オーストラリア国旗 2KB

バラマンディ・フィッシング]Z
バラとコッドの楽園

OZ3人組 6KB
ケアンズのスポーツフィッシングを築いてきた3人


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'10/12遠征


'10/12/18(土)

〜 有害な紫外線の影響 〜


出船 5KB 午前5時半に起床し、午前7時にトシ、テリー、ケビン組とレス、デビィ組の2艇で出船した。朝からスッキリと晴れ渡り、今日も気温が上がることが予想された。ケアンズの最低気温が24℃、最高気温が32℃くらいだったと思うが、昨日のヒンチンブルック島での最高気温はもっと上だったに違いない。ケビンの足を見ると真っ赤に焼けており、いかにも痛そう。出船時に遅ればせながら日焼け止めクリームを塗っているが、昨日受けた強い日差しの影響は必ず皮膚に残るだろう。

 テリーとケビンの腕や足を触らせてもらうと、ゾウやカバの皮膚みたいに分厚く変化している。しかも、シミやソバカスが多い。若い頃はもっと柔らかで薄い肌をしていたとのことで、長年に渡る紫外線の影響が出ている。皮膚癌を誘発するため、医者からは日焼け止めのクリームをしっかり塗るように指導されているらしい。日本では、シミやソバカスの原因になるとの話は、TV等の化粧品CMを通じて多くの人が知っているが、皮膚癌が発生するリスクが高まることを知っている人はまだ意外と少ない。ましてや白内障を引き起こしやすい事を知っている人は、どれくらいいるのだろうか。

 やはり、常日頃から有害な紫外線をカットするメガネやサングラスを着用する習慣を身に付けるべきだろう。因みに、サングラスを作る場合のレンズ材質はガラスがお勧め。プラスチックレンズは軽いが、温度変化に弱く、虫除け薬など化学物質の影響も受けやすい。もちろんこれはレンズだけでなく、フレームも同じ。合成樹脂のフレームは変形・劣化しやすい事を頭の隅に置いておく必要がある。いずれにしろ高温になりやすい車中に置いたり、船上で使う場合は、長く使えない事を覚悟しておくべきだろう。長く使うには、レンズはガラス、フレームはチタンという組み合わせが、これまでの経験からベストチョイスと言える。

〜 釣れても、釣れなくても 〜


マングローブ 6KB ヒンチンブルック島へ向けてエンジン全開で突っ走る。景色をぐるりと眺めながら、今日は釣りを十分楽しむつもりでリラックスして挑む。昨晩、寝る際に、「今回の遠征を楽しんでいるか?」と何度も自問自答していた。どうしても同船者との釣果差を気にしてしまい、自分だけ釣れないと面白くなくなってしまう。アレコレ考えている内に長年バラマンディ釣りをやり、トップレベルにあるガイド達を相手に釣り勝とうと思うこと自体に無理があった事に気が付いた。ゴルフで喩えれば、世界の青木やジャンボ尾崎クラスのトッププロと一緒に素人がコースを回っているのと同じ状況。歴戦のツワモノである彼らに勝とうと思わず、ワザを盗み取りながら、「釣れても釣れなくても、豪州遠征をもっと楽しむべきだ」と心に決めた。

 潮位を考え、竿を振るエリアを絞る。潮が満ちていると魚達はマングローブ林の奥深くに入り込んでいるため、キャスティングでは狙いにくい。逆に潮位が低いと、マングローブの根が全て露出して、狙いどころがなくなってしまう。適度に水位があってマングローブの根際を狙え、枝葉が日陰を作っているような状況がベストタイミングとなる。

ケビン&バラ 6KB シャローエリアをゆっくり進むと、海ガメやエイがウヨウヨいる事に気が付く。時折、40cm前後のバラマンディが数匹まとまって泳ぎ去るのも確認できた。バラマンディを見つけた時は即座にキャストすることはモチロンだが、決してルアーで魚を直撃してはいけない。あえて少し外した所にキャストをして、おびき寄せて食わせる事がキモ。魚の動きが見えるのでドキドキのサイトフィッシングとなる。ケビンが早速、ハイジャッカー45cm55cmのバラマンディを連発。テリーも50cmUPを1匹キャッチ。同じルアーを使う私にも2バイトあったが、フッキングには至らない。

