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バラマンディ・フィッシング]Z
ケアンズインレット・ゲーム

ボートランプ 5KB
午後からはケアンズインレット


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'10/12遠征


'10/12/14(火)

〜 ゴールドコースト経由で 〜


ゴールドコースト空港 4KB 過去の遠征時、狭い機内でトイレに行くのが嫌だったので飲まず食わずで過ごしていたら、体調不良になりケアンズ到着後に辛い思いをしたことがある。それ以降はこの苦い経験とエコノミー症候群の発症を予防するために、出来るだけ水分を摂って動き回ることにしている。ゴールドコースト便は、ケアンズ便よりも1時間20分も余分に乗るため体も辛い。ジェットスターの座席は足の短い私にとってはシートの座面位置が少し高く、直ぐに足がだるくなってくる。従って、1時間おきぐらいにトイレに行ったり、機内後部で軽い運動をしたりして体をほぐして過ごした。

 機内は肌寒いのが通例なのだが、この便はエアコンの効きが悪い。暑くて寝苦しく、珍しくエアコンの噴出し口を全開にして風に当たる。夜中の3時半(現地時間の午前4時半)、室内灯が点灯し朝食が配られた。出された物はベーコン、エッグ、ポテトが入った茶碗蒸しを失敗しちゃったような食べ物。残念ながら私の口には合わず、1/3程に口をつけてギブアップ。前方のスクリーンに映し出された地図を見ると、当機は無常にもケアンズの横を通り過ぎた所だった。

 現地時間の午前6時過ぎ、美しい海岸線を横目で見ながらゴールドコースト空港に着陸。オーストラリアの観光名所として知られるゴールドコーストなのだが、楽しむ余裕は全くない。到着後に係員の案内があると聞いていたが、予想どおりケアンズ行きへの案内はない。ジェットスターの成田スタッフからすれば、客が日本から出国してしまえば、後は知ったこっちゃないのだろう。ツアー客と違い私には世話を焼いてくれる添乗員はいないので、自分の目と口、そして耳をフル回転させるしかない。初めて訪れた空港なので施設内は右も左も判らず、アチコチで空港関係者をつかまえて話を聞く。

ジェットスター国内線 5KB スーツケースを無事確保した後、本来持ち込みが禁止されている食べ物を持っているので検疫のチェックを受ける。引っ掛かったのは成田空港内で購入した菓子パン。「これは私の朝食なんだ」と説明しながら、事のなりゆきを見守る。2006年2月の遠征では女性検疫官に持参した菓子パンをバラバラに解体され、トッピングしてあった桜葉を取り除かれた経験を持っている。今回の男性検疫官はブルーベリーパンを重点的に調べていたが開封されることなくOKが出た。別れ際、彼が「朝食を楽しめよ」と言ってくれたので、思わず笑みがこぼれる。

 続いて国内線のカウンターを探して周囲をキョロキョロする。機内で美人フライトアテンダントから、ゴールドコーストからケアンズへの直行便がある事とケアンズ空港と違い国際線と国内線が同じ建物内にある事を教えてもらっていた。少ししてジェットスターのカウンターを発見。スタッフに成田でもらった紙切れの「遅延証明書」を提示すると、直ぐにケアンズ行きのチケットが発券された。ボーディングタイムを確認すると、既に時間が過ぎている。慌てて大混雑する国内線のフロアーをすり抜け、手荷物検査を受ける。相変わらず、その先も案内は全くない。周囲には誰もいないので、何処に行けば良いのか聞くことも出来ない。とりあえず施設から外に出てぐるりと周囲を眺めると、滑走路の端っこに銀色ボディにオレンジ色のアクセントがあるジェットスター機(JQ7102便 エアバス320型)を見つけた。

〜 やっとケアンズに降り立つ 〜


眼下には豪州大陸 4KB 出発時間の午前8時、ステップを駆け上がりチケットを提示して機内に入る。私の遅刻でお客さんを随分待たせたと思いきや、意外にも客は私一人だけで驚き。暫くすると私と同様に、「ゴールドコースト経由」に振り分けられた人達がバラバラとやってきた。予定時間を30分程過ぎて機体が動き出すが、機内はガラガラで空席ばかりの状態。こんな少ない乗客数でジェット機を1機飛ばしていたのでは、絶対採算が合わないだろう。

