バラマンディ・フィッシング]]T
激渋のジョンソンリバー

ケアンズ空港トイレ 5KB
「外国に来たなぁ〜」と実感する瞬間


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'13/9遠征



'13/9/20(金)
〜 ケアンズ国際空港に無事到着 〜


空港ロビー 12KB 午前5時10分にケアンズ国際空港に無事着陸。予定では5時30分頃の到着だったので、20分も早く着いてしまった感じ。入国審査もすんなり通過し、スーツケースも無事に確保。税関の検査では6〜7人が一列に並ばされ、可愛らしい犬にクンクンと匂いを嗅ぎまわされたが、もちろん麻薬などは所有しておらずスルーパス。トントン拍子に空港ロビーまで出られてしまった。これが私のように渡航回数が多い男の一人旅だと、アチコチでチェックがかかり、荷物を丁寧に調べられたりするのだが、同伴者がいると早いのだ。

 空港ロビーは、7ヶ月前とは雰囲気がガラリと変わった。前回来た時はフロアー内に大きなテントがあったりして薄暗く落ち着いた感じだったと思うが、今回は色鮮やかなイスが置かれ随分と明るくなった。毎回、色んな所がコロコロと変わる空港なので、新しい発見があったりして楽しかったりする。我が静岡県の富士山静岡空港は、利用者が楽しめるようなおもてなしが、ちゃんと出来ているのだろうか・・・。

 そのまま釣り場に直行出来る格好で飛行機に乗って来たので着替えは必要ないが、顔を洗ったり日焼け止めを塗ったりするためトイレを借りて身支度を整える。「外国に来たなぁ〜」と実感するのが、このトイレで用を足す時。便器の位置が高いので、足の短い私にとっては結構気になるのである。嫁さん共々準備が整い、お世話になるガイドのテリーのお出迎えをフロアー内で暫く待つ。


〜 豪州のエネルギー事情 〜



テリー朝食 8KB いつもなら、ボートを牽引した四輪駆動車がゴォォォ〜と音を立てながら送迎レーンに滑り込んで来るのだが、待っていても現れない。外へ出て様子を見ようとしたところに彼がヒョッコリと登場。車が見当たらないのでキョトンとしていると、「トシが遅かったので有料駐車場に入れた」と言う。どうやら彼は、飛行機の到着時間を私達のピックアップ時間だと勘違いしていた様子。

 駐車場に止まっていた車は、いつもの白い日産パトロールではなく、ガンメタカラーが格好良いホールデン社ピックアップトラック・コロラド。友人のレス・マーシュから借りてきたとのこと。ホールデン社と言えば、玉遊びをしているライオンのようなシンボルマークが付いている車。オーストラリア唯一の国産自動車メーカーなのだが、今では米国GMの傘下に入っており、作っている車も純正とは言えないようだ。

テリー宅の庭 13KB 挨拶もそこそこに車に乗り込み、先ずはテリーのお宅に行く。前回遠征時のトレーラー横転事故の件もあり、今回は日産パトロールが故障でもしたかと心配したが違った。今までの車は売り払い、マツダの新車ピックアップトラック、ダブルキャブのBT50を購入。しかし、納車が私の遠征中に間に合わなかったようだ。彼はこのところ、ケアンズアラクンを行ったり来たりしてとても忙しく、いつもバタバタしていて、全てに渡って準備不足らしい。

 テリー宅では、きれいに手入れされたお庭を眺めながら、こんがり焼いたトーストと息子ライアン君の家の庭で採れたポウポウ(パパイヤ)を頂く。お互いの近況についてアレコレと話をしたが、テリーが心配していたのは原発事故の影響。オーストラリアでも福島の原発事故については度々ニュースが流れているようだ。この国には世界トップのウラン埋蔵量があり、輸出量もトップクラス。しかし、原発は作らず、豊富にある石炭を利用した火力発電が主力。8割5分は、石炭に頼っている。