 午前8時過ぎ、早めのティータイムを取ったが、この間も私は休まず竿を振る。ケビンから「短い移動距離の間に、数多くのアクションをさせるのがキモ」とアドバイスを受けるが、どうにも私は軽くて浮力のあるウッド製のハイジャッカーを使いこなせない。そこで、重くて動きが鈍いプラスチック製、リーディーズのB52に交換してみた。するといきなりのビックバイト。56cmのバラマンディをキャッチした。その後、2回のバイトを得て、私にはこちらの方が合っている気がしてきた。

〜 最小記録を更新 〜


テリー&コッド 5KB ボートを進めながらシャローエリアの複雑に絡まったマングローブの根際に潜むバラマンディを狙い撃ちする。水温は30.2℃。これぐらいあれば、高温を好むバラマンディの活性が高いハズ。そんな事を考えながらキャストを繰り返しているとテリーのハイジャッカーにヒット。スルスルと引き寄せているので魚を逃したかに思えたが、僅か10cmのエスチュアリーコッドがルアーに食いついていた。これで彼はめでたく最小記録を更新。今日はバラマンディ以上にコッドの方が、活性が高そうだった。

 試しにリップライザー130を使っていたら1バイトあった。後が続かないのでB52に戻してキャストを続けていると、背中が薄紫に輝くとても美しいバラマンディ(58cm)をキャッチ。一方、ケビンは相変わらずハイジャッカーを使ってコンスタントに魚を引き出し、58cm53cmを仕留めたほか、良型を2匹バラしていた。全長が僅か5mほどしかないボートに3人が乗り、同じ場所で竿を振っているのに、これほど違うものかと首を傾げるほどバラマンディの出方が違う。プロレベルの人と私のような素人では、多分こちらが思う以上のレベル差があるのだろう。しかし、今日は「豪州の釣りを楽しむ」という方向に気持ちをスライドしたので、冷静に自分のペースを乱さず釣りを続ける。

 マングローブ帯から石積みのフィッシュトラップエリアへと徐々に移動。潮位を考えベストタイミングでこの場所へ入れるように、早めのティータイムを取ったりしてテリーが調整していたのだ。テリーはハイジャッカー25cmのブラックブリーム(クロダイ)を釣った後、ロングAでコッド(35cm)、アイル・マグネットミノー66cmのバラマンディとコッドをキャッチした。私は引き抵抗が大きいB52をずっと使っていたので、少々疲れてきた。ここで気分転換をしようと、フラットラップ10(CH)に交換。重心移動機構もないのに良く飛び、ローリングアクションによる明暗の点滅はホレボレする。トウィッチをした際のヒラ打ちも好感触。これで魚が釣れない訳がないと思っていると、ストレートリトリーブしている最中にバラマンディ(62cm)がヒットした。

〜 リリースする際の気遣い 〜


トシ&バラ 7KB 随分久しぶりにバラマンディのパワフルな引きを味わう気がして、十分楽しんでからキャッチ。焼けたデッキには魚を直接置かず、濡れたタオルの上に魚を横たえる。メジャーでサイズを計測した後に、写真を撮るためオーシャングリップで魚を掴んだ。ここ数年、「絶対にフィッシュグリップで魚をぶら下げるな」と何度もテリーから注意を受けているが、この時つい片手で魚をぶら下げてしまい指摘を受けた。

 魚を持ち上げる際に腹に手を添えるのは、魚へのダメージを減らすことにある。水から揚げられた魚をぶら下げると、アゴや内臓に自重が一気にのしかかるため、1時間後に死んでしまったり、弱っているところをサメに襲われたりするケースが多発しているらしい。魚が大きくなればなるほど、特に内臓への影響が大きいようだ。ここ数年、日本国内では各種のフィッシュグリップが発売され、これをオーストラリアに持ち込む日本人客が増えている。魚をぶら下げるという弊害が、目に見えて現れているようだ。

 釣った本人は魚に触らず完全にリリースしたと思い込んでいるが、魚へのダメージは皮膚よりも内臓の方が深刻で生存率を大きく左右しているらしい。日本ではキャッチ&リリースが徐々に定着し、魚を生かしたまま逃がすという行為が広まっている。一昔前は、散々手でベタベタと触った魚を放り投げて"リリース"と言っていた時代もあったので、それを考えれば遥かに魚への影響は少ないハズ。これからはもう少しリリースする際に気遣いをするとしよう。お腹を支える時は濡れた手でするように習慣付ければ、きっと魚の生存率も上がるだろう。