 朝食のワゴンサービスが始まったが、フライトアテンダントに確認すると有料。すかさずデイバックから検疫での没収を逃れた菓子パンを取り出しパクつく。やはり、備えあれば憂いなし。ひもじい思いをせず、眼下にオーストラリア大陸を眺めながらケアンズまで約2時間のフライトを過ごす事が出来た。ふと気がついたのだが、2時間というと、静岡富士山空港と韓国ソウル空港との距離なのである。何だかとても空しい気分を味わった。

 午前10時40分、30分程遅れてケアンズ空港に降り立った。荷物を受け取った後、公衆電話を探す。場所は直ぐに判ったが、初めて使うオーストラリアの公衆電話・・・当然のごとく日本で購入したテレホンカードは使えない。市内通話に幾ら掛かるのか不明だったが、サイフに入れてあった小銭の中から1ドル硬貨を取り出し電話機に放り込む。「昨年の遠征で余った小銭を持って来て良かった〜」とホッとしながらプッシュボタンを押す。到着時に現地通貨を持っていないと何かと不便なのである。直ぐにマリアさんと電話が繋がり、ケアンズに到着した旨を伝えて電話を切った。電話機のモニターに表示された通話料は55セント。日本で100円玉を使って電話するのと同じく、つり銭は出てこなかった。

ケアンズ空港 4KB ケアンズは真夏。強烈な日差しと、ゆうに30℃を超えている気温に面食らいながら屋外ベンチでテリーの迎えをじっと待つ。寒い日本を脱出し、幾つかのハードルを乗り越えてケアンズに辿り着けた。豪州遠征は17回を数え、ある程度の経験を積んできたため、突然のケアンズ便欠航にも対応できたが、これが単独遠征を始めた頃だったら相当参っていたに違いない。ケアンズに無事、辿り着いた実感が徐々に湧いてきた瞬間だった。

 周囲の豪州人達はTシャツに短パン姿だが、私は長袖に長ズボンの姿。明らかに場違いな風体で、違和感が漂っているようだ。送迎レーンに滑り込んできた日産パトロールから降り立ったテリーは、挨拶もソコソコに「その服は暑くないかい」と笑いながらのたまう。もちろんケアンズに辿り着くまでは着替える暇などなく、あったとしてもそこまで気が回らなかったろう。テリー宅に向う道中では、日程が大幅にズレた事を詫びながら顛末を説明する。もし今回、アラクン釣行を予定していたら国内線の乗り継ぎが出来ず、航空券のキャンセル等が発生したりと大変だったに違いない。ケアンズ近郊の河川での釣行を設定したガイドの計画は、日程調整がいかようにもなったため具合が良かった。

〜 ケアンズインレット・ゲーム 〜


ケアンズインレット 5KB 午前中にケアンズの地を踏めるとは思っていなかったため、釣りの事は考えていなかったが、昼食を摂って一服したら竿を振りたくなってきた。テリーに相談すると、モチロンOKとのこと。当初予定していたデントリーリバーは時間的に無理なので、ケアンズインレットで肩慣らしをすることになった。テリーとの釣りにおいてケアンズインレットで竿を振ることはマズない。他のガイドや一般の釣り人とエリアがバッティングしやすく、フィッシングプレッシャーも強いため、避けているのが実際のところ。その昔、近隣河川が壊滅的なコンディションになった際、釣行したことがあるが「ラスト・チョイスだ」などと言っていたのを思い出す。しかし今回はそんな事を言ってられない。即座に準備に取り掛かり車を走らせ、午後2時半には船を浮かべた。

 ここ数日の様子を聞いてみると、連日の雨続きでコンディションは最悪。特に毎晩激しい雷雨があり、ケアンズっ子達は口々に「もう雨はいらない」と言っているらしい。日本出国前、TVのニュース番組では豪州の異常天候を取り上げていたが、雨が多い話とは全く逆の事を伝えていたハズ。今年、豪州では過去100年間で最も厳しい干ばつとなっており、主力農産物の小麦は大不作。おまけにトノサマバッタ(オーストラリアトビバッタ)が大発生し、ありとあらゆる農作物を食い荒らしていた。一日で10トンもの穀物を食べ、数百キロを移動するバッタの大群の画像を見たばかりだったのだ。オーストラリアは広いので各地で様々な事が起きるが、大陸東部の海岸沿いはとにかく雨が多いようだ。