 この国の電力供給は、火力発電から排出される二酸化炭素と牛のゲップに含まれるメタンも合わさり、地球温暖化の要因にもなっていのかもしれない。かつては原発推進の話もあったらしいが、結局は国民の多くが反対し建造には至らなかった経過があるようだ。地球温暖化の原因は、諸説あり地球規模で深刻な問題だろうが、原発事故は一旦起こってしまうと、現在の技術レベルでは対処しきれない事が露呈してしまった。オーストラリアでは、日本で起きた原発事故をきっかけに色々と考える人も多いのだろう。


〜 ジョンソンリバーに向って 〜



イニスフェイル 8KB ピックアップにボートトレーラーを手際よく連結させて、7時半前に出発する。今回使うボートは、トレーラー横転事故後に修理した物だが、それらしき傷跡もなく完璧に直っていた。テリー宅を出てからは、進路を南にとり、ジョンソンリバーに向ってひた走る。車中では、景色を眺めながらアレコレと思いつくままに片言の英語で話をする。日本では秋だが、こちらはサトウキビがグングンと育つ春がスタート。今日からスクールホリデーが始まっており、家族と共にアウトドアライフを楽しむため、沢山の人達が私達とは逆方向の北に向って走っている。

 行き先はウェイパレイクフィールドなど。対向車線を走る車の多くは、ボートやカーゴを牽引している。中には、カヌーを積んでいる車もあったが、聞くところによると最近はカヌーも流行って来ているらしい。カヌーは水面との距離が近いので、ワニに襲われそうな気がしてならないのだが大丈夫なのだろうか。3mクラスぐらいのワニなら、普通にいるハズ。カヌーに突進されたら、ひとたまりもない気がする。

ジョンソンリバーボートランプ 12KB 今年、ケアンズ周辺では雨が少なく、どこも釣果は芳しくないらしい。洪水が度々起こるのは困るところだが、降るべき時にしっかりと雨が降らないのは往々にして良い釣果が望めない。厳しい状況の中だが、2012年9月のアラクン釣行でテリーに格別に強い印象を与えた、通称ゼビエル(ZBLシステムミノー50S)の効果は確からしい。私が提供したゼビエルの持ち駒数が少なくなって来ている中、巨大バラマンディが住むティナルー湖のフィッシングガイドに2個も奪われたとぼやいている。

 彼もプロなのでゼビエルに変わるルアーを日々アレコレと探しているらしいが、各メーカーから出されている小型ミノーは泳ぎがワイド過ぎたり、早引きに対応出来なかったりとイメージに合わない様子。「このルアーの何が良いのか?」と尋ねたところ、ゼビエルのタイトな泳ぎが魚種を問わず豪州魚にとても効くらしい。テリーを基点にアチコチに情報が流れ出ていっているので、いずれそう遠くない内に、このルアーがオーストラリアの釣りの定番ルアーとなるに違いない。

 ケアンズを出発してから1時間半強で、サウスジョンソンリバーノースジョンソンリバーの分岐点があるイニスフェイルに到着。この街には、日本人をはじめ各国のバックパッカー達が集まっているらしい。異国の地で働きながら勉強することを夢見てワーキングホリディでオーストラリアに渡ってはきたものの、英語が使えない人に仕事はそう簡単には見つからない。結局は肉体を酷使する農作業関係のバイトに従事。果てしなく続くバナナや果物の収穫作業や、出荷に向けた調製作業に懲りて帰国するという構図があるようだ。自分探しの旅に出て、異国の地で探し物が見つかるような事は、極めて少ないのかもしれない。

〜 ラインシステム講習会 〜


 いつも使うイニスフェイルのボートランプから出船し、木陰でタックルを準備する。本来は、日本にいる時にしっかりと準備してくるべきだろうが、ガイドがアレコレやってくれるのでどっぷり甘えさせてもらった。ラインシステムはこれまで色々と教えてもらったが、今回はちょっと気合が入っているヤツ。しっかりとシステムを組んでおけば、安心して豪州魚とやり取りが出来るので、習っておいた方が良いに決まっている。

 見ているだけでは忘れてしまうので、念のためデジカメで動画を撮影しておくことにした。最初にやり始めたスピニングタックルのメインラインは劣化していたようで、システムを組んでいる最中にラインブレイク。テリーから「こんなラインを使うんじゃない」とお小言を頂きながら、怪しげな部分は切り捨てる。再度、取り直した動画が下記のとおり。続いて、ベイトタックルでもシステムを組んだので、こちらはYouTubeの方で御覧あれ。