 この他、ガイドから教えられているのは、「リリースするのは、釣れた場所とは反対側に」という事。釣った魚を元いた場所に戻すと、群れ全体の活性が一気に下がってしまうらしい。ルアーにスレてしまったのではなく、ヨロヨロした魚が仲間の中に戻って来ることによってヤル気満々、食い気満々だった魚のテンションが下がってしまうと言うのだ。ピンポイントで何匹も魚を釣り上げるには、案外こんな事が大切だったりする。

〜 バラとコッドの楽園 〜


トシ&バラ  5KB フラットラップ10の威力に感心していたのも束の間。その後、2回のバイトがあったが、魚がルアーを咥えたまま石積みの中に潜り込んで動かなくなってしまった。ボートを寄せれば対応できそうな場所だったので、アンカーを上げて動き出そうとした時にラインがスッパリと切れてしまった。岩に密生しているカキ殻にラインが擦れて切れたと思うのだが、同サイズの予備を持っていなかったためショックは大きかった。やはり遠征には同じルアーを複数個持って行かないと辛い思いをするのである。たとえ百数十個持って行っても、1個しかないアタリ針をロストすれば、残りのルアーはゴミに思えてしまう。

 もしかしたら魚は銀色に魚が反応しているかと思い、キラキラ輝く銀色のアスリート・クイックレスポンスビーフリーズを試すが不発。ゴールトボーマーに交換しトウィッチをすると、40cmUPのバラマンディとコッドが躍り出た。今日はどんなルアーでも釣れるという訳ではなく、かと言って「このルアーでなければ絶対にダメ」という状況でもない。段々、迷いが生じてきた。これをガイドが察知したのか、珍しく正午にランチタイムにする。パラソルを立てて準備をしている時に、レスとデビィ組のボートがやってきた。様子を聞くと、デビィが随分頑張っている様子。サイズはそれほどでもないが、レスよりも魚を釣っているらしい。女性だからって決して甘く見てはいけないのである。サンドウィッチには塩とコショウを沢山振って塩分を補給しつつ、水分をたっぷり取って午後の部に挑む。

マリンシューズ 6KB 午後は昨日以上に気温が上がり、ガンガン強い日差しが照りつける。この高温で、今回導入したキャプテンスタッグのマリンシューズ(ビーチシューズ)の具合が悪くなってきた。熱で接着剤が溶けて、中敷がズレてしまったようだ。結構気になるのでシューズを脱いで中敷の位置を直すが、暫くするとまたズレてしまう。このシューズはサンドフライの攻撃をかわせず、生地の上から数か所刺され、足の所々がポチッと赤くなってしまった。シューズを履いていなければ、焼けたデッキの上には立てず、サンドフライや蚊の攻撃を受けやすい。生爪を剥がしたりするケガを未然に防げるため絶対に必要なため、脱ぐわけには行かない。

 昨年まで履いていたメーカー不明の黒いシューズは、作りがしっかりしていてこんな事がなかった。長年の使用で靴底が擦りへり、ボートデッキや岩場で滑りやすくなったのでアラクンの地に捨ててきたが、今となってはちょっと後悔している。身の回りの物を買い換える場合は、いつも慎重に選んでいるのだが、使ってみなければ判らない事も多く、今まで使っていた物が廃盤で買えなくなっていたりする事も多い。やはり気に入った物は余分に幾つか買っておくのが良いのかもしれない。

〜 前菜とメインディッシュ〜


エビ 4KB テリーは昼食前にアイル・マグネットミノーで好感触を掴んだようで、これを試してみろと進めてくれたがパス。ケビンが試しに使って、コッドを怒涛の3連発キャッチした。ガイドの好意は素直に受け入れるべきだったと後から反省することしきり。小さなルアーを使うとエスチュアリーコッドの嵐になりそうな気がしていた。石積み地帯はコッドの楽園なのである。かなりアグレッシブな魚なので、ロックフィッシュ専門に狙っても面白そうなのだが、グッと我慢。何か面白いルアーはないかとボックスの中を眺める。目に留まったのは、全く釣れそうもない顔つきと泳ぎをしているフェイクベイツNLT。リップレスなので飛距離は十分。水面直下を泳ぐ設定なのでシャロー攻略が可能なルアー。ただでさえアクションが弱いのに、極太のソルト系フックに交換したら更に泳がないルアーになってしまった。

