豪州バラマンディ・フィッシング]W
巨大バラマンディを探査

テリー&ケビン 4KB
カルンバの1匹目


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'07/11遠征


'07/11/6(火)

〜 巨大バラマンディを探査〜


テリー&ケビン 5KB 夜中の2時過ぎに目が覚め、トイレに行く。頭上を見上げると満天の星空。「夜空にはこんなに沢山の星があるのか?」とホント驚くばかり。どこかに見覚えのある星座はないかと探していると、見つけましたオリオン座。日頃はこのオリオン座を見ながら夜釣りをしているので、良く知っているのだが見える位置が全く違う。勿論、オリオン座の周囲を取り巻く星の数も比べ物にならないほどだった。残念ながらキャラバンパークの敷地内は樹木があったり、街頭の明かりが点いていたりするため360°を見渡すことが出来ない。ここに来る途中の地平線しか見えないフラットな場所だったら、さぞや凄い夜空なのだろう。

 午前6時前に起床。ミルクをたっぷり注ぎ、デイツを数個トッピングしたシリアルを胃袋へ流し込み、準備を整え出発。ボートランプへは僅か5分で到着。朝イチでソルトエリアを探ろうと海へ向かってボートを進めたが、残念ながら波が高く荒れているので途中でUターン。ボートランプ付近に戻ってきて作戦会議。この一帯は、潮の動きを読み水位の上下動に合わせて釣りをしないと釣果を上げる事が難しいようだ。兎に角、初日はアチコチ回って探査しようと、川を上りマングローブ地帯の岸際や小川の流れ込みを狙うことにした。このカルンバは銀色に輝く巨大なソルト系バラマンディが釣れる事で有名な場所。「メーターオーバーを狙って釣れる場所」として現地釣り雑誌で度々紹介されているのだ。

 豪州遠征1投目はサイドステップ。価格は高いがフローティングタイプで、ジャークやトウィッチに対応するルアーのようなのでバラマンディ釣りに使えそうだと思い1個仕込んできた。確かにトウィッチした時のキレは良いのだが、フロントフックがラインに絡まってしまう。何度かキャスト&トウィッチを繰り返したが、度々ラインにフックが絡まるのでボックスの中へお引取り願った。ポップアイマレットがスクールする小川の流れ込みでは、デビルリッパージンガを試す。強めのジャークを入れると、とても良いバブルサウンドを奏でるのでコイツは合格。しかし、魚の反応がないため、ピンクヘッドの緑・金ボディーというド派手なカラーのマレオに交換し巨大バラを探す。このルアーは前回の釣行で朝イチにバラマンディを釣った縁起の良いルアーなのだ。

〜 プロのテクニックに脱帽 〜


テリー&バラ 5KB ベイトが沢山いるので、これを捕食する魚がいるハズ。クリーク内にボートを進め3人でサーチしていると、ケビンの操るリーズルアーに60cmのバラマンデイが躍り出た。続いて私のマレオにバイトしたがフッキングミス。そして竿が曲がったのがバックシートにいるテリー。私とケビンが探りを入れて反応がなかったストラクチャーからリーズルアーで50cmを引き抜いた。彼は素早くリリースして同じ所へルアーを打ち込むと再びヒット。今度は60cmをキャッチ。「ヤバイパターンだな」と思った矢先に、再度テリーのロッドが激しく曲がり、バラマンディが水面近くで激しくエラ洗い。サイズは一気にUPして堂々の74cm。そして更に同じ場所から45cmを搾り出した。こうなると、もう誰も手をつけられない。船の前にいる私とケビンはテリーの爆烈劇にお手上げ状態だった。目の前でプロのテクニックを見せ付けられた感じでケビンと私は脱帽。

 竿を振り始めてから1時間半が経過。いまだ魚の顔を見ていない私は、顔の前をブンブン飛んでいるハエに苛立ち始めていた。ノーマンリバーの本流では余り気にならなかったが、クリーク内は物凄いハエの数。背中や肩はハエだらけ。サンドフライやモスキートと違って刺さないので害はないように思うのだが、口の周りにたかってくる奴やサングラスの隙間から入り目玉の水分を吸い取ろうとする奴等には閉口。

キングサーモン 4KB リトリーブ中も気になって時折、手でハエ を振り払う。丁度その時に、ザブラミノーが引っ手繰られ、スプールから引きずり出されたラインが音を立てて水を切る。バラマンディとは明らかに違うファイトなので慎重にやり取りをする。徐々に浮いてきた魚は、胸鰭が紐状になっているキングサーモン(スレッドフィンサーモン)。かつてヒンチンブルック島で同類を釣ったことがあるが、胸から出ている紐が指のようにピラピラ動く奇妙な魚。ファイトはバラマンディのようなヘッドシェイクはしないのだが、俊足のアスリートみたいに機敏に泳いで非常に面白い。この魚は30kg、180cm以上にも育つらしいが、味も良いため釣り人にとても人気があるようだ。