〜 先ずはGTゲームで肩慣らし 〜


トシ&アサコ 10KB スピニングタックルにはTDポッパー、ベイトタックルにはロングA(15A)を付けてキャストを開始した。先ずは河口域でポッパーを使ってGTやクイーンフィッシュを狙う。マングローブが生い茂る島周りは特に魚が集まりやすい。水深が浅くサンドバーが形成されているような島の角は、ベイトを求めてGTやクイーンフィッシュがスクールしているハズ。テンポ良くポッピングしていると私のTDポッパーに2連続爆裂バイト。魚の正体は不明だったが、捕食音からして良型だったに違いない。

 ボートが座礁しないように注意しながらサンドバーの上を静かに移動していると、大きなマゴチが砂煙を上げて逃げていくのを何回か目撃。このエリアはマゴチの棲家でもあるようだ。何処にでも魚がいるのではなく、限られたスポットに様々な魚が集まっている感じなので、何かしら魚を見つけた時はすぐさまキャストをすることが大切。TDポッパーを投げて、ポッピングするとドバンッと出た。力強いファイトて楽しませてくれた魚は、40cmのGT。豪州遠征1匹目としては決して悪くない。

アサコ&テリー 11KB マングローブ林の中で、ガボガボとボイルしている音が聞こえたので、すかさずTDポッパーからロングAに交換。バラマンディは強い日差しを避けるため、水没しているマングローブの複雑に絡み合った根の中にいるようだ。キャスティングには高い精度が要求されるので、初心者の嫁さんは非常に苦労している。キャストに自信がないので、フワフワのテンプラ・キャストをやりたがるが、飛んでゆくルアーをしっかり見ていないため、度々はるか樹上にルアーを引っ掛けている。黄色い花のアマランダや綺麗なピンク色をしているブーゲンビレアを横目で見ながらルアーをガサガサと回収するのは、ちょっと悲しい。

 アレコレとキャスティングのレクチャーを受けながら、へこたれずにキャストを続けていると、彼女が絶妙なピンポイントに打ち込んだロングA(14A)に下からバラマンディがグワンと出た。残念ながらルアーの直前でターンしてしまったが、確かに魚はいる。3人揃ってバラマンディが顔を出したピンポイントを徹底的に探ったが、2度目のチャンスはこなかった。どうも魚の活性が上がっておらず、ルアーを追う気がないようだ。

 ボートを流しながらTDポッパーを打ちまくり、魚を探す。バラクーダや小型のマングローブジャック、メッキクラスのGTがたまにチェイスするのだが、いずれもフッキングはしない。時計を見れば午前11時。開始してから休む間もなく竿を振り続けて釣れたのはGTが1匹だけ。ジョンソンリバーでこんなに苦戦するとは思ってもみなかった。炎天下で空しいキャストが続き、気持ちが萎んできたところでティータイムにする。

〜 顔と右肩を強打 〜


河口域でキャスティング 6KB 日陰を求めて岸際にある大樹の下にボートを寄せ、船首にあるロープを枝に結び固定。作業が終わり元気良く振り返ったところ、目の前に太い枝が突き出ており、顔と右肩を強打した。余りにも突然の事で声も出ず呻く。顔はサングラスが保護してくれたので怪我はなかったが、フレームは歪んでしまった。一方、強く打ちつけた肩はジンジン痛んで、血液と体液がじんわりと滲んできた。

 フレームは力を少しずつ掛けて修正。右肩は赤く腫れてきたが、骨が折れたり関節が外れたりした訳ではなかったのでこのまま放置した。後から思えば、この時にちゃんとケアをしておけば良かったのだが、放置したがためにこの先ずっと肩の怪我に悩まされる事になる。

ランチタイム 12KB カップケーキと紅茶を頂きながら一息つく。午後になると北からの風、やっかいなサマーブリーズが強まるらしい。正確なキャストが難しくなるだけでなく、操船も気を使うため早い段階で魚を釣っておきたいところ。ティータイムは15分程で切り上げ、魚を探してボートを進める。水が透き通っている河口域の海水エリアは全く魚が確認できなかったため、ボートを少し上流に走らせマングローブが生い茂るエリアを重点的に攻める。