 試しに投げてみると、いきなり爆裂ヒット。水面が割れてバラマンディがエラ洗いを繰り返す。これまで釣った魚より明らかにサイズが良かったので慎重に魚を寄せる。ケビンが丁寧にハンドランディングしてくれた魚は69cm。これまでの苦労は何だったのだろう・・・正直言って余り期待をしていなかったフェイクベイツNLTで釣れるとは嬉しい誤算だった。この魚はファイト中に小さなエビを大量に撒き散らし、ボートに上がってからも小エビを口から吐き出した。最初の内は透明の小エビに見えたのだが、乾いてくるとピンク色に変わった。駿河湾名産のサクラエビに似ているが、サイズはもう少し小さい。一般に"アミエビ"と呼んでいるアキアミかもしれない。こんな小さいエビをたらふく食べているのに、12〜13cmのミノーにも反応するのがちょっと不思議。バラマンディにとって、アミエビは前菜で、ミノーがメインディッシュだったのだろうか。

ロッキーエリア 4KB 午後1時を回ると風が急に強まった。この時を狙ってレスとデビィ組のボートと共に岩場地帯へ移動。アンカーを下ろし、揺れるボート上でしっかり立ってキャストを開始。1投目でバックシートにいるテリーの竿が激しく曲がった。魚は岩に打ちつける波で出来た茶色く濁るサラシの中にいる。彼はかなり強引に魚を引き寄せキャッチ。ロングAを咥えていたのは60cmのバラマンディ。続いてヒットしたのは私のロングA。しかし、エラ洗いはせずファイトも弱い。まさかと思ったが、魚は25cmのコッド。直ぐにリリースしてキャストを再開すると再びコッド。「私の前にはコッドしかいないのか」と独り言を言っていると、テリーとケビンも相次いで同サイズのコッドをキャッチ。テリーはこのほか、バラクーダも追加した。

 少し離れた所でレス&デビィ組がアンカーを下ろしている。揺れるボート上、船首で仁王立ちになって竿を振る彼女に脱帽。レスのブログには、今回の釣行が私とは別の角度から書かれているので面白い。彼らが乗っているのはテリーが以前所有していた全長4mのエコムンディ。ジョンソンリバーやデントリーリバーの上流で釣りをするには最適なボートだが、荒れて波立つヒンチンブルック島周りではちょっと小さくて大変だったろう。

〜 懐かしいハニーホール 〜


ロッキーエリア 6KB テリーはルアーを交換。ロングAからアラクンで大活躍したと言うボロボロになったサイドステップをフルキャスト。大振りなフックを2本装着してあり岩場で使うには、いかにも浮力が足りなさそう。やはり何回も投げない内に岩場に引っ掛けた。アンカーを引き上げてルアーの救出作戦が始まるかと思いきや、彼はあっさりとラインを切った。アタリ針を自ら切る事はとても忍びない事なので、「どうして取りに行かないのか?」と尋ねてみた。すると、「ルアー1個の値段より、エンジンやボートの修理代の方が高くつくから。」とのこと。

 前日、私のロングAを回収するために相当な危険を犯していた。ルアー回収で怪我をしたり、エンジンが故障したりして釣行が中断してはマズイ。今後の事も考え、瞬時に決断したようだ。これまで彼が客のルアーを回収するために全力を尽くす姿を何度も見ているので、この対応はいかにもプロっぽい判断で本当に頭が下がった。

 魚の反応がイマイチなので、島の西側に移動。こちらは風が弱く波も穏やかな反面、汗が吹き出るほどメチャ暑い。クリーク入り口のドロップオフを狙ってキャストを重ねていると、ケビンが50cmUPハイジャッカーでキャッチ。他にも魚がいるようなのでヒットしたポイントに私がツルミノーを打ち込む。狙いどおりにバラマンディが反応したのだが、フッキングには至らなかった。その後、似たようなポイントを幾つかチェックしたが魚は不在。太陽が容赦なく照りつけヒートアップ。度々ペットボトルに手を伸ばし喉を湿らす。

ハニーホール 8KB 余りの暑さでケビンがバテ気味になってきた。テリーがちょっと彼の様子を心配していたようだが、私はまだまだ元気。「トシ、今日は満足したか?」と聞くので、「ノット、イナフ!!」と思わず答えてしまった。やっぱり、釣り人はわがままなのである。このエリアを攻めるには潮位が高すぎ、マングローブの根際を狙えない。一旦、海峡を渡り、オーストラリア本土側のマングローブ帯で竿を振ることにした。島を離れると強い北風が吹いている。最初はこの風を心地よく感じていたが、沖に出るにしたがい白波が立つ。ボートが激しくバウンドしながら波を切り裂き始めると、デッキに転がらないよう必死に踏ん張った。