 この1匹で気を良くし、キャストはビシビシとピンポイントに決まり、トウィッチにも気合が入る。ザブラミノーが強めのトウィッチでイイ感じにダートした際、バラマンディがヒットして銀色の体を反転。フッキングがバッチリ決まったので余裕を持って魚を引き寄せる。ケビンがランディングしてくれたバラマンディは60cm。ボートデッキで暴れながら口からエビとカニを吐き出した魚は、尾鰭の上半分が黄色く、下半分が黒っぽい色をしていた。

〜 靴下を履いた豪州人 〜


日傘の下 5KB 午前10時前、ハエを追い払いながらティータイム。一息ついた後に本流の上流へボートを進め、クリーク合流点にステイする。合流点は深くえぐれており、クリークから流れ出てきたベイトを捕食するデカバラが潜んでいるらしい。シンキングタイプのK-TENラパラCDX-80トリックダーターで探りを入れたが不発。魚がいれば直ぐに何らかの反応があるハズ。かすりもしなかったので次の場所へ移動となった。貝殻が堆積した砂浜があるクリーク合流点に上陸し、陸っぱりで魚を探す。スーテーシーver2を使っていたケビンがデカバラを逃した後に鉄砲魚をキャッチ。合流点の中央部に沈んでいるストラクチャーを狙っていたテリーもリーズルアーで鉄砲魚をキャッチした。

 後が続かずボートに戻る。気温は40℃を超えている。デッキはチンチンに焼けており、ビーチシューズを履いていても足裏が熱い。ここで、いつも裸足のテリーが耐え切れずに白い靴下を取り出した。足の皮が分厚くカチカチな彼が靴下を履くほどデッキが焼けているのだ。彼が靴下を履くのを初めて見たので思わず笑ってしまう。あまりに暑いので、2つのクリークが流れ込む合流点のコーナーにボートを停泊し、パラソルを広げての昼食となった。食後、テリーは暑さでバテているのか、タオルをOZハットの上から被り日陰に座り込んで休憩。体力が残っている私とケビンはディープダイバーで合流部を探る。キラルアーのリバーラットを使っていたケビンは、バラマンディを掛けたがロスト。ラパラのバラマグナムを使っていた私にもチャンスが訪れ、数回のショートバイトの後に50cmのバラを釣り上げた。その後もショートバイトがあるのだがフッキングには至らない。テリーが「これを使ってみろ」と差し出したのがシュマリディープ88F。トラウトルアーのシュマリに大きなサイズがあることを知らず、初めて使ったのだが結構イイ泳ぎをする。強めのトウィッチで探っていると2バイト。しかし、フックが小さいためか、いずれもフッキングには至らなかった。

〜 初日からエサ釣り 〜


投網 5KB 1時間以上の休憩後、ボートを走らせる。午後は上げ潮。河川内でのバラマンディ狙いは厳しいためエサ釣りを試すことになったのだ。釣れなくてもルアーを投げていたい私だが、ケビンの方は耐えられない様子。まさか、初日からエサ釣りをする羽目になるとは思わず、ちょっと拍子抜けする。下流のクリークでテリーが投網を投げてエサを確保。採れるのは10〜15cmのマッドヘリング、ポップアイマレット、ロングトム、フグ、シルバーグランターなど。エサを十分確保できたので、再び昼食時にボートをステイさせていた場所に戻り、エサ釣りをスタートした。因みに使用するタックルは5ftの太いロッドとペンリール5500SSの組み合わせ。太いナイロンラインに中通しオモリを通し、大きなシングルフックを結びベイトを背掛けにする。

 背掛けにした生餌がふっ飛ばないように注意しながら、緩めのキャストでポイントへ仕掛けを投げ込む。3人で5本の竿を出し竿先を見ながらそれぞれが思いにふける。暫く待っていると、竿先がピクピク動き始めた。これはベイトが身の危険を感じて逃げている時の反応。置き竿を手に取り、アタリを待っているとグッと竿先が引き込まれた。事前にテリーから聞いていたとおり、ここでグイッとアワセを入れた。しかし、残念ながらすっぽ抜け。エサを付け替え、再び反応があった所へ仕掛けを投げ入れる。暫く待っていると竿先がピクピク動き始めた。3人揃って私の竿先に集中。グッと竿先が曲がった瞬間を見計らって、のけぞるようにしてフッキングを試みたがまたしても失敗。

