オーストラリア国旗 2KB

バラマンディ・フィッシング]Y
グッバイ・アラクン

トイレ張り紙 4KB
トイレはきれいに使おうね


擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'09/9遠征


'09/9/25(金)〜27(日)

〜 アラクン最後の朝食 〜


朝食 6KB 前夜、雨音を聞く。遠征中、初めての雨となったが、パラパラ降っただけで、朝にはカラリと上がっていた。今回の遠征では天候に恵まれホント良かったと思う。豪州では乾季の真っ只中でも雨を降らせてしまうほどの雨男なのだが、カッパを一度も着なかったのだ。アラクンでの最後の朝食はパンケーキとトーストでシンプルに。せっかくだからトーストにオーストラリア製のジャムやらハチミツ、バターを色々塗ってみた。お味噌のような味がするベジマイトには、未だに抵抗がありパンに塗るのはパス。チョロッと舐めるだけにした。オーストラリアの家庭では、極普通に皆さんニコニコしながらベジマイトをパンに塗って食べているらしい。

 食事をしながら次回の釣行についてテリーと話をする。今回の釣行は、初日午後からの釣行を含めて7日間でバラマンディ103匹を含む、豪州の猛魚を224匹釣り上げた。バラマンディのサイズは50〜60cm。狙っていたメーターオーバーにはほど遠い結果となったが、こればっかりはタイミングというものもある。自分が休暇を取ることが出来る時期が限られてしまうため、デカバラと遭遇する確率がどうしても下がってしまうのだ。これまでケアンズ近郊の河川、コテージを借りてのヒンチンブルック島、キャンプをしながらのレイクフィールドなど、様々なスタイルのバラマンディ・フィッシングを楽しんできた。そして今回の洋上生活をしながらのアラクンは、今までのスタイルとはまた少し違った感じで、釣り楽しむことが出来た。

スケジュール 4KB 洋上での生活ということで、当初は母船がいつも波で揺れていて船酔いをするのではないかと心配していたが、これも取り越し苦労だった。確かに、潮の干満でアンカーを中心に船は動くのだが、その動きは全く気にならなかった。ネックになるのは、やはり費用とツアー人数だろう。ケアンズ・アラクン往復のエアチケットや母船ピクーを貸切る費用が掛かるので仕方がない。ピクー貸切費用はホテル代とフィッシングガイド代だと思えば、それほどビックリする価格ではないのかもしれない。ツアー人数については、基本的に1名対応はしていないのが辛いところだ。同じ時に1週間以上仕事を休める人を4人集めるというのは至難のワザ。割高になるのを承知の上で、2人で頼み込むのが現実的なところだろうか。

 室内に来年の予約状況が書かれているカレンダーがあったので確認すると、もう既に結構予約が入ってきている。Steve Jestonがイイ時期をかなり集中して押さえていた。日本の夏に当たる時期はまだ予約が入っていないため、まだ間に合いそうだ。ここの雰囲気もかなり掴めたので、もう1回チャレンジしても良い気になってきた。やはり次回は、ビッグバラとサラトガを狙いたいところだ。

〜 ウンゲロな話 〜


トイレ 4KB 食事終え、荷造りを完璧に済ませる。少しでも荷物の重量を減らすため、10年以上、豪州遠征専用として愛用していたビーチシューズをここで廃棄決定。そして、忘れ物があったとしても簡単に取りには戻れないため、キャビンの中を繰り返しチェックをする。アチコチをぐるりと見渡しながら、あらためて母船ピクーを見た。船内で一番興味深かったのはトイレ。さすがに水洗トイレではなく、いわゆる昔ながらのポットン便所。しかし、不思議と全く臭くないバイオトイレなのである。

 臭いがしない仕組みや、溜まった糞便をどのように処理するのかは判らなかったが、常にきれいに保たれており女性でも心配なく使えるだろう。もちろん、汚した人は自らがブラシを持って掃除をする事になっている。普通ならトイレ洗浄剤があるのだが、ここにあるのは料理用のオイルスプレー。フライパンにシュッと油を吹きかけるヤツだ。多分、トイレ洗浄剤は有用微生物を殺してしまうため使わないのだろうが、トイレの汚れを油で落とすという発想は勉強になった。