 TDポッパーで40cmに満たないGTを2匹連発。その後直ぐに、クイーンフィッシュがヒット。この魚は、ラインをブッチ切ってルアーを咥えたまま水中に姿を消した。やはりラインが劣化していたようで、船尾から「OH!!!!  トシ〜」と声が聞こえてきた。テリーがラインシステムを組んでくれている間、痛む右肩を撫でながらガックリとうな垂れて反省。キャスティングを再開すると、テリーがロングA(15A)で小型のGTをキャッチ。水中に垂れ下がる枝葉の奥、薄暗いシェードの中をロングA(15A)で探っているとバラマンディが2回ルアーをチェイスした。しかし、バックリとルアーを咥えることもなく反転して姿を消す。状況はとても渋くて、嫁さんはノーフィッシュで終わる可能性が高まった。

〜 クリーク内でのキャスティング〜


テリー 9KB 午後1時に遅めのランチにする。右肩がジンジンするのでフィッシングシャツをめくって覗いて見ると、中に着ていたTシャツの肩の部分が、傷から染み出ている体液でグチュグチュしている。キャストやトウィッチの度に布で傷が擦れるのがよろしくないようだ。傷口を見ると多分テンションが下がるので、Tシャツをめくるのは止めておいた。食事はいつもの船上で作るサンドウィッチ。ローストチキンやトマト、レタスなどをたっぷりと挟んでパクつく。食後のデザートは完熟パパイヤ。熟したパパイヤは独特な臭みが少しあるため、苦手な人がいるかもしれないが、カキと同様に少し柔らかくなっている位の方が美味しいのである。

 30分程でランチを切り上げて、魚を探してボートを進める。サンドフライが沢山住んでいそうなクリークの中に入っていくと、直ぐにテリーはバラマンディの姿を目撃。シャッドラップ8で何度も誘いを掛けていると、やっと顔を出したが直ぐにUターンして姿を消した。テリーが言うには、強い太陽を嫌って出てこないらしい。結局、この水路の中には、相当数の魚が潜んでいるハズだが一匹も針に掛けられなかった。

 因みに、狭い水路なので、かなり高度なキャストを求められるため、嫁さんは竿を振る回数が減りがちになった。ルアーを投げ込んで、水の中で泳がさないと魚は釣れないので、キャストに難があるとクリークの中では釣りが出来なくなってしまう。ホワホワ〜と山なりに投げるキャストではルアーが何処に飛んで行くか判らない。頭上の木を釣ってしまったり、右に左に乱れ飛んだりと一投毎に大変なのである。やはり、狙いを決めて強めにビシバシとポイントにルアーを打ち込むような、気合の入ったキャストを覚えてもらう必要があった。

〜 スペシャルポイントでの失投 〜


マングローブ林 12KB 午後3時、イニスフェイルの船着場まで戻ってきた。対岸のマングローブ林周辺に流れるマッディウォーターの帯の中を銀色のロングAで狙うが全く反応はない。船尾からはテリーの「ソーリー、ソーリー」と言うお詫びの言葉が度々聞こえてくる。ボートを進めながら要所、要所を丁寧に攻めるが、強い日差しの下で、魚の活性が下がっておりルアーに反応しないようだ。魚種が豊富でまずボウズがないとしているジョンソンリバーで思いのほか苦戦。この川はこんなにも渋かったか・・・。

 クリークに入るとサンドフライ地獄。肌を露出している顔周りに飛んできて目の前をチラつく。その内にサングラスの内側まで入り込み、まつげに絡みつく。刺された時にはチクリともしないので気がつかないのだが、多分、皮膚が柔らかい首筋や耳などが刺されているに違いない。この炎天下、私達の周りで活性が高いのはサンドフライだけだろう。