 暫く走って本土側のマングローブ帯に入ってゆく。複雑に入り組んだクリークを進み、分岐点でボートが止まった。ここはかつて、ハニーホールがあった場所。
2003年9月の遠征で、30分程の間に1か所から10本のバラマンディを抜き上げた事は、今でも鮮明に記憶に残っている。その時に使ったルアーがDDパニッシュステーシーver2。この2つのルアーは、それ以降も毎回必ず遠征に持って来ている。今回、ここで使うのも、やはりこれらのルアー。私はDDパニッシュ、テリー達はステーシーver2を取り出しマングローブの根際を攻める。残念ながらハニーホールに魚は不在。暫くボートを進めながらルアーをキャストしていると、いきなりルアーが引っ手繰られた。ルアーを咥えていたのは本命のバラマンディではなく、バラクーダ(55cm)だった。オーストラリア遠征で、これほどガッカリさせる魚は数少ない。

〜 海峡を挟んで行ったり来たり 〜


テリー&ケビン  4KB 狭いクリーク内が急に生臭い異臭で包まれた。前方から整備不良でいかにも馬力がなさそうなエンジンの音が聞こえ、徐々に近づいてくる。姿を現したのは漁船。臭いの元はこの船だった。漁師と挨拶をしながら暫し雑談をする。この一帯でマッドクラブを捕っているらしい。漁師がカニ籠を仕掛ける場所は、私達が狙うバラマンディのポイントが往々にしてバッティングするので有難くない存在。おまけにメッチャ臭いし・・・。しかし、マッドクラブは私の大好物なのだ。釣り人はわがままな上に矛盾に満ちた生き物だったりする。捕れたてのマッドクラブを積んであれば、その場で譲って欲しかったのだが残念ながら空荷だった。魚の反応もないため、カニの臭いで充満したクリークを抜け、再び荒れる海峡を渡ってヒンチンブルック島に戻る。

 マングローブ帯を撃ち始めて僅か2分、倒れたマングローブの枝葉周りで躍らせた私のB52にヒット。バラマンディ(57cm)がルアーを吸い込み一気に反転。複雑に絡み合った根の中に潜られないように、フルパワーで引きずり出した。これを見て直ぐにテリーがB52にルアーを交換。彼が倒木周りを探ると、ブラックスポットコッド(35cm)とバラマンディ(50cm)が躍り出た。ハイジャッカーを使うケビンの竿は曲がっていなかったので、今度は確実に彼の番だと思っていたが、竿が曲がったのはまたしても私とテリー。いずれも50cmには満たなかったが、元気満点の魚だった。時間が経って魚の活性が高まったのか、妙にB52の調子が良い。あれだけ反応が良かったハイジャッカーが沈黙する状況は、とても不思議な感じがする。「バラマンディは難しいけど、簡単に釣れる。」そんな言葉がマッチする。それにしても、タイミングがドンピシャでこの場所に入ったガイドの腕はやはり凄い。本土側ではバラクーダ1匹しか釣れず、海峡を挟んで行ったり来たりしたため往復の時間と燃料代が随分もったいないと思っていたが、彼にしてみれば狙いどおりだったのかもしれない。

夕暮れ 4KB 夕暮れが徐々に迫る午後5時半に納竿。荒れる海峡を突っ切り、宿に帰還。結構、頭から潮を被ったので直ぐにシャワーを浴び、ビールを飲みながら一服する。ケビンが疲れた顔をしてソファにいるので話しかけると、真っ赤に焼けて腫れている足に気が付いた。様子を聞くと日焼けは大した事ではないようだが、昔、クリケットで痛めた古傷が原因で足がむくんでいる様子。私が釣りに専念できるように、揺れるボートの上で何度もアンカーの上げ下ろしをしたのが相当影響していているに違いない。何だかとても申し訳ないような気がしてきた。

 夕食のミートスパゲティーをたっぷり頂いた後は、ビールを飲みながらナッツやチョコをおつまみに釣り談義が弾む。私はレスのタックルボックスに入っているキズだらけのルアーに興味津々。テリーとは使うルアーの種類がちょっと違うので、とてもワクワクした。一方、彼も私のルアーに興味があるようで1個ずつボックスから取り出しては、「これはどんな動きをするのか?」と聞いてくる。古今東西、他の釣師のボックスの中身を見るのは、とても楽しいのであった。

5日目の釣果結果

TOSHI

KEVIN

TERRY

バラマンディ

7

5

6

エスチュアリーコッド

3

7

5

バラクーダ

1


1

ブラックブリーム



1



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