚が彼の竿先にぶら下がった。豪州遠征1匹目は鉄砲魚(爆)。写真を撮るため私はすかさずデジカメを取り出す。テリーは「この魚を撮るのか!?」と恥ずかしがっていたが、どんな時も1匹目は大切なので遠慮なく写真に納める。自然が相手なので、1匹釣った後に全く魚の顔を拝めないことも有り得るからだ。

 水温は27℃。リリーパットがある場所は、周囲よりも浅い様子。この下に巨大なバラマンディが潜んでいるかと思うと、ドキドキ・ワクワクする。カスタムフロッグ・ポッパーはフックがボディでしっかりガードされているルアーなので、引っ掛かる心配がない。普通のルアーでは攻められないようなピンポイントにバンバン打ち込んで魚を誘う。すると、再びビックバイト。確実にフッキングが決まったと思っていたのだが、ファイト中にすっぽ抜けた。しっかりフッキングしているのではなく、「閉じていた口を開いたので、口からルアーが飛び出した」って感じのフックオフ。

〜 愛すべき隣人 〜


夕食準備 5KB ルアーを手に取り、じっと見つめる私にテリーが「スティンガーフックを付けろ」と言う。「オーナー社のスティンガートレブルフックに交換しろと言っているのか?」とキョトンとしていると、彼がボックスからジグに使うアシストフックを取り出してカスタムフロッグ・ポッパーに装着してくれた。アシストフックを1本ぶら下げたので、リリーパットやブッシュに引っ掛かりやすくはなったが、魚が出れば今までのようにスッポ抜けはなくなるだろう。エイの尾っぽにある鋭いトゲのように、ブスリと刺さってくれる事を期待する。

 午後6時過ぎ、気合を入れてキャストを再開したのだが、魚の反応がピタリと止まった。その代わり、私は急に便意をもよおしたのでギブアップ宣言。キャンプサイトに戻り、スコップとトイレットペーパーを持って、少し離れた茂みの中へ進む。「トイレは川から十分離れた場所で、15cm以上の穴を掘る。」というのがキャンプ場でのルール。硬い土をガシガシとスコップで掘り、掘った穴の上にしゃがみこんで用を足していると、こっちに向かって無数のハエ達が羽音をブンブン鳴らしながら飛んできた。「こりゃたまらん〜」って感じで、急いで済ませて土を被せる。しっかり土を被せておいても、夜の間に怪しげな豪州の動物達に掘り起こされティッシュだけを残して跡形もなく消えるに違いない。

ワイルドターキー 6KB 夕食の準備をするテリーを見ながら、イスに深く座ってウトウトとまどろんでいると直ぐ後ろでガサガサ音がする。何かと思って振り返ると、そこには赤い頭に黄色い首飾り、体が真っ黒い七面鳥がいた。このワイルドターキー(ヤブツカツクリ)は、地面に無数に散らばっている落ち葉をゴッツイ足で後ろに蹴り上げている。エサを探して地面を掘っているのかと思いきや、落ち葉を一か所に集めている様子。私達が大きなタープを張った直ぐ横に落ち葉で出来た小山があったのだが、これが実はワイルドターキーの巣だった。てっきりキャンプの先人がかき集めた落ち葉の山だと思っていたのだが、全く違っていたようだ。ワイルドターキーは直ぐ近くにいる私達に怯える事もなく、一心不乱に落ち葉を後ろに蹴り上げている。その様子はとても微笑ましく、飽きずにずっと見ていた。

 2人とも長旅で疲れているので、「夕食は簡単に済ませよう」ということでソーセージをフライパンで焼き、野菜と一緒にパンに挟んでソーセージバーガーを作る。ケチャップとマスタードをタップリ塗り、塩とコショウで味を整える。腹が減っていたので、大口でかぶりついたのだが、塗ったマスタードが激辛で涙ボロボロ、鼻水タラタラ、口から火を吹きそうになる。慌ててレモネードで胃に流し込んだが、胃の中まで熱くなるような辛さ。この様子にテリーは大笑いしていた。食後は川の水を汲み、やかんで熱して温水を作る。木にぶら下げてある簡易シャワーのバケツに温水を注ぎ込んで、温水シャワーの出来上がり。1日の汚れをさっぱりと落とし、午後9時半にシュラフへ潜り込み一気に夢の中へ・・・。

1日目の釣果結果(試し釣り)

TOSHI

TERRY

鉄砲魚


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