 午後3時半、本日イチ押しの沈船ポイントに到着。ここでは、朝から竿を振ってまだ一匹も釣っていない嫁さんに最初にキャストをしてもらうことにした。バラマンディ釣りガイドNo1のテリーが"スペシャルポイント"だと言うのだから確実にバラマンディが潜んでいるハズ。使うルアーはシャッドラップ8。ルアーを打ち込む場所を確認し、慎重にキャスト・・・ユルユルのテンプラキャストでルアーは頭上高く飛び、狙っている場所を大きくそれてマングローブ等の木々が生い茂る樹上に投げ入れられた。

 ラインを強く弾いてルアーを外そうとしたが上手くいかない。テリーに竿を渡して外してもらおうとしたがダメ。彼がガサガサ、バシバシとルアーを揺さぶっているとライがバシッと切れた。こうなってはどうしようもないので、ボートを寄せてルアーを回収に行く。強引に枝葉を引き寄せルアーを回収し、ボートをバックさせた頃にはポイントは濁ってグチャグチャ。残念ながら、この"スペシャルポイント"はまともにキャストすら出来ずに離脱した。キャストをした際、ルアーの軌跡を目でしっかりと追ってないため、遥か樹上にルアーを打ち込んでしまう。ちゃんと見ていれば、ラインを止めて木の上を釣ることもないのだが。嫁さんは「ソーリー、ソーリー、ごめんなさい」と謝ってはいたが、このポイントに期待していただけに彼女の失投は私とテリーにとっても痛かった。

〜 ターポンの群れに遭遇 〜


ターポン 9KB 昨年、メーターオーバーが出たポイントを教えてくれたが、その時の水位は今よりも2m以上高かったらしい。明らかに今日とはコンディションが違う時の話である。「ここでデカイ魚が釣れた」という昔話は、時として心に空しく響くだけなのだ。水面に波紋が数多く広がっている場所をテリーが見つけた。ターポンの群れに遭遇したのだ。魚達は、水面の小さなベイトを捕食している様子。ボートを静かに近づけ3人でキャスト。ヒットしたのは嫁さんのシャッドラップ8。サイズの割にはハードファイターで、華麗なジャンプもする魚なので最後まで気が抜けない。彼女はテリーのアドバイスを受けながら、焦らずゆっくりと丁寧にボート近くまで引き寄せて来たがフックオフ。とても残念な一匹だった。

 すかさず私もシャッドラップ8を打ち込んだが、反応はない。捕食中の魚群が目の前にいるので何かに反応するハズ。今回、オーストラリアに初めて持ち込んだピーズファクトリーエスタ70を取り出し、水面近くを泳がせてみた。このルアーはS字系のリップレス・シンキングミノーで巻くだけで上品なS字の軌跡を描く。絶対に釣れそうなのだが、ターポンに対しては空振りに終わった。

巨大なマメ 15KB 徐々にターポンの群れがボートから遠ざかっているため、「遠投出来るルアーで釣れそうな物はないか?」とボックスの中を探す。目にとまったのがバイブレーションのTN60。フルキャストをして一旦底まで沈め、しゃくり上げてフォーリング・・・なんと狙いどおりに一投目で食ってきた。ターポンはフッキングが難しい上に、ジャンプもするので、釣り上げるのは結構難しい魚。ましてやヒットしたルアーは、バーブレスフックにしたバイブレーションなのでなおさらである。

 普段以上に慎重に対処してやっとキャッチ。午前中、テリーがメッキクラスのGTを釣って以来の魚。時計を見ると午後4時を回っていた。テリーはエコギアらしきゴムルアーを取り出し、嫁さんの竿先にぶら下げ、彼自身もゴムルアーを使い始めた。私がゴムルアーを嫌いで使わない事は重々承知なのだが、今日の状況では致し方ないところ。使い始めて直ぐにテリーがターポンを掛けたがフックオフ。

 過去、ターポンを狙う際には、ベイトに似た銀色に輝く小さめなミノーや白い毛が付いたフェザージグを使う事が多かったが、結構様々なルアーに反応するようだ。多分、小型のバイブレーションも良いだろう。今後は色々と試したみたいところだ。