ケアンズインレツト 5KB ガイドが言うとおり水質は悪く、場所によっては泥濁りになっている。出来るだけ潮通しの良い、水質が良好なエリアを探すことにした。今回用意したベイトタックルは、コンバットスティックICSC-58MH+アンタレスDC7。これに太軸ソルト系フックを2本掛けにしたリップライザー110を結ぶ。そしてスピニングタックルは、テリーから借りたダイワのプロキャスターV PR-V661MLFSステラ3000を載せ、ポッピーをぶら下げた。

 マングローブ林の一帯をリップライザー110で攻めるが反応なし。続いて、観光客で賑わうハーバー周辺の縦ストラクチャーを探る。夏の到来を告げる北風がバンバン吹き付けボートが大揺れする中、シャッドラップ9を使って柱周辺を丁寧に攻めてみた。因みにこのシャッドラップは、御夫婦で毎年海外の釣りを楽しんでいる兵庫県の方からの贈り物。2液ウレタンを使いリペイントされているので、耐久性はバツグンの豪州仕様。わざわざ今回の遠征に合わせ、塗装して送ってくれた物なのだ。

〜 トレバリー攻略 〜


GTゲーム 5KB シャッドラップを投げまくったが反応がないため、ツルミノーフラットラップ10も試すが不発。風裏を探しながらキャストを続けるが、テリーのTDポッパーSWに正体不明の魚による2バイトあったのみ。期待した水門周りにもルアーに反応する魚は不在。場所を大きく移動し、メインチャンネルで外洋からの潮がダイレクトに当たる場所を目指して船を進めた。前方には暗雲が垂れ込め、直下では激しい雨が降っている様子。「あと3分で強い雨が降ってくるから、直ぐにカッパを着ろ」とテリーからアドバイスが飛ぶ。

 ガイドの言うとおり素早くカッパを着用し竿を振り始めたところで、大粒の雨が激しく降ってきた。「雨が降ってるから」と言って竿を休めるほどヤワではないため、淡々とキャスト繰り返す。暫くすると、枯葉が帯状に流れている潮目周辺で小魚が弾け飛ぶようなボイルが起きた。逃げ惑っているベイトは非常に小さいのだが、竿にぶら下がっているのはフラットラップ10。ルアーを交換している間もないので、そのままブン投げる。着水後、トウィッチを始めると、いきなりガツン。パワフルなファイトで竿をギュンギュン引き絞ってくれた魚は40cmのトレバリーだった。

 このトレバリーは、珊瑚礁帯でのパワーゲームで釣れるジャイアントトレバリー(GT)ではなく、汽水域に生息するパピヨントレバリー。塩分濃度が低くても順応できるため、河川の中流域でも釣れてしまう種類のヤツ。記念すべき豪州遠征の1匹目はバラマンディではなかったが、ケアンズ便が欠航し遠征が危ぶまれた事を思い返せば涙が出るほど嬉しい魚。テリーと2人で「ボウズなぁ〜い!!」と大きな声で叫ぶ。

 潮目周辺でボイルが時々起きるので、じっくりこのエリアを攻める。トレバリーを攻略するには、大きめなルアーへの反応は鈍いので小さなルアーを使いたい。ベイトタックルでは飛距離が足りずリトリーブスピードが遅い。エレキを使って船を近づけると、魚が散ってしまう。こんな状況では、やはりスピニングタックルの出番。前回のアラクン遠征でスピニングタックルの必要性を痛感したので早速試す。使うルアーは、およそテリーとの釣りでは使うことはない小型ミノー。こんな時のために5cm前後の小さめなルアーをアレコレ見繕って、小さなボックスに詰め込んであった。このシークレットボックスを急いで防水デイバックから取り出し、テリーに使うルアーをチラリと見せてフルキャスト。彼は怪訝な顔をしていたが、一気にファストリトリーブをしてみると、狙いどおりに一投目でヒット。小さなリップスライドをバックリ咥えていたのは37cmのトレバリーだった。

 テリーがTDポッパーSWでバイトを取る中、他に用意してきたルアーを横でアレコレ試してみる。圧倒的に魚の反応が良かったのは蝦夷ミノー。マングローブの根際や係留してあるボート周辺で散発するボイルを狙ってキャストすると高い確率でバイトしてくる。サイズは小さく、いわゆるメッキサイズなのだが、魚の反応があるのは楽しく夢中になってしまった。結局、納竿の時間までに釣れたのは蝦夷ミノー25cmDコンタクト37cm。船を浮かべて3時間半程、断続的に激しく降る雨の中で竿を振って、パピヨントレバリーを4匹。ちょっと渋過ぎだがよしとしよう。

1日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

トレバリー

4



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