タバコパッケージ 5KB サイモンが時々、タバコを吸っているのでどんな銘柄なのか尋ねてみた。彼が取り出したタバコWinfieldの箱を見て、思わず「ゲゲッ〜」とうなる。パッケージに使われている写真があまりにもグロテスク。死体解剖で脳卒中になった脳ミソを取り出し、パックリと割ってある写真がドアップでプリントされているのだ。これは豪州政府による喫煙率を下げるための取り組みらしい。脳ミソ・パックリ割れの写真の他、肺ガンの写真、手足が腐っている写真や未熟児の写真など幾つかのパターンがあるとのこと。帰国後、ネットで調べたらパッケージの種類は色々あって、更に「うげぇぇぇ〜」となってしまった。(詳しくはこちらのサイトで。)

 サイモンによると、昔、オーストラリアでは喫煙率が85%程度あったが、政府による長年の禁煙運動で50%まで低下。しかし、そこから中々下がらなかったのだが、グロテスクな写真を掲載するキャンペーンを展開して一気に低下。ついに現在では20%を切るに至っているらしい。タバコの価格は銘柄や販売店にもよるが、1箱、1,300〜1,500円。この内、税金が7〜8割を占めている。喫煙率低下により税収は落ちたが、国における医療費支出が大幅に減っており、国民の寿命も伸びているようだから、この取り組みは成功したと言えるのではないか。一方、日本の喫煙率はやっと40%を切ったところ。1箱300円のタバコが100円程度値上がっても喫煙率はそれほど下がらず、国民の健康面から考えると中途半端な取り組みになるだろう。(国別の喫煙率比較はこちらのサイトで。)

ボーキサイト 7KB いくら嗜好品とはいえ、こんな高いタバコは買える物ではない。お金のない人はどうしているのかと尋ねたら、「タバコの葉っぱと紙を買って自分で巻いて吸うんだ」とのこと。この方が手間は掛かるが安いらしい。そういえば、以前、ケアンズのフィッシングガイドが手巻きタバコを吸っていたのを思い出した。手巻きタバコは日本にもあり、紙に使うのはコンサイスの辞書がイイだとか、岩波の辞書がイイだとか・・・学生時代はそんな話で盛り上がったっけ。今後、タバコの価格がグッと上がり1,000円以上になれば、日本も手巻きタバコを愛用する人が増えるかもしれない。

 午前9時半過ぎに母船ピクーから下船し、ピクー3号艇に乗り移る。数分間のボートクルージングで海岸に到着。久しぶりにしっかりとした大地に足をつけたのでグッと伸びをする。足元の波打ち際には、茶色い玉が沢山転がっていた。良く見ると、これらは全てアルミニウムの原料になるボーキサイトの不定形な小粒の塊。「海岸一面にボーキサイトがある」という話は聞いていたが、自分の目で見るのは初めてだった。確か、オーストラリアは世界一のボーキサイト産出国だったハズ。一方、日本における最大のボーキサイトの輸入先はオーストラリア。産出されたボーキサイトの多くが、日本へ輸出されているのである。

〜 アボリジニ居住区・アラクン 〜


アボリジニ住居 6KB 海岸から空港までは僅かに1キロ程の距離。チェックインには早過ぎたので、アボリジニ居住区の中をドライブしながら、サイモンからアレコレと話を聞く。町並みを走って直ぐに気がつくことは、個々の家が背の高い金網フェンスで囲まれている事と、ゴミが散乱しており非常に汚い事だ。フェンスで囲まれているのは治安が悪いからなのだろうか。痩せた大きな野良犬も沢山おり、群れをなして走り回っているのも気になる。ゴミについては、空き缶、ポットボトル、ビニール袋は当たり前、色々なガラクタが道路脇に捨てられていた。「これでも去年に比べれば、随分きれいになったんだ」というサイモンに、「思わず本当の話なのか?」と確認してしまうほど。過去の遠征で、荒れた陸路を随分走りながら小さな町並みを拝見してきたが、何処も小奇麗に管理されていたのでこのギャップは大きかった。ゴミの回収がされてないのかと思いきや、丁度、ゴミ収集車が道端で作業をしているのを確認した。

 車は街から外れ、ユーカリ林の中を進むと目の前がパッと広がった。ここは大きなゴミ捨て場。林の中に大きな穴を掘っただけの場所。管理者もおらず、車を横付けにしてピクーから出たゴミを穴の中に放り投げる。穴が満タンになったら、次の穴を掘ってまたゴミを埋めるだけ。自分もこの地でゴミを出した側なので文句を言える立場ではないのだが、様々な物が分別されずに野ざらしで1つの穴の中に埋まれば、有害な物質も発生する懸念がありそうだ。日本国内ではゴミ埋め立て場から流れ出た水により地下水が汚染されたり、石膏ボードから硫化水素が発生し環境上の問題になっている事例を知っているだけに気持ちが落ち着かない。アラクンのアボリジニ居住区人口は、2006年の国勢調査で僅かに1,044人。環境に与えるインパクトは微々たる物なのかもしれない。

アリ塚 6KB 林の中を走ると、次に現れたのは廃車置き場。随分年代物の車が無造作に捨てられている。誰もが自由に出入りが可能で、車を捨てることが出来る一方、パーツも取り放題。と言っても取りたくなるようなパーツは1個も残っていないのだが。廃車置き場でUターンし、来た道とは違う荒れた道を走る。街に近づくにつれ、林の中はゴミだらけになってきた。道路沿いには紙オムツやペットボトル、ボロきれ、プラスチック製品、電化製品など、一般家庭から出されたであろう生活日用品が散在している。ここでテリーが奇妙なアリ塚を発見。アリ塚のテッペンからプラスチックのイスがニョッキリと出ていた。お調子者のサイモンがすかさずアリ塚によじ登り腰掛ける。イスはガッチリと固まっており、彼が前後に激しく揺らしてもビクともしなかった。

 サイモンがキープしてあったナマズなどを届けるため、街中にあるスーパーに立ち寄る。廃車寸前のボロボロのトラックがある横に、三菱ランサーみたいなカッコイイ車があったりして、ギャップの大きさに違和感を感じる。若干の時間があるようなので車から降りて町並み拝見。電柱や壁にはカラフルなペンキを使った手形が、随所で悪戯書きのように押されている。スーパーに入ろうとしたが、ちょっと足を踏み込んで直ぐに戻る。店内にいた人達が一斉に私を見た気がしたのだ。なんとなく違和感を感じて入り口から眺めるだけにした。彼らにとって私は異邦人だから仕方がないかもしれない。スーパーの周囲には平日の真昼間だというのに老若男女、様々な世代の人達がウロウロしていることに気がついた。テリーに聞くと、「彼らに仕事はなく、働く必要もないからフラフラしている」とのこと。

〜 グッバイ・アラクン 〜


アラクン空港 5KB 空港のチェックインは出発の40分前まで。本当に小さな施設で、座る場所は木のベンチ。日差しを避けられる屋根とトイレがあるだけで、売店や喫茶コーナーなどは何もない。チェックインカウンターがあるわけでもなく、綺麗な女性が窓口にいるわけでもない。いるのは男性係員2人のみ。彼らはのんびりと銭湯にある体重計に似た旧式の台秤でスーツケースとバズーカの重さを測る。スーツケースが18kgでバズーカが2kg、合計で20kgとのこと。来た時よりも確実に荷物は減っているハズなのだが、20kgとはどういうこと?

 ベンチに座って、これまで撮影した写真をチェックしたりして時間を潰していると、同じ便に乗る乗客が段々集まってきた。来た時と同様、やはりアボリジニは何故か大きな枕を抱えている。飛行機内での快適性を追求したいのか、枕が変わると寝られないのかは判らないがちょっと不思議な感じがする。因みにスカイトランスは来る時と帰る時のコースが違う。来る時は途中のロックハート・リバーに立ち寄るため、2時間40分掛かるのだが、帰りはケアンズへ直行するので1時間40分の空の旅となる。景色を見た後、少しウトウトすれば到着してしまう距離だ。

 白人とアボリジニと話をするのは少ないようだが、白人同士は見ず知らずの人にも気軽に話しかけ、自己紹介をして握手をしたりする。テリーも話好きなので、飛行機を待つ間、色んな人と話をするのだが、その都度私も紹介されるため挨拶をすることになる。簡単な自己紹介しか出来ないのだが、こんな時はもっと英会話が流暢に出来ればとつくづく思うのだ。雑談をしていると、スカイトランスの白い機体が視野に入ってきた。着陸の様子を皆で見守っていると、滑走路に降り立つ際に派手な音をさせながら大きくバウンド。これには私だけでなく、周囲にいた人達からも「おおおぉ〜」と声が出た。このパイロットは絶対にヘタクソだ。

スカイトランス 3KB 飛行機から降り立った客の1人、大柄な白人がこちらに歩いて来てテリーに挨拶をする。私も自己紹介をすると、彼がアラクンの釣りを開拓したガイドのスティーブだった。やっぱり豪州人は握手をする際に、ガッチリと力強く相手の手を握る。自分の強さを誇示したいのか、それが礼儀なのかは判らない。手の大きさが明らかに違うため絶対に勝てっこないのだが、こちらも負けじと力を込める。彼は私達の帰った後にピクーへ乗船し、ガイドをするようだ。テリーは今回の釣行の様子を手短に伝える。彼は私の事も色々伝えたようで、「機会があったら一緒に釣りをしよう」と声を掛けられた。ツアーの人数が増えれば、当然ガイドも必要になる。その時には彼にガイドを頼むことになるだろう。

 手荷物検査もなく、金属探知ゲートもない。まるで乗り合いバスに乗り込むような感じで飛行機に乗り込み、午前11時少し過ぎに飛び立った。グッバイ・アラクン・・・眼下には7日間竿を振っていた曲がりくねったクリークや河口域が見えた。水平飛行になると機内サービスがあった。美味しいバナナ&ナッツ・マフィンを食べながら、紅茶をすすり、上映されていた昔懐かしい「E.T.」を横目で見る。多分、この「E.T.」は20周年記念特別版。因みに主人公エリオットの妹が、後にチャーリーズエンジェルを演じるドリュー・バリモア。特別版になって彼女の登場シーンが増え、最新CGによりE.T.の動きが滑らかになったり、銃が出てくるシーンがカットされたりと随所に手が加わっているようだ。映画を見ながらウトウトまどろんでいると、機内アナウンスが流れ着陸が近いことを知る。上空から見たケアンズは全体的に白っぽく、雲がかかっているように見えた。アラクンの天気も曇りだったので余り気にしていなかったのだが、例のレッドダストの影響だったのである。

〜 恒例のショッピング 〜


テリー宅 4KB アチコチ工事中で雑然としたケアンズ空港の送迎レーンで、テリーの奥方マリアさんの運転する車の出迎えを受ける。挨拶もソコソコに車に乗り込み、テリーのお宅へ向かう。途中、郵便局と思われる場所へ寄り、私書箱に届いている郵便物を受け取る。「自宅に届けてもらえれば良いのに」と思うのだが、「引越しをしても郵便物が確実に届くから便利だろ」という。そう言えば、今テリーが住んでいるお宅は、私が知っているだけでも3件目。豪州人は彼に限らず、結構な頻度で引越しをするという話を聞いたことがある。私からすれば、イチイチ郵便物を取りに行かなければならないので不便だと思うのだが、治安が良いと言われるケアンズ市内でも、自宅ポストに入っている郵便物を荒らされたりする事もあるらしい。

 間もなく、テリー宅に到着。シャワーを浴びてスッキリした後は彼とショッピング。最初に目指すのは、オーストラリア最大スーパーのウールワースと商売敵のIGAが通路を挟んで向かい合って入居している大きなショッピングセンター。この2店舗を行ったり来たりすると判るのだが、同じ商品でも値段が結構違うのである。お土産として買う物は決まっているので、フィッシャーマンズ・フレンドとお気に入りのマカダミアンナッツ・チョコレート、ハニーコウム、そしてシリアルバーの値段を足早にチェックして安い方をピックアップ。そして今回は、マリアさんイチ押しのジンジャー・マーマレードを購入した。これまで、ショウガのマーマレードなんて食べた経験がなかったので、試しに購入。帰国後、パンに塗って食べたのだが、結構イケル。もう1瓶買ってくれば良かったと後悔した。

ジンジャージャム 6KB スーパーのレジ打ちではいつも不思議に思うのだが、必ずレジのお姉さんは1個ずつ商品を手に取りバーコードリーダーで読み取らせる。このお店のレジのお姉さんも同じ。今回もフィッシャーマンズ・フレンドを20数個、この他にチョコレートも沢山購入したため、打ち出されたレシートはマジに笑えるくらいに長い。しかも見慣れない大小様々なコインやカラフルなお札を選びながら、トチトチとお金を支払うので会計までに時間が掛かってしまう。きっと、私の後ろに並んでいたお客さんはイライラしていたに違いない。

 続いて、ケアンズ市内にあるタックルワールドへ行く。少なくとも年に1回はテリーに連れられ顔を出しているので、店員さんにも徐々に私の顔が覚えられ始めた。時間はタップリあるので、ルアーを中心にじっくり眺める。気になるのは品揃え。毎度の事ながら、昔あった奇妙キテレツ系の豪州製ルアーは姿をどんどん消し、日本や中国のアジア系ルアー、ストームやヘドンなどのアメリカン・ルアーやラパラが幅を効かせておりドキドキ感がすっかりなくなってしまった。目に付いた日本のルアーの価格は、TDポッパーSWX-80SWナバロンがA$23.95、DDパニッシュがA$29.95、XポッドがA$45.95、SフラットがA$74.95。ガイド達が良く釣れる日本のルアーを欲しがるワケだ。

タックルショップ 4KB メガバスの本格的な取り扱いが始まったのは興味深かったが、一番驚いたのは、ローリングベイトの完全パクリ中国製ルアーの登場。コピールアーなのにA$15.95もしたりして、値札を見た時にめまいがした。2年前だったか、クルクルの完全パクリ版を見つけた時には驚いたが、今回の偽ローリングベイトはその時以上の衝撃だった。オーストラリアで売っていれば、日本でも売っているハズ。釣具店の中古コーナーでうっかり偽物を買わないように注意しなければ。

 結局、店内をグルグル回って、購入したのが、リーズルアーハイジャッカー125mm(新色)とリーディーズB52。このお店はケアンズ郊外にある釣具店よりも価格がちょっと高いのだが、買える時に買っておかないと店頭から姿を消してしまうので我慢するしかない。特にリーズルアーは要チェックなのだ。B52は中国で大量に作られているので、比較的何処でも買えるのだが、ケアンズに製造元があるリーズルアーはウッド製のハンドクラフト。従って、生産数が極めて限られている。種類は色々あるのだが、テリーお勧めのバラマンディ専用と言い切っても良いくらいベストマッチのルアーはこのモデルなのだ。

〜 テリーのお宅拝見 〜


新艇 5KB 買い物を済ませた後、テリー宅に戻り、しっかり刈り込まれたグラスの上を歩きながら御自慢の庭を拝見。私が来るといつも体をすり寄せて来た黒猫は、お亡くなりになったようで寂しい限り。これまでと周囲の雰囲気がちょっと違うので家の周りをキョロキョロする。いつの間にか、外壁や立派な車庫が出来ていたのだが、もっと驚いたのは車庫の奥にテリーの作業場が出来ていたこと。作業台や多種多様な工具と釣具が整理整頓されて置かれていた。ここでは彼の秘蔵ルアーをアレコレ見せてもらう。日本人客からプレゼントされた数々のルアーや、テリーの友人がリペイントしたロングAをワクワク・ドキドキしながら眺めた。

 庭の片隅にあったバラボートを覗き見ると、新艇を建造中のようで内部構造がむき出しの状態。ペコペコなアルミのバスボートとは大きく異なり、とても頑丈に作られていることが一目で判る。浮沈構造になっており、もちろん大型のストレージやイケスも確保。テリーと彼の友人が作る船は、フル装備をして客人を乗せた状態で安定し、強風時でもコントロールしやすいだけでなくスピードが早いのである。ケアンズ近郊の河川やヒンチンブルック島では、前方を走る船を追い抜いてブッチ切ってしまうほどなのである。

テリー家族 6KB 夕食はマリアさんが作るミートソース&トマトのスパゲティー。このソースには庭で採れたトウガラシが仕込まれていて、ピリカラでとてもグッド。私のお気に入りであり、テリーは昨年のレイクフィールドのキャンプ&フィッシングにもタッパーに入れて持って来てくれた逸品でもある。一年ぶりに会ったライアン君は、また一回り以上大きくなって、私の身長よりも遥かに高くなっていた。日頃から運動をせずゲーム三昧。ハイカロリーな食事をしているようで、腹回りも随分ふくよかになりすっかりメタボ体型。初めて会った時は、子供自転車を乗り回す小さくて可愛い男の子だったのに、よくまぁこんなにデッカク育ったものだと感心するばかり。

 食卓での話題は、オーストラリアの東海岸を襲ったレッドダストの件。大陸中央部の砂漠地帯から舞い上がった赤い砂が強い西風でシドニーなど大都市に襲い掛かったのだが、風向きが変わりケアンズなど北東部の都市にも降り注いだらしい。空が曇っているように見えていたのは砂埃の影響。赤さは感じないのだが、丁度、日本で黄砂が飛んできている時のような薄曇の状態だ。マリアさんは「部屋中ホコリだらけになった」と機嫌が悪い。テレビのニュース番組では、真っ赤な空とマスクをしている人達の姿が度々映し出されていた。

〜 さぁ、帰国だ 〜


荷造り 5KB 豪州遠征最終日、まだ薄暗い時から鳥達が動き出し、その内にワライカワセミや様々な鳥がけたたましく鳴き始める。こうなってくると寝てはいられない。午前6時半にベッドを抜け出してテリー宅の周囲を散歩する。異国での散歩というのは、気分がリフレッシュされて、心身ともにイイのである。知らない街なので、迷子にならないように気をつけながらブラブラと歩いて帰宅。荷造りをゴソゴソやっていると、皆が起きてきて朝食となった。トーストと目玉焼き、カリカリに焼いたベーコンを食べる。そして、デザートにポウポウとバナナをいただき満腹状態。遠征では不思議と食欲旺盛になり、自分でも感心するほど食べてしまう。今回は確実に2kgは増えていそうだ。

 食後一服していると、一昨年、カルンバ釣行に同行してくれたケビンがやってきた。久しぶりの対面を喜び合いながら、デジカメ写真を見せて遠征の報告をする。狙っていたデカバラは次回のお楽しみ、再会を約束して別れる。時間つぶしにテリーが用意してくれたのは、ケアンズ郊外にあるタックルショップBRANSFORDSが発売した2枚組のDVD。レイクフィールドやティナルー湖、カルンバやアラクンのフィッシングシーンだけでなく、ヘリコプターを使った豪華なアドベンチャーフィッシングなどが山盛り紹介されていた。もちろん、テリーも出演。

ブランズフォードDVD 8KB 午前10時にテリーのお宅を出発し、彼の運転でケアンズ空港へ向かうことになった。準備をしていると、私達よりも一足先に出掛け、別れたばかりのライアン君から緊急電話が入った。近所でパンクして立ち往生しているとのこと。丁度、空港への道中だったたので直ぐに駆けつける。車を路肩に止めて、照れ笑いをして私達の到着を待っていたライアン君を「また、会ったねぇ〜」などと言ってからかう。テリーが段取り良くジャッキを使って車を持ち上げ、ライアン君にアレコレと指示を出す。テリーにとってタイヤの交換は手馴れたもので、僅か数分で作業は終了した。

 10分少々で空港に到着。お互い別れるのがとても惜しくて、何度も硬く握手をしたり抱き合ったり。何故か涙目になりながら、再会を約束してテリーと別れ、ジェットスターのカウンターでチェックインする。旅行代理店が示すチェックインタイムよりも早めに手続きをするようにしていれば、団体客のゴタゴタに巻き込まれずに済む。出国カードを手早く書いて手続きを済ませ、手荷物チェックを受けた。テロ対策でセキュリティーが厳しくなっているようで、横では白人男性が何度も金属探知機ゲートで引っ掛かり、徹底的にボディチェックをされていた。

パンク修理 6KB 暇つぶしで免税店をのぞきながら、クソ高いミネラルウォーターのボトルを1本買っておく。大小様々な豪州コインを使い切るため、よく利用していた土産物屋がなくなってしまいチョット残念。本屋で立ち読みをして時間を潰す。予定どおりにエアバスA330は午後1時20分に出発。しかし、直ぐには飛び立たず、滑走路の待機場所で10分も待たされた。昼食にあたる機内食が出てきたのは午後3時。空港内でカロリーメイトを食べておいたので、助かったが何も口にしていなかったら飢え死にしていたのではないだろうか。期待していなかったチキン照焼き弁当は、結構美味しかった。機内ではジムキャリー主演の「Yes,man」が上映されたが、日本語サービスがなくガッカリ。午後7時、おやつに出たフランスの郷土料理であるキッシュは私の口には合わず、ミートパイを選べば良かったと反省した。

〜 ギリギリのタイミング 〜


 日本時間の午後7時55分、予定よりも5分早く成田空港に到着。案の定、サテライトの一番端っこに到着したため、空港施設内を猛ダッシュする。予定している成田エクスプレスの発車が午後8時46分。これに間に合わないと、新幹線がアウト。何処かのホテルで一泊しないと我が家に帰れないのである。長い長〜い通路を走り、息を切らしながら連絡シャトルに飛び乗る。預けてあるスーツケースが中々姿を現さず、イライラしながら排出口を覗き込む。ベルトコンベアーで運ばれてきたスーツケースを力強く引き抜いて、空いている税関係員の所へ走る。税関審査はパスポートを見せるだけでチェック終了。係員に成田エクスプレスのホームへの行き方を聞き、再び施設内を走る。エスカレータで地下1階へ行き、キップを買ってホームに立ったのが、午後8時37分。列車が来るまで、自分が立っているホームが間違っていないかドキドキしながら周囲をキョロキョロと確認する。

 無事に列車に乗る事が出来てホッと一息つく。急に腹が減ってきたので、デイバッグの奥底に突っ込んでおいた菓子パンをかじる。このパンは日本を出発する際に、成田駅の売店で買っておいた長期保存可能なヤツ。ペチャンコに潰れてはいたが、味に変わりはなく、我ながら準備の良さに感心しながら美味しくいただいた。品川駅で予定していた新幹線ひかりに乗れたので、もう心配する事はない。浜松駅に付いたのが午後11時17分。酔っ払いの若者や外国人達で満員になっている最終のJR東海道線に乗って、真夜中0時に磐田駅へ到着。タクシー待ちの列に並び、やっと帰宅したのは日付が変わった午前0時20分。

 帰路は随分慌しくギリギリのタイミングだったがトラブルなく辿り着く事が出来た。ジェットスターの到着時間がもう1時間早ければ、もう少しゆったりした気分でいられるハズ。思い起こせばケアンズに到着した時も空港施設内を走って、国内線の出発にギリギリ間に合ったっけ。今回の遠征では、様々な場面で随分と運に助けられたと思うが、来年はどうなることやら。

前のページへ
バラマンディ攻略ルアー・インプレッション
オーストラリア遠征目次へ



トップページに戻る。
私へのメッセージは こちら へどうぞ。 

  
Copyright (C) tamatebako