〜 出た!! 待望のバラマンディ 〜


バラマンディをキャッチ 10KB  クリーク入り口のコーナーに到着。この周囲には"ジャックとマメの木"のお話に出てきそうな巨大なマメの実がぶら下がっている。サヤ長が1.5m程度になる世界最大級のマメ、モダマ(藻玉)のようだ。実の直径は5〜10cmにもなるので、こんなマメで納豆や煮豆を作ったらさぞかし凄いだろうと思うが食用には適さないらしい。磨くととても美しく、形が可愛らしいので、アクセサリーとして使われたりしている。

 水通しの良いコーナーの日陰側を狙うようにテリーに言われ、嫁さんがキャスト。着水後、トウィッチをするといきなりガツン。ポイントに到着して一投目の出来事。彼女は「うひゃ〜」と声を上げたまま動けない。ツインパワーC3000HGのドラグはしっかりセッティングしてあったので、一気に走られてもスムーズにラインが出てゆく。目前で派手なジャンプをしたが、私達のアドバイスを聞きながら、徐々に魚を引き寄せて無事にキャッチ。

 シャッドラップ8を咥えたバラマンディの目は赤く、いかにもバラマンディって感じの良型魚。サイズは70cmをちょっと欠けた68cm。延々と釣れなかったバラマンディを仕留めたのが嫁さん。またしても彼女は、私に遠慮もせずデカイ魚を手にしたのだった。しかも、へなちょこキャストの一投目。やはり、どんな場所でも一投目は大切。もし何処かに引っ掛けていたら、この魚は出なかっただろう。

 更なる追加を期待して、バラマンディがヒットしたポイントを3人で狙ったが不発。サンドフライがいかにも沢山いそうなクリークの中へとボートを進める。クリークの中では、シャッドラップ8をピックアップする直前にヒット。やっとバラマンディが出たかと思いきや、魚の正体は20cm程のGTでガッカリ。一方、シャッドラップ8を使ってトロトロとゆっくりトローリングをしていたテリーには40cmのターポンが出た。このクリーク内には魚が集まっている様子。バラマンディが一度、私のシャッドラップ8を吸い込んだのが見えたが、フッキングには至らず姿を消した。もっと活性が高い時にこの場所に来る事が出来れば、きっと楽しい釣りになるだろう。



〜 夕食はバラマンディ 〜


バナナ直売所 8KB 午後5時半に納竿。3人がクソ暑い中、一日竿を振って釣れたのが僅かに8匹。バラマンディはたったの一本で、しかも釣ったのは初心者の嫁さんだったというとても厳しい現実。彼女にとっては、とても貴重な経験を積めて良かったと思うが、バラマンディ釣りに心血とお金を沢山注いでいる私としては、なんとなくスッキリしないまま車に乗り込んだ。

 ケアンズへの帰り道では、途中でバナナの無人直売所に立ち寄る。価格は1kg、1ドル50セント。自分で欲しいだけ手にとって秤にのせて小銭をチャラリンと筒の中に落とせば良い。客とお店の信頼関係の上に成り立っているスタイルに好感がもてるが、果たしてどれくらい販売数量と販売額との差があるのだろうか。このお店は何年も続いているので、決して損はしていないようだが興味はある。

アサコ&マリア 9KB 行きは1時間半以上掛かったが、帰りは余分にアクセルを踏んでいたのか、1時間20分でテリー宅に到着。先にシャワーを浴びさせてもらってから、晩御飯のテーブルに着く。マリアさんお勧めの氷を入れた赤ワインを頂きながら、塩・コショウで味を調えたバラマンディのグリル料理、そしてチリ味のポテトフライとトマトのサラダをたっぷり空きっ腹に詰め込む。

 夕食に出してくれたバラマンディは、白身の魚でクセがなく、様々な料理に使えるので重宝するようだ。テリーのお宅で出される魚は、もちろん釣ってきた天然物。今では養殖方法が確立されたため価格が下がっているが、以前はお高い魚だった。日本にもナイルパーチとともに白身魚の切り身となって、かなりの量が入っているハズ。スーパーの店頭でバラマンディやナイルパーチの名前を見ないのは、流通の段階で誰かが不当に儲けているからに違いない。

釣行1日目の結果

TOSHI

ASAKO

TERRY

バラマンディ


1


GT

4


1

ターポン

1


1



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