お疲れのケビン&テリー 6KB 魚はいるようなのだが、反応が乏しいので移動。小川の流れ込みの所でアンカーを下ろし、暫しエサ釣りで反応を伺う。午後からは海風が強まるとともに潮が上がってきており、川の流れが逆流している。ボラ達はこの流れに乗って小川の奥へと泳いで行くのが見える。時折、奥の方で捕食音が聞こえるのだが、残念ながらボートでは入っていけない水深なので、指を咥えて悔しがるしかない。

 ルアー釣りに比べエサ釣りの方がイージーに釣れるハズ。人為的な強いプレッシャーでバラマンディを釣るのが難しくなっている豪州観光の玄関口 ケアンズの前にあるケアンズインレットですら、エサ釣りなら良型のバラマンディを簡単に釣ることが出来る。しかし、この場所では全くアタリがない・・・。テリーもケビンも口々に「何だか、おかしいぞ」と言いながら竿先を見つめる。時々、イキの良いベイトに付け替えたり、仕掛けを投げ込む場所を変えたりして様子を伺うがコツリともアタリはなくギブアップ。

〜 トローリングに挑戦 〜


バラマンディ 4KB 背中に沢山止まっているハエを笑いながら払いあい、トローリングの準備をする。このノーマンリバーは両岸が単調。マングローブが希薄で、倒木などのストラクチャーは殆どないような河川。したがって、高温になる日中は、ディープエリアに魚が沈んでいる。トローリングはキャスティングによる釣りに比べ、ルアーを一定の水深で長い距離を引けるため、魚探を使って地形や魚のいる水深が判っていれば非常に効率が良い釣り方だろう。

 テリーとケビンは実績のあるハルコの大きなディープランナーをセット。一方、私はこの日のために特別注文した、9mも潜るディープテールダンサーをセットした。魚探を頼りにボートを走らせ、カケ上がりの部分を丹念に探る。開始10分、テリーの竿が強烈に引き込まれた。彼はエンジンの出力を落とし、巧みにボートをコントロールしながら魚のファイトに耐えている。魚は相当デカイようで中々姿を現さない。固唾を呑んで魚とのやり取りを見ていると、突然のラインブレイク。姿は一度も見られず、魚種を確認出来なかった事がとても残念だった。

 ボートを折り返し、魚の反応があった周囲を再び攻める。次にチャンスが回ってきたのは私。ゴンッと強い衝撃があった後に、ラインが引きずり出された。明らかに根掛かりではなく、数十m先で魚が暴れているのが手に伝わってくる。しっかりとアワセを入れてからラインを緩めないように気をつけながら魚を引き寄せる。ボート際で大暴れする魚に対し、バラさないように竿を追従させ無事にランデイング。ディープテールダンサーをバックリと咥えていたバラマンディはジャスト70cmだった。

〜 猛毒クラゲに注意 〜


洗船 7KB 2匹目を狙ってトローリングを続ける。しかし、反応がないため一旦ルアーを引き上げ、次のエリアへ移動する事にした。テリーが回収したルアー見て「デインジャ〜」と言うので振り返ると、フックに透明なゼリー状の紐が絡み付いていた。ビニール紐かと思いきや、猛毒クラゲの触手。彼はペンチで丁寧に触手を取り去り、水でルアーを洗った。クラゲの事など全く気にしていなかった私は、何も知らずに手で取っていたに違いない。刺されれば病院行き間違いなしだが、ここはド田舎なのでまともな治療を受けることが出来ない。「運が悪ければ命を落とす恐れがある」とテリーが透明な触手を私に見せながら注意するように語りかける。

 午後5時過ぎに納竿。20分程ボートを走らせボートランプへ戻ってきた。手早くボートを陸に引き上げる。キャラバンパークに戻る途中でガソリンスタンドへ立ち寄り燃料を補給。ここでは軽油が141.9C/L、ガソリンが137.9C/Lとお高めだった。日本はガソリンほか石油関係の価格が急騰しているが、ここ豪州でも同じ状況。フィッシングガイドの経費は燃料代が占める割合が高いため、テリーも含めガイド達は料金を上げているらしい。

 キャラバンパークに戻ってからは、先ず一日お世話になったボートを洗う。丁寧に洗うことで翌日も快適に釣りが出来るだけでなく、故障箇所があれば慌てずに修理も出来る。ガイドを本業としているテリーにとって、洗船は基本中の基本なのである。一足先に部屋に戻った私は、コーラを飲みながらテレビを見てくつろぐことにした。前回の豪州遠征ではダンス番組をよく目にしたが、未だ豪州ではダンスブームが続いている様子。テレビのスイッチを入れた時は、選ばれた素人がスターとダンスを踊るという番組をやっていた。一段落をしてからイスと飲み物を持ってキャラバンパークの住人が集まる夕暮れの集いに参加。その後、テリーが腕を振るった夕食を摂って、午後9時半に早々と就寝した。

1日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

KEVIN

バラマンディ

3


1

キングサーモン

1



鉄砲魚


1